iPhone 6レビュー:僕がiPhoneに戻りたくなった理由

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まさにiPhoneらしい、ベストなスマートフォン。

iPhone 6、米Gizmodoが数日使ってのレビューをしています。使ったのはiPhone 3GSからWindows Phoneへ、そしてAndroid機へと乗り換えてきた、つまりiPhoneとはしばらくご無沙汰していたブライアン・バレット編集長。以下、バレット編集長どうぞ。

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単刀直入に言って、iPhone 6は今買える中でベスト・スマートフォンです。というか、それ以上です。iPhone 6のおかげで、僕は再びアップルにスイッチすることにしたんです。

実はこれより前に僕が個人で持っていたiPhoneといえば、iPhone 3GSだったんです。何か特殊な狙いとか宗教上の理由があったわけじゃなく、たまたまそうなっちゃったんです。多くのテック・ジャーナリストと同様、僕はWindows Phoneが出たときにそれを理解すべく乗り換え、その後成長著しいAndroidスマートフォンに乗り換えました。さらにMoto Xが登場したので、Androidを使い続けていました。そしてその間、戻りたいと思うほど魅力的なiPhoneが登場しなかったんです。今、iPhone 6が出てくるまでは。

僕がアップルにスイッチしたい理由は、iPhoneに優れた点があるからでもあり、他の端末がそれに及んでいないからでもあります。でも何より、総合するとiPhone 6が唯一にしてベストなスマートフォンだからです。

デザイン

非常に大ざっぱに言えば、iPhone 6はiPhone 5sを大きくしただけです。引き続きiPhoneらしいデザインであることは重要でもあり、個人的には多少気に入らない部分もあります。でも細かくいえば、サイズを大きくするためにアップルが慎重に妥協した部分もあります。ボタンの配置が変わったりサイズが大きくなったりしているし、アンテナのラインも前より目立つようになりました。これらの変化は微妙なものですが、そこにあるのは確かです。

が、まず従来のデザインとの共通点について。iPhone 6は、見た目も持った感じもまさにiPhoneです。iPhone 5発売のときから冬眠してた人でも、遠くからiPhone 6をアップルのデヴァイスだと認識できると思われます。

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変わらないのは良いことです。アップルのデザイン進化を退屈だと言うのが一部流行っていますが、それは一貫性のあるデザインを悪く言い換えているだけです。毎年iPhoneのデザインを大幅リニューアルしても、ほとんど意味はありません。うまく行っているものを継続したほうがいいんです。

iPhone 6は従来と同様にスラリとしていて、角は同様に丸みを帯び、色使いは同様にクールです。ただしゴールドを選ぶ人に関しては、個人的にはあまり共感できませんね。Touch IDもLigtningポートもヘッドフォンジャックも、多くのボタンもこれまでのままです。

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iPhone 5から引き継がれていることで、あまり良いと思えないiPhone 6の特徴は、スクリーンサイズに対して非常に縦長のデザインになっていることです。エレガントなデヴァイスのわりにはひょろっとしすぎの印象です。ただそれは、画面上下の大きめのベゼルのせいで、ベゼルが大きいのはTouch IDボタンを収める必要があるからです。でもTouch IDはそのトレードオフに見合う価値のある機能ですし、今はサードパーティアプリでも使えるようになって、さらに重要性が高まっています。

次に、iPhone 5sとは違う点はというと、必然的なものとそうじゃないものがあります。電源ボタンはこれまで画面上部にあって指が届く範囲でしたが、大きくなったiPhone 6では画面右側に移動しました。エッジの面取りの線はなくなって、側面はゆるやかにカーヴしたガラスになり、スワイプの感触もスルスルと滑るようです。手応えが物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、僕としてはiPhone 5sみたいにバシっと止まる感覚よりも親しみやすくて良いと思います。

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背面にも変化はあります。アンテナのラインが背面の上下を走っていて、適当に包帯巻き付けてミイラのコスチュームを作ろうとしているような感じにも見えます。カメラレンズは少し突き出していて、背面を下にしてテーブルに置くとグラグラします。これらのせいでiPhone 6が醜いというほどではないのですが、ケースを使うという選択が今までよりも妥当に感じられます。ケースに入れてしまえば、アンテナのラインも見えず、カメラレンズ部分もフラットになります。

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でも全体的に、iPhone 6とiPhone 5sの違いはそんなに重要じゃありません。より大きくなって、ややイマイチな部分もありますが、今もあのiPhoneであることに変わりありません

iPhone 6と他のスマートフォン全体をデザイン的に比べる場合、サイズで比較するのが一番簡単です。他のことは個人的な好みに依存しますからね。で、サイズに関していえば、4.7インチのiPhone 6はこれまでのiPhoneより顕著に大きくなりはしましたが、フラッグシップ機の中では最小のディスプレイです。今やMoto Xも5.2インチになり、5インチの大台よりずっと小さい中でハイエンドなスマートフォンといったら、ソニーのXperia Z3 Compactくらいしかありません。

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使ってみてどう?

