銀河系最遠の星発見、その距離90万光年

銀河系最遠の星発見、その距離90万光年 1

そんな遠くまで同じ銀河系なの?

銀河系のハローとよばれる遠い外輪で、我々と同じ銀河系に属するもっとも遠い星たちが発見されたようです。あまりに遠いところで複数の星が見つかったことで、今まで考えられていた銀河形成のあり方にも見直しが迫られるかもしれません。

見つかった星は非常に遠くにあるので、もしその軌道から銀河系中心を見た場合、上の画像のように渦巻きがはるかに小さく見えると考えられます。

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地球からだと同じ銀河がこんな風に、空いっぱいの「天の川」として見えます。

つまり今回見つかった赤い星たちとは、これほど遠く離れているということです。赤い星のひとつ「ULAS J0744+25」は77万5,000光年、ULAS J0015+01は90万光年も遠くにあるんです。天の川の渦巻き部分は、直径10万光年ほどしかありません。この赤い星たちは、我々の隣の銀河である大マゼラン雲より5倍も遠いところにあります。

天の川銀河のハローの謎

そんなに離れているこれらの星が、我々の銀河の一部と考えられているのはどういうわけなんでしょうか? この星に関する論文の主著者であるハヴァフォード大学客員准教授・John Bochanskiに聞いてみたら、こんな風に答えてくれました。

これらの星への距離は計算でき、速度も測定しました。それを銀河全体の脱出速度と比べることができ、論文にはその点を書いています。この星らの速度は銀河の脱出速度より遅く、つまり彼らがこの銀河の仲間であることがわかりました。が、同時に銀河の中心から離れていきつつもあります。このことから、彼らが元々天の川銀河のディスクの中で形成された後に追い出されたという仮説も考えられますが、その可能性は低いです。我々が有力視している考え方は、大昔に天の川銀河が飲み込んだ矮小銀河から切り離されたのだろうというものです。

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これの中心がULAS J0744+25です。

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こちらの中心がULAS J0015+01です。

天の川銀河のハローはいまだ大きな謎の存在です。非常に遠くかすかにしか見えないので、今のところそこで観測できた星もわずかです。ハッブル望遠鏡の画像を見ても近くの天の川銀河とか遠くの銀河が見えるくらいで、極度に遠くの星までは見えません。

実は銀河系のハローについては、40万光年以上離れたところではたった7つの星しか確認できておらず、あまり多くは明らかになっていません。なので今回の赤い星の発見は非常に貴重で、銀河の形成モデルに再考を迫るほどのインパクトがあるそうです。Bochanski氏はこう言います。

我々のプロジェクトの設計では、もしこの非常に遠いところに巨大な星があれば見つけられるという形にしました。天の川銀河のハローに関する従来の最良のモデルからは、ここまで遠い距離には、ゼロではないにしろごく少数の星しかないと予測されています。なので今回の発見から考えられるのは、(1)従来モデルは正しく、我々が非常にラッキーだったため星の発見にいたった(2)従来モデルが間違っていて、星は予測よりもっとたくさんある(から星が見つかった)のいずれかです。まだそのどちらであるかはわかりませんが、この距離でふたつも星が見つかったということは、本当にきわめて幸運だったか、モデルを修正すべきか、どちらかなんです。

当初は星かもしれない候補400個ほどから始めて、実際大きな星は70個ほどだろうという予測をしていました。もし調査終了時にそれを上回る数の星が見つかっていたら、モデル作成者は再検討すべきことがたくさんあるでしょう。

Bochanski氏はもっと多くあるだろうと語りました。

当初の候補サンプルは400ほどの星でしたが、うち約40個をつぶさに観測し、それとは別にもっと近くにある8個の星も観測しました。現時点ではある程度明るい星は数えるほどです。もっと大きな望遠鏡なら、観測可能な限界も少なくとも400キロパーセク(または130万光年)程度まで伸ばせるので、そうなればかなり面白いです。300キロパーセクより先にはあまり多くの星がないと思われているのです。

宇宙については、知れば知るほどまだわからないことが多いってことがわかりますね!

Jesus Diaz - Gizmodo US[原文](miho)