LCDサウンドシステムのジェームス・マーフィー、テニスで曲を作る

フィルターを通した景色が未知の表情を見せるように、アルゴリズムを介して聴くテニスもまた不思議な音風景をもたらしてくれますね。

LCDサウンドシステムが2011年に活動を終えたとき、フロントマンのジェームス・マーフィーの手には多くの時間と創作エネルギーが残されました。彼は実験的なプロジェクトをいくつもこなしてきましたが、その最新作が「全米オープンから得られたテニスのデータを音楽に変える」というプロジェクト。

マーフィーさんは今回IBMとチームを組んでテニスの生データを取得し、400時間を超える音楽を生み出しています。冒頭の動画はその予告プロモーション動画。

テニスのデータはある。テニスから生まれた音も聴ける。その2つをつなぐものはなにか? それはサンプリングではなく、アルゴリズムを持つ人間でした。今回、マーフィーさんは楽曲制作ではなく「確率」の創作を担当。知らない人には「週末のお父さん」のように見えるかもしれませんが、かつて最高のエレクトロニック・バンドを手がけた彼による独自のアブストラクト性は、やはり本プロジェクトからも垣間見えますね。

今回のアルゴリズムはプログラム・コードで書かれていますが、マーフィーさんと組んだIBMのエンジニアたちは、ドラムキットのような物理的な楽器に慣れ親しんできたミュージシャンにとって意味をなす形式へと落としこんでいったそうです。サーブやボレー、フォルトといったテニスのプレイデータは一括取得され、アルゴリズムという名の楽器を鳴らしながら音楽へと姿を変えていきます。

U.S.オープンのWebサイトでは、試合の翌日にはその内容を音楽として聴けるようになっています。9月8日までの全試合の音楽が公開されていく予定です。

source: U.S. Open via Stereogum

Leslie Horn - Gizmodo US[原文

(Rumi)