iOS 8に見るアップルの挑戦とAndroidから学ぶべきもの

140930ios8.jpg

iOSはどこへ向かう?

先日やっとiOS 8が一般公開されました。Androidと比較して、アップルはこの新iOSでどこまでiPhoneを進化させたのでしょうか? また、この先どこまで広がりを見せるのでしょうか?

AndroidとiOSの「どっちがより優れているか」という不毛な争いは毎年のように繰り広げられています。アップルユーザはiOSのなめらかで軽快な動作を、Androidユーザはその無限の自由度を謳い文句にしています。

両者にはそれぞれの良いところ、悪いところがあり、両者とも進化し続けています。そして今度のiOS 8によって、両者はより似た存在になりました。iOS 8になって初めて、アップルはその庭を囲む壁に風穴を開けたといえます。

サードパーティー製キーボードへの対応、Touch IDの他社製アプリへの解放、Extensionsなど、iOS 8は新しく生まれ変わったといっても過言ではありません。かつてAndroidのProject Butterが一夜にしてiOS端末のようにスムーズで軽快な動作を実現したことがありました。でも、アップルによる今回のアップデートでは、iOS端末をAndroid端末と同じレべルまで自由自在にカスタマイズできるようにはなりませんでした。とはいえ、iOS 8でアップルはオープン化への最初の一歩を踏み出したのです。

ホーム画面

AndroidとiOSの最も大きな違いはホーム画面と言えるでしょう。Androidがまっさらなホーム画面とウィジェットをユーザに与え、好きなようにカスタマイズ可能にしているのに対し、アップルはアプリのグリッド表示にこだわり続け、それは、iPhoneOS1.0のときから現在に至るまで変わっていません。

アップルはiOS 8にウィジェット機能を搭載しましたが、Androidほど使い勝手の良いものではありません。両者とも同じような情報(天気、スポーツ情報、荷物追跡など)をユーザに知らせることができますが、それらはiOS 8では通知センター内に表示されます。これでは意味がありません。通知センターなんてほとんど開くことはないし、何週間分もの通知がたまっている人がほとんどではないでしょうか? たとえ頻繁に通知センターを見るように習慣づけてもそこにはまだまだ問題があります。iOS 8のウィジェットはまだAndroidほど洗練されていないのです。

140930ios8_2.jpg

ディべロッパーが新しいツールを手にすれば、より良いウィジェットが作られることも考えられますが、アップルはいつものように彼らにそこまでの自由を与えていません。

Nexusではウィジェット1つ1つが独立して画面のどこでも好きな場所に配置できますが、iPhoneのウィジェットは全て縦に配置されていきます。各々のウィジェットは細い帯で仕切られているだけで、どこからどこまでが1つのウィジェットなのか、ひと目見ただけではわかりませんし、下の方に配置されたものには延々とスクロールしなければなりません。加えて、OSとアプリ間の連携がAndroidほど強くないため、表示される情報も限られています。ESPNのウィジェットを例にとると、iOS版のウィジェットでは自分のお気に入りのチームのスコアを確認することしかできませんが、Androidでは色々なスポーツの結果を一目で確認する事ができます。

選択肢

サードパーティー製キーボードに対応することで、アップルは初めてユーザにシステムレベルでのカスタマイズを許しました。これは、iOS 8にアップグレードすべき最も大きな理由の1つです。Androidから乗り換える人は、Fleksy,、Minuum やSwiftKeyなど今まで使っていたキーボードを、iOSでそのまま使うことができます。ただ、ここで最も重大な点は、僕たちがサードパーティー製キーボードが使えるようになったことではなく、アップルがディベロッパーに機会を与え、iOSのオープン化の扉を開いたことでしょう。キーボードは始まりに過ぎません。Androidがデフォルトのブラウザやカレンダーも好きなように設定できるのに対して、iOSでは今なおプリインストールアプリ以外の選択の余地がないのです。iOS 8の新機能、Extensionsがアプリ間のコミュニケーションを強化して、今までにないような形で連携できるようになっても、自分の好きなブラウザやカレンダーをデフォルトで使えるようになるには、最低でもあと一世代iOSが新しくなるのを待たなければなりません。

140930ios8_3.jpg

パーソナライゼーション

iOS 8でアップルは効率化とマルチタスキングに力を注ぎ、iPhoneやiPadは今までよりもよりパワフルになったと言えます。アプリ間でのファイル共有や機能共有が可能となり、わざわざ画面を移動しなくても通知を操作できたり。まるでAndroidのような操作感があります。

でもそれは単なる一面に過ぎず、アップルが脱獄のようなrootレべルのアクセスを歓迎することはないでしょう。しかし、アップルがディベロッパーに、もう少しインターフェースに関連するアクセス権を与えれば、外部刺激でiOSはよりよいものになっていくはずです。

140930ios8_4.png

たとえ、Androidがアップルのイノヴェーションによって、ある一面でiOSに遅れを取ることがあっても、Google Play Storeにはたくさんの便利なtweaksやユーティリティがあります。例えば、グーグルプレイストアにはMultitaskingと呼ばれるユーティリティがあります。これはその名の通り、デスクトップのようなウィンドウスタイルのマルチタスキングを可能にするです。その他にも、自分でカスタマイズできるウィジェットを画面の上に表示するPower TogglesSidebar Plusという画面の端から設定やショートカット、ウィジェットなどを引き出せるようなものまで、Androidには、「自分の思うような端末にできる」という、ほぼ無限のカスタマイズ性があるのです。

それらに比べると、アップルが与えたオープンさは取るに足らないものかも知れません。しかし、少なくともこのアップデートによってiOSにサードパーティー製キーボードとウィジェットが加わりました。理論的にはインターフェースのカスタマイズが可能になったのです。

140930ios8_5.gif

Androidユーザとアップルユーザのどっちが優れているかという争いはまだ当分続ことになりそうですが、iOS 8がアップルにとってオープン化への大きな飛躍だったことは間違いありません。

Michael Simon - Gizmodo [原文] (ゆたかつむら)