積ん読されがちなベストセラーランキング、2014年夏。

積ん読されがちなベストセラーランキング、2014年夏。 1

ビーチで読むにはちと重い。

ネットで無料の情報があふれている今どき、本を買うのってちょっとドヤ顔してもいいものです。ちゃんとした本を読んでるんだぜと。ただし本を「買う」のと、「読む」のとはちょっと違いますね、はい。だからベストセラーであっても、みんなが読んでいるとは限りません。いざ買ったものの、最後まで読まれずに積まれている本、いわゆる積ん読本ですね。

じゃ、今売れている本の中で実際読まれていないのはどんな本でしょうか? それを推定すべくウィスコンシン大学マディソン校の数学科教授Jordan Ellenberg博士がアマゾンのデータを分析し、結果を公開しています。

その手法はシンプルです。アマゾンにある各書籍のKindle用ページには、Kindle読者がよくハイライトしている部分5ヵ所を抜粋した「Popular Highlights」という項目があります。もしみんなが最後まで読み終わっているなら、Popular Highlightsは書籍の最初から最後までまんべんなく散らばっているはずです。逆にもし途中で積ん読にしている人が多ければ、多くのハイライトは最初のほうに集中してくると考えられます。

そこでEllenberg教授は各書籍のPopular Highlightsのデータを収集し、抜粋部分が書かれたページ番号の平均値を算出しました。その数字を書籍全体のページ数で割ることで、書籍の読み進まれ度合いの(ざっくりした)指標となります。

Ellenberg教授はこれを「ホーキング指標(Hawking Index)」と名づけました。みんなが読もうと思っていて読めていない名著「A Brief History of Time(邦訳「ホーキング、宇宙を語る」)」のスティーヴン・ホーキング氏にちなんでいます。

Ellenberg教授の分析によるベスト(ワースト?)10がこちらで公開されてますが、以下にトップ4冊をご紹介します。

・第4位:「Lean in

フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ氏による話題のベストセラーです。邦訳「リーン・イン」もアマゾンで高評価されていますが、ホーキング指標は12.3となっています。映画化されるらしいので、そちらを観たほうが楽かもしれません。

・第3位:「Thinking,Fast and Slow

心理学者でノーベル経済学賞受賞者でもあるダニエル・カーネマン氏によるこの本、こちらも邦訳「ファスト&スロー」が出てますが、みんなの読書ペースはスロー。ホーキング指標は6.8です。カーネマン氏の業績の集大成とされてますが、その分夏のビーチで読むにはちょっと重いようです。

・第2位:「A Brief History of Time

スティーヴン・ホーキング氏によるこの本は邦訳「ホーキング、宇宙を語る」となっていますが、直訳は「時間の短い歴史」。ページ数もペーパーバックで200ページちょっととライトだし、タイトルも簡単そうだから手にしたものの…っていうストーリーが目に浮かびます。ホーキング指標の名前の元になっているだけあって同指標で6.6と堂々の第2位ですが、惜しくも第1位の座をニューカマーに譲ってしまいました。

・第1位:「Capital in the Twenty-First Century

長年のベストセラーをおさえて第1位に輝いたのは、英語版が今年3月に刊行されたばかりの「Capital in the Twenty-First Century」(邦訳は「21世紀の資本論」として12月に出版予定)です。トマ・ピケティ氏による同書のホーキング指標はなんと2.4。で、でもまだ発売されて4ヵ月なので、これからじわじわと指標を上げていけるといいですね…。

以上、読まれてない(っぽい)ベストセラーランキングでした。

このランキングの根拠であるホーキング指標が直接表しているのはあくまで「ハイライトされた部分が書籍のどのへんにありがちか」です。なので多くの人が読了している本であっても、わかりやすく面白い部分が最初のほうに固まっている場合はこのランキングで上位に来てしまいます。Ellenberg教授自身、「これは全然科学的でなく、エンタテインメント目的です」と断り書きをしています。

でも、読書中の行為がデータ化されることでこんな新たな分析が可能になったのは面白いですね! 分析対象を本じゃなく読者にして「積ん読が多い人ランキング」とか可視化されたら…怖いなー。

Image:Shutterstock / R.Ashrafov

source:WSJ

Robert Sorokanich-Gizmodo US[原文

(miho)