大きなサイズを恐れることはありません。少なくともiPhone 6に関しては(iPhone 6 Plusの場合は、がんばってください!)。一応親指ひとつですべてのものに届いて、片手でTwitter更新もできます。ポケットがぎゅうぎゅうになることもなく、ただ遊べるスペースが増えたってことです。

でももう、遊びの段階はある意味終わりです。iOS 8の最良の機能はまだ完全に姿を現してはいませんが、Apple PayContinuity、そしてHandoffExtensionです。でも、今使えるものだけでもすごい違いがあります。

まずダウンロードしたのはSwiftKeySwypeでした。Androidを長く使ってきたので、iOS純正のキーボードで全文字をタップしていくなんて発狂しそうだったからです。Spotlightでのユニヴァーサル検索は思ったより頻繁に使います。モバイルChromeとかSafariを開いてから検索する手間がひとつ減りますし、電話の中のコンテンツを同時に検索すると、存在を忘れていたものを掘り出すこともちょいちょいできます。

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アップルの「ウィジェット」は通知にちょっと毛が生えたような感じで…、まあ、でもがんばってはいます。これは僕は結局あんまり使ってなくて、たまに使ってももっとAndroidみたいな情報がみっちり入った本当の意味のウィジェットだったらいいな…と思ってしまいます。Windows Phoneのライブタイルでもいいです。iOS 9に期待します。

他にもAndroidが、特にMoto Xが良かったと思うことがあります。もし次のヴァージョンでアップルが取り入れるべきことを提案するとしたら、スリープ画面でも表示されるアクティヴ通知を勧めたいです。時計とかメッセージを送ってきた相手とかを見るためだけにボタンを押さなきゃいけないなんて、僕としては前時代的に感じます(それにはアップルがAMOLEDディスプレイにスイッチする必要があり、すぐにはムリそうです)。同様に、Siriが声に反応するためのiPhoneを電源につないでおかなきゃいけないのは、アラジンの魔法のランプからジーニーが出てくるのは隔週火曜日のみ、みたいな感覚です。

iPhone 5sから引き続き毎日使っていくであろうアプリに関しては、スケール的な問題もなく、サイズが大きくなったからって心配することはありません。ただ、ほとんどのアプリはこれから最適化していく必要がありそうです。

新しいA8プロセッサのおかげで動作も速く、重いゲームをプレイしても認識できるラグはなく、動画の読み込みが遅いこともありません。でもiPhone 5sをはるかに超えるような速度を求めても、iPhone 6にはそこまでの機敏さはありません。でもどちらも十分機敏なので、ちゃんと動いていない感じを受けることはないはずです。

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バッテリーライフも同様の快適さです。さんざん動画を見たりアプリを使ったりゲームをいじったりしても、iPhone 6は1日充電なしで使えました。それでも、iPhone 5sから飛躍的な改善とかは期待しないほうがいいです。アップル自身、iPhone 5sとiPhone 6のバッテリーライフは大体同等だと言っているし、実際使ってみてもその通りです。が、それで十分なんです。

ディスプレイのサイズに関していろいろ言われてきたわりに、ディスプレイのパフォーマンスについてはそれほど話題にならなかったのは、なんというか面白いです。たしかにきれいなディスプレイですが、解像度1,334 x 750というのは、4.7インチディスプレイでは326PPIで、初めてRetinaになったiPhone 4と同じなんです。でもそれ以外の点は、視野角、コントラスト、明るさなどあらゆる意味で改善されています。競合機種より劣っていることがあっても、横に並べて比べない限りまったくわかりません。そして実際並べて比較する人はほとんどいないと思われます。

スマートフォンのスピーカーは使わないし、使わないことをお勧めしたいのですが、総合的にレビューするため一応iPhone 6のスピーカーでテイラー・スウィフトの曲を聞いてみました。僕の小さな娘が踊りだすくらい大きな音ではありましたが、わざわざ聞きたい音質でもありません。スピーカーを求めてスマートフォンを買うとしたら新しいMoto Xのほうがいいと思いますが、そういった方はスマートフォンを買うときの基準も再考したほうがいいと思います。

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カメラ

iPhoneのカメラは、スマートフォンのカメラとしてはベストのひとつという地位を占め続けてきました。ここ最近は特にWindows Phone(Lumia)ががんばっていますが、それでもiPhone 6はやはりベストのひとつと言っていいです。

競合機種と撮り比べた写真はこちらで見られます。iPhone 6の800万画素背面カメラは、突出した特技はないかもしれませんが、ほぼすべての場面において非常に優れています。Lumia以外では、オールラウンドなベストスマートフォンカメラと言えます。ともあれ百聞は一見にしかずということで、サンプル写真を以下に見てみましょう。

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HDR写真はこんな風です。

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等倍クロップするとこんな感じです。

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こちらはパノラマモード。

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まとめると、これ以上のものはなかなかありません。iPhone 6では240FPSのスローモーション動画も撮れて、それはまだ目新しいオマケの域ではありますが、とにかく楽しいです。スマートフォンのカメラにおいては、楽しさはすごく重要です。

iPhone 6 Camera Test: Slow Mo from Gizmodo on Vimeo.

iPhone 6 Camera Test: Full HD Video from Gizmodo on Vimeo.

iPhone 6 Camera Test: Timelapse from Gizmodo on Vimeo.

でも欠点もあります。米Gizomdoのカメラマン、マイケル・へッションは、フラッシュがまだまだ残念だし、明るいところでのノイズリダクションもやりすぎだと指摘しています。

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フラッシュの残念さが伝わるでしょうか。フラッシュ自体お勧めしませんが、使わざるをえないときもありますよね。

また、カメラアプリのコントロールももうちょっと成長すべきときかなと感じます。色に関してあまりコントロールができないのと、UIもややわかりにくいです。何も考えずにiPhoneを取り出してパッと撮るのには良いのですが、細かく調整して撮りたい人には物足りないはずです。

好きなところ

ほぼすべて良いと思います。iPhone 6は、作りも性能もベストなスマートフォンのひとつです。もっとシャープなディスプレイやもっと良いカメラ、またはスピーカーを搭載したスマートフォンはあるかもしれませんが、それらが一緒になってこのレベルのパッケージになっているものはどこにもありません。でもiPhoneとはそういうものだし、この7年間それは変わりませんでした。僕がiPhoneに戻ろうとしているのもこのせいではありません。

僕がiPhone 6を気に入った理由は、現時点で本当に唯一のベストなスマートフォンであり、見た目も美しいからです。またサイズが大型化したといっても、片手でメールを書きたい人のための一定のラインを守っています。

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サイズという細かいことにそれほどこだわるのはばからしくみえるかもしれません。でもそれ以外に妥協する部分はほとんどありません。iOS用のGoogleアプリもよくできているので、Androidから乗り換えても大きく失うものはありません。iOS 8のあとから来る機能が入ってくれば、僕はiMac、iPad、Apple TVを持っているので、今まで以上に便利になります。

もっと大事なのは、どんな目的で使うにしても、iPhoneを使うには手に持つということです。iPhone 6は大きくなっても持ちやすい、最後にして最良のスマートフォンです。

好きじゃないところ

上にも書いたように、ウィジェットが単なる通知+αじゃなければよかったなと思います。また、iOS 8の機能が全部そろっていれば…とも思います。Apple Payなどまだ完全に出そろっていないので、この記事も含めてどんなレビューもまだ完全ではありません。デザインは美しいですが、アンテナのラインやカメラの出っ張りのような明らかに残念な部分があります。ケースに入れれば問題ないし、多分僕もそうするんですが、ケースに入れたくないスマートフォンのほうがいいとも思います。

他にも細かいことはあります。通話品質は、問題ないレベルですがすごく良くもないです。SiriもGoogle Nowとは違います。僕の好み的には、デザインがひょろ長すぎる感じがします。

でも他には、大きな穴はありません。退屈だという人もいるかもしれませんが、それは往年のヤンキースが退屈だったというのと同じことです。毎年優勝してるんだから、その上何を求めるんでしょうか。

買うべき?

すでにiPhoneを持っていて気に入っている人なら、買うべきです。こっちは答えを簡単に出せます。

難しいのは、AndroidやWindows Phoneから乗り換えようとしている場合です。root化したり非正規のソフトウェアを入れたりして楽しんでいる人なら、もう答えが出ているはずですね。iPhone 6は忘れて次のNexusを待ちましょう。本当に最高のスマートフォンカメラを使いたい人はLumiaを選ぶべきですが、その分のトレードオフは慎重に検討したほうがいいです。

でも僕みたいに、単に何でもうまくやってくれて、大きすぎないベスト・スマートフォンが欲しい人なら、iPhone 6を買うべきです。後悔することも、何かを逃すこともありません。

■ iPhone 6 スペック

・OS:iOS 8

・CPU:A8、M8

・スクリーン:4.7インチ 1,334 x 750液晶ディスプレイ

・RAM:1GB

・ストレージ:16GB、64GB、128GB

・カメラ:背面800万画素、前面120万画素

・バッテリー:1,810mAh リチウムイオン

・寸法:138.1 x 67.0 x 6.9 mm

・重量:129 g


All photography by Michael Hession.

Brian Barret - Gizmodo US[原文

(miho)