NASAの「空飛ぶ円盤」テスト開始、火星を目指す

移住計画が本格化へまた一歩。

NASAのLDSD(Low Density Supersonic Decelerator、直訳:低密度超音速減速器)、またの名を「空飛ぶ円盤」のテスト動画が公開されました。このLDSDの開発がうまく進めば、すでに火星に行ったキュリオシティよりさらに大きな探査機などよりたくさんのペイロードを火星に運べると期待されています。

NASAによれば、宇宙船が星に着陸するための技術としては、実は2012年のキュリオシティのときも1976年のバイキング計画と同じものが使われていたそうです。今後より重い宇宙船を着陸させるためには新たな技術が必要として開発されているのが、このLDSDなんです。

LDSDのメイン研究者、Ian Clark氏が下の動画でLDSD実験の詳細を語っています。

6月28日、NASAのLDSDプロジェクトは将来火星により重く大きなペイロードを運ぶための新技術の初飛行を行いました。

まず3400万立法フィート(約96万立法メートル)の科学観測用気球で7000ポンド(約3.2t)のテスト船を高度12万フィート(約37km)に持ち上げます。次にテスト船は気球から切り離され、安定させるために回転がかけられます。そして巨大な固体推進剤ロケットモーターで、高度18万フィート(約56㎞)で音速の4倍にまで加速されます。そこは火星と非常に近い環境になります。テスト船が必要な速度と高度になったら回転を止めます。

我々は新たなSupersonic Inflatable Aerodynamic Decelerator(SIAD、直訳:超音速膨張式減速器)をテストすることもできました。カメラレンズのカヴァーが開きます。(SIADが)非常に均等に開いたので、テスト船の動きにあまり影響していません。

次はテスト中に撮影した未公開の高精度・高解像度のハイスピード動画です。SIADを使って、速度を音速の2.5倍まで落とすところです。

こちらは超音速パラシュートを開くためにバルート(バルーン+パラシュート)を使っています。バルートがテスト船の後ろに秒速200フィート(約60m)で撃ち出し、次にそれを切り離すと、テスト船の後ろでパラシュートを開き始めます。

が、パラシュートが開き始めるところで、意外なものが見られました。パラシュートが裂けていく最初の兆候です。裂け始める場所とその広がり方を見て取ることができ、またテスト船が音速の2.5倍で移動し風穴を開け、きわめて荒々しく混沌とした環境を作り出す中でパラシュートがもみくちゃになっているのがわかります。

我々はこのテストのデータセットを使い、2015年6月に始まるあとふたつのテストに備えます。

今回のテストの目的はあくまでテスト船の飛行能力を試すことが主な目的で、超音速パラシュートを使った減速技術は本来1年後にテストする予定だったのを先取りできたそうです。なのでパラシュートがうまく開かず壊れてしまったことも、「データが取得できた」という意味で大きな収穫だったんでしょうね。

このLDSD技術完成のあかつきには、火星にたくさんの積荷を運ぶことがより簡単になります。火星への移住を計画したい方にとっては、夢がまたひとつ実現に向けて進んだんです。

source: NASA

Jesus Diaz - Gizmodo SPLOID[原文

(miho)