新しいiPhoneのサイズは、未来のはじまりを告げているのかもしれない

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「大きすぎ」「ポケットに入れると曲がるよ」と聞くけれど。

iPhone史上最高の売れ行きを見せている新端末、もう触ってみましたか? ぱっと見て、とにかく目が行くのがサイズです。小さい方のiPhone 6は4.7インチ、iPhone 6 Plusは.5インチのディスプレイを搭載していて、今までにない「大きさ」をほこります。それはもう片手でフリック入力がしづらいほどに。

でも、もしかするとこれは未来を打ち出しているのかもしれません。

今年公開された映画「her/世界でひとつの彼女」にその可能性を見ることができます。この作品の舞台は、そう遠くない未来のロサンゼルス。人々はPCやスマホにいれたOSによって日々生活をこなしているような世界です。主人公はひょんなことから新しいOSをインストールします。このOSは女性の声を持ち、学習し、ユーザのありとあらゆる生活サポートをしてくれる存在で、そのパーソナル性にいつしか彼はOSに恋心を抱いていくのです。

もちろん虚構ではあるものの、私にはこの世界観がとてもリアルに近いように感じられました。上の動画のように、作品の世界ではスマホはディスプレイの役割程度の存在。基本的には耳につけたウェアラブル端末でOSへ声で指示を飛ばして(あるいはコミュニケーションをとって)いるのです。

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主人公の耳についているイヤフォン。これでOSと「会話」をして、日常のあらゆる行動をとるのです。

siriはiOS 8において「Hey! siri」と呼ぶと起動できるようになり、かかっている音楽を聴かせると曲名を教えてくれるように機能が向上しています。

加えて、今後アップルからはウェアラブル端末Apple Watchが登場します。もちろんイヤフォンとは異なり、完全にタッチ操作から解放されるわけではなさそうですが、身に付けられる端末でさまざまな操作が可能になるのです。たとえばあなたが音楽をiPhoneで聴こうとするとき、大きなディスプレイはどこまで重要な存在でしょうか? 誰かからコンタクトがあったという事実をとりあえず知りたいときはどうでしょう(「her」ではメールの通知だけを音声で流し聞いて、じっくり読みたいお知らせだけをスマホで確認していました)。

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「her」の世界におけるスマホ。パキッといきそうなくらい薄い

もちろん腕につけた端末と、ディスプレイ的な存在はBluetooth連携が必須となるでしょう。そうすると気になるのはバッテリです。すぐに充電が必要となるのでは日常的に使えませんからね。だからこそ、iPhone 6 Plusは5sよりも約2倍のバッテリ容量を持つように設計されているのかもしれません。

iPhoneが発売されてから早7年。掌の中にPCがやってきたと言わんばかりに私たちの生活を激変させたアップルですが、私たちのライフスタイルをまた変えようとしているのではないでしょうか。それはスマホをバッグの中に引っ込ませ、もしかすると文字入力すら不要になるライフスタイルなのかもしれません。当たり前ですが、スマホはその携帯性ゆえに、両手の自由をある意味奪ってきたのですから。

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今月開催された新製品発表会のインヴィテーション。そこには「say」の文字と時計の表示が。

アップルの上級副社長エディーキュー氏は、Apple Watchのことを「四半世紀で最高のプロダクト」だと言っています。きっとそれは私たちの生活をまたもや大きく変えうる…。その必要性からiPhone 6/6 Plusは大きなディスプレイとパワフルなバッテリを搭載しているのではないでしょうか。

新型iPhoneとApple Watchが発表された場所はアップルにとってはじまりの場所であるフリントセンