SCEのVRゴーグル「Project Morpheus」ハンズオン

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思わず体が動く動く!

ソニー・コンピュータエンタテインメントは今年3月、Oculus Riftに真っ向勝負を挑むProject Morpheus(プロジェクト・モーフィアス)を発表しました。今週開催中のゲームの祭典E3で、米Gizmodoのブレント・ローズ記者が実際にゲームをプレイしてきたそうです。その感想はどんなものか、以下はローズ記者です。

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今回プレイできたのは全部で5分ほどでしたが、それでもProect Morpheusのすごさを感じられました。未来のスキーゴーグルみたいなハードウェアは驚くほど軽く、バランス良く感じます。何時間プレイしても、首が疲れたりしなさそうです。現段階のハードウェアはまだプロトタイプで、一部の端末にはダクトテープが貼られてたりしたんですが、プレイした感じではもう十分できているように思えました。

Project Morpheusを頭に装着したら、後頭部のプラスチックストラップを締めて頭に合わせます。フィット感はダイヤルでさらに微調整もできます。ディスプレイの位置をボタンで調節し、目に近くしたり遠ざけたりして、イヤフォンを挿し込めば準備完了です。

デモでは3つのゲームを試しました。Project Morpheusは年内発売予定はなく、もしかしたら来年もないかもしれませんが、現時点でもかなりワイルドでした。ゴーグル内での見え方の撮影は禁止されてたので、以下に言葉でどんな感じかご説明します。

ゲーム1:Castle

最初にプレイしたのはCastleというゲームで、内容的に一般販売はなさそうなんですが、Project Morpheusのデモとしては最適でした。CastleではPlayStationのアクセサリを十分に使って、より没入感を高めています

たとえばPS4 Cameraアクセサリ(ソニー版Kinect)で室内でのプレイヤーの位置を測り、プレイヤーからの見え方をそれに従って調整します。モーションコントローラーのPlayStation Move(ソニー版Wiiリモコン)で手の位置を確認します。ヴァーチャルな物体を動かすときは、トリガーも使えます。

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Castleは最初は手ぶらの状態で始まり、騎士のマネキンに出会います。PlayStation Moveのトリガーで手を握りこぶしにして、マネキンをパンチできます。または彼の手をとって踊ることもできます。デモは非常に反応が良く、ラグはまったくありませんでした

次のレヴェルでは剣を与えられ、ダミーの騎士を突いたり、手足を切ったりできました。さらに次にはトゲ鉄球付きフレイルで騎士をやっつけたり、クロスボウを使ったりもしました。Project Morpheusでは、矢を長距離飛ばすときの重力の影響も計算しています。

デモは全体的にスムースでしたが、剣を落としてとろうとしたときに、自分の下のフロア全部を持ち上げそうになったことがありました。そのときはなんだか急にクラクラきましたね。

ゲーム2:Street Luge

次は街中の設定でスノースポーツのリュージュができるゲーム、Street Lugeです。僕はほぼフラットなビーズクッションみたいなものにあお向けに寝かされて、リュージュ選手とほぼ同じ体勢になりました。ゴーグルとイヤフォンを装着すると、あっという間に坂を急降下し始め、無意識に車や障害物を避けてしまいます。

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コントロールは非常に直感的で、進みたい方向に身体を傾けるだけです。学習カーヴがほとんどありません。システムの反応も非常に良く、ラグも感じず、脳みそが沸騰しそうになりました。ヴァーチャルには時速90マイル(約150km)が出る中、対向する巨大トレーラーの下にスライドイン、頭の上を車軸が通っていきました。そりゃもう本当に本当に楽しいひとときでした。これでさらに扇風機でもあって、顔に風圧を感じられたらもっと快感だなー、なんて思いました。

ゲーム3:EVE Valkyrie

最後は、3月の発表のときも使われていたデモ用ゲームEVE Valkyrieの新ヴァージョンです。Project Morpheus発売のあかつきには実売されるゲームになりそうと聞きました。最初に見たときと違いゲーミングエンジンUnreal 4がベースになっていて、ヴィジュアルが大幅に精細化しています。

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内容的には宇宙でのドッグファイトゲームです。PS4標準のDualShock 4コントローラを使って宇宙船を操作し、加速したり銃を撃ったりします。Project Morpheusのヘルメットで世界を見回したり、ミサイルロックをコントロールしたりできます。敵を数秒視野に入れているとターゲットにロックオンされ、やっつけることができるんです。

これはよくできたプレイスタイルで、没入感があるだけでなく周りを見ることができるってことです。ある方向に進みながら別の方向にいる敵を倒したり、あるターゲットを倒しつつ別のターゲットにロックオンしたりできます。これで文字通り別次元のプレイが可能になります。Project Morpheusならではのプレイができるので、脳もそれに従って新しいことを学ぶ必要があります。

もうひとつProject Morpheusの細やかながら最良の機能は、3Dサウンドです。3Dサウンドって、タブレットでも他のガジェットでもバズワードですが、Project Morpheusではそれがちゃんと有意義に機能していてます。EVEではたとえばマシンガンを撃ちながら頭を左に向けると、音声が右耳寄りにシフトします。これによってリアリティにさらなる深みが出ます。

そんなこんなが積み重なるとどうなるでしょうか? この環境でゲームをしていると、フラットスクリーンでやっているときとは違う心拍数の上がり方になります。現実感を変えることで、闘争本能とか逃走反射が引き出されます。Street Lugeではアドレナリンが急上昇したはずだし、EVE Valkyrieでは「追われてる!」ようなパニック感がありました。ゲームだってことはもちろんわかっていて完全に発狂したりはしませんが、あまりにリアルすぎて無意識に体が動いて、笑えるくらいです。

ただ、まだ完全にできてはいません。現状ディスプレイは1,080pで、それがふたつの目に対して分かれてるんで、画質は荒くなってます。さらにスクリーンが目の真ん前なので、ピクセルが見分けられない「Retinaディスプレイ」にはほど遠いです。Oculus Riftと同じような、スクリーンドア効果(網戸を通したようにピクセルの周りに細い線が見える状態)もちょっとあります。

それで台無しってほどではありませんが、やはりヴァーチャル・リアリティである以上は4Kが求められます。発売まであと1年はありそうなので、それまでにアップグレードされるかもしれません。

ソニーのJeff Stafford氏いわく、Project Morpheusは他のPlayStation製品よりもデヴェロッパー主導にしたいようです。彼はSCEののポピュラーなゲームをProject Morpheusにポートしたいだけではなく、サードパーティがそのポテンシャルを最大化するような世界を作り出すことを期待しています。

今はまだ始まりにすぎませんが、この段階でチラっと見ただけで、すごいものが来そう! って感じがしてます。

Brent Rose - Gizmodo US[原文

(miho)