スタンフォード大の生物学研究者、ハルクとキャプテンアメリカへ理論的に迫る

スタンフォード大の生物学研究者、ハルクとキャプテンアメリカへ理論的に迫る 1

何故ハルクになっても下着が裂けないか、はホントに気になる。

たとえSFストーリーだとしても、スーパーヒーローの能力には憧れてしまいますし、実際にそんな事ができるのかはいつの時代も疑問の的です。今回、スタンフォード大学の生物学部で研究員を務めているセバスチャン・アルヴァラドさんは、映画「アヴェンジャーズ」に登場したハルクキャプテン・アメリカの能力について、遺伝子変異学の理論から、解明しようとしてくれました。

さぁまずはハルクから。

セバスチャンさんにとって、ハルクは一番好きなヒーローだそうで、説明にも気合いが入っています。

まず何故ハルクに変身できるかについては、これにはクロモスリプシスという現象が関係あるそう。ストーリではガンマ線を浴びてしまったブルース・バナー博士は体内のDNAが破壊されてしまいました。しかし、クロモスリプシスがおこると、体内でDNAが再編成され修復されるので、この時に何らかの作用が起こることで、元の姿とは違ったハルクになれると予想しています。

次になぜハルクになったり、ブルースの姿に戻ったりできるのか。これはエピジェネティック変異で説明可能なのだそう。通常、生物のDNA配列上に起きた変化はそのまま残るため、一度姿が変異したら元に戻ることはないのです。しかし、エピジェネティック変異では、DNA配列の変化が起こらないため、遺伝子のオンオフのみを、まるで電気のスイッチを切り替えるかのように、変化させられるといいます。

そして次は、なぜハルクが緑なのか。これに関しては、セバスチャンさん曰くビリベルジンであるとか。ビリベルジンは、通常体内で赤血球を運ぶヘモグロビンが破壊された後にできる物質で、その色は。ブルース・バナー博士がハルクになる時の力で、体内のヘモグロビンが大量に破壊された結果このような緑色を発現するのでは、とセバスチャンさんは説明しています(もしくはハルク特有のヘモグロビンができたのかも、とも)。

しかしそんな彼にも唯一解けない謎があるそう…。それは何故ハルクになっても下着が裂けないかだそうですよ...。

次はみんなのリーダー、キャプテン・アメリカ。彼はスーパーヒーロー血清を打たれて今の肉体を得たわけですが、セバスチャンさんはその血清の中身について推測してくれました。

キャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャースは、元々ガリガリの青年でした。しかし、血清に入っていたと思われるエピジェネティック変異を引き起こす物質によって、かのような力を持ったと考えられるそうです。

また、ジンクフィンガーヌクレアーゼやCas9 Crisperなどの物質を使うことで、体内の特定の遺伝子のみを変異させる事ができるので、例えばパワーやスピードをあげるなんてこともできるというのです。

さらにヴィータ線への曝露もその変異の鍵を握っている様子。薬物療法の世界ではよくある事なのですが、デンドリマー等の感光性の物質は、光を当てる事によって崩壊するので、それが運んでいた物質を体内の狙った場所に拡散できるというのです。

こんな説明でヒーロー化を実現できることはありません。しかし実際にやってみるより、コミックや映画で楽しむ方が何百倍も安全で楽しいのではないでしょうか!?

Omar Kardoudi - Gizmodo SPLOID[原文

(Tomo)