アメリカ人冷蔵庫デカ過ぎ。肥満と浪費の元

アメリカ人冷蔵庫デカ過ぎ。肥満と浪費の元 1

家で一番よく使う一番大きな家電は冷蔵庫なわけですが、デカ過ぎる冷蔵庫は置いても一文の得にもなりません。

日本に自動販売機があるように、冷蔵庫はアメリカの消費文化のシンボルとも言える存在なので、よ~く目をしばたいて見ないと実像が見えてこないんですが、多くの場合、デカ過ぎる冷蔵庫はムダに場所とるばかりで、金の無駄遣いだし、環境にも良くないし、肥満の原因にもなる家電なのです。

アメリカの冷蔵庫は欧州の2倍以上デカい

アメリカの冷蔵庫の平均サイズはデカくなるばかりです。現役の旧型を含め、現在使われてる冷蔵庫の平均サイズは約22立方フィート(622リットル)なのですが、シアーズやウォルマートの売り場で一番の売れ筋商品を注意して見ると、新型で26立方フィート(736リットル)切る商品はほぼ皆無です。逆に30立方フィート(850リットル)超えの巨大冷蔵庫が多いのが現状です。

こんな冗談みたいにデカい冷蔵庫、普通は要らんのです。ヨーロッパでもみんな自炊して食べて暮らしてますけど、冷蔵庫の平均サイズは10立方フィート(283リットル)で、アメリカのジャンボ冷蔵庫の半分以下です。

電気がかかる

エネルギー消費という意味は、家庭ではマイカーを除けば冷蔵庫がやはり王者です。1分あたりの電気代という意味じゃないですよ(これはオーブンとかエアコンの方がかかる)。1日24時間切れ目なく稼働するので、延べの消費量がすごいんです。

アメリカでは2001年に基準が改正になりましたが、その前に製造された冷蔵庫(僕が前もってたのもこれ)の消費電力は年間1,000~1,750キロワットアワー(kWh/year)です。ラップトップは平均72 kWh/year、比較的新しい機種(MacBook Airなど)で大体25 kWh/yearですから、冷蔵庫はラップトップのざっと70倍電気を食う計算。EPAによると、これは年間50ガロン(約190リットル)のガソリンを燃やすのに匹敵するエネルギー消費なんだそうですよ。

お金がかかる

1990年代の大型冷蔵庫の電気代は年間150~200ドルでした。ここ数年間に製造されたエネルギースター認証済みの省エネモデルで大体その半分です。でも、もっと小さいモデル(ミニ冷蔵庫じゃなく欧州並みサイズ)だとさらに下がって、年間50~60ドルで間に合います。巨大冷蔵庫は売値が何千ドル(何十万円)もしますけど、もっと小さな冷蔵庫は超高級品でも1,500ドル(約15万円)は超えないので、買い得でもあります。

体に悪い

デカい冷蔵庫は不健康の元でもあります。コーネル大学のBrian Wansink栄養学・消費者行動学教授(元USDA栄養政策・推進エグゼクティブディレクター)が、ウェアハウスクラブ(コストコなんかの会員制卸売スーパー)の買い物客を調査してみたところ、家に食べ物をたくさん買い貯めする家族の方がたくさん食べることがわかりました。つまり家のSUVが1台すっぽり入るみたいな巨大冷凍庫に、安売りで買い込んだアイスクリームがぎっしり詰まってる人は、ちっこい冷蔵庫に定価で買ったアイスクリームが1個ちょこんとある人より、アイスクリームを貪り食う確率が高い…ということです。

それだけじゃありません。米国家資源防衛審議会の報告書の推計によると、平均的アメリカ人は買った食品・飲料の約25%を捨てているんです。25%というとひとり年間数万円、4人世帯だと数十万円…とんでもない浪費です。一番の原因は、買いすぎです。そして買い過ぎる一番の原因は、買いだめできるから

安いときに買いだめすると経済的な気もしますけど、そうじゃないんですね。献立考えて買う計画性のない人はむしろ週数回とか、每日買いに行く小買いの方が経済的にはいいようです。冷蔵庫にはすぐ食べるものだけ置いて。あとは瓶詰め保存食がいくつかと、調味料・ソース類があればそれで。

「面倒くさい!」という人もいるでしょう。でも会社帰りにスーパーに週2~3回30分ぐらいずつ寄るだけでお金も電力もセーブできるんだし、なによりも食べ物は買ってすぐ食べた方がおいしいしヘルシーです。それに一気買いと違って、そんなに時間もかかりません。

冷蔵庫って点検すると、意外と冷やさなくていいものまで入ってたりするんですよね。辛いソースは冷蔵庫入れなくていいし、醤油もマスタードもお酢も蜂蜜もメープルシロップも、オイルも大体は常温でOKです。それこそ何ヶ月も置いたら、冷蔵と常温で味に差が出ますけど、もうその頃には食べきってるので、「悪く」なることも滅多にないし(半年前のマスタードある人は…マスタード嫌いなの…かな?)。

冷蔵庫&冷凍庫はジメジメした場所です。水滴と湿気だらけなので、湿気に弱い食品はカビも生えるし、酸化も早いんですね。たまねぎ、じゃがいも、にんにくは冷蔵庫に入れる方が常温より早くカビます。コーヒーは風味が落ち、パンもパサパサになります(まあ、日本はところによって湿気が半端ないので、夏場は冷蔵・冷凍かもですけどね)。卵も、まともな卵さえ買っていれば、基本的に常温でOKです。それだけでも棚が1個空きますよね。

小さい冷蔵庫は省スペースになる

これは地域差ありますけど、大都市では台所も小さいので少しでも小さい方が助かりますよね。10~15立方フィート(283~425リットル)の冷蔵庫ならカウンターの下にも収まるし。それでいて食べ残しとアイスクリーム、ミルク1ガロン、ビール1ダースぐらいは余裕で保存できます。

大型冷蔵庫を収納する棚や間取りになっちゃってるキッチンもありますが、スペースが余ったら壁に棚をとりつけたり、僕がやってるみたいに天井からカゴを何段かぶら下げてもお洒落ですよ。食べ物を冷蔵庫の上に直に置くのはあんまり良くないんですよね。機種によっては熱ですぐダメになっちゃうから。

台所ってスペースいくらあっても足りないものなので、「余ったスペース、不格好だなあ」というのは贅沢な悩みかも。

illustration by Jim Cooke

Dan Nosowitz - Domesticity US[原文

(satomi)