グーグル、「忘れられる権利」の削除要請に対抗策

140704_righttobeforgotten.jpg

誰しも静かに消えることはできない。

今年5月、EU司法裁判所が「忘れられる権利」を根拠としてヨーロッパ版Google上のリンク削除を命じる判決をくだしました。これによってヨーロッパ版Googleの検索結果からは当事者が削除要請したリンクが削除されるようになりました。

でもさすがにグーグルは転んでもただでは起きないとばかり、対抗策とも見える手続きを入れていました。以下、米Gizmodoのアギラー記者です。

*  *  *

EU司法裁判所が「忘れられる権利」を根拠にグーグルにリンク削除を命じました。でもインターネット上では、過去から逃れることはできません。

グーグルの検索結果からのリンク削除を強制するのは、明らかに検閲です。誰かが不都合な真実を消したいからって、それを公共の目の届かないところに葬ることになります。それはたとえばドラマ「24」のプロデューサーが、シーズン6の出来が悪かったからってシーズン6に関する情報をすべて抹消しようとするようものです。

でもすでに、これ幸いとグーグルにリンク削除要請を出した人がたくさんいます。TechDirtによると、その数はすでに数万件にのぼるそうです。

ただしその手続きは、「消してください」「はいわかりました」であとは消えるのを待つだけ、というシンプルなものではありません。グーグルはさすがの賢さで、削除要請されたリンクの飛び先サイトに対し、削除要請があったことを伝えるようにしたんです。

つまり、たとえばニュースサイトのある記事へのリンクについてグーグルに削除要請があったとします。グーグルは検索結果からリンクを削除しつつ、ニュースサイトに対し「このリンク削除しました」と通知するんです。するとニュースサイトは、以下のBBCみたいに「こんなのが来たよ」と記事にできるんです。

グーグル検索より削除通知:誠に遺憾ながら、貴社のWebサイトの以下のページはヨーロッパ版Googleにおいて特定の検索に対する表示が不可能となったことをお知らせします。

http://www.bbc.co.uk/blogs/legacy/t...robertpeston/2007/10/merrills_mess.html

上のURLの記事を開くと、メリルリンチで巨額損失を出してクビになった元会長兼CEOスタン・オニール氏のことが書かれていて、誰が削除要請したのかは一目瞭然です。だからこそBBCはこれを記事化したのでしょうね。

つまりオニール氏の残念な過去が、それを隠ぺいしようとしたことでまた晒しあげられてしまったことになります。

グーグルは削除要請という隠ぺいに対し、隠ぺいを暴露するという形で対抗しているのです。そもそもリンク削除自体しないほうがいいのですが、少なくともこの対応によって「誰にも気づかれないままひっそりと消える」なんてできないことが改めて明らかになりました。

そう、過去とは消せないものなんです。間違ったことをしたら、その代償はいつまでもついて回るんです。

source: TechDirt via BBC

Mario Aguilar - Gizmodo US[原文

(miho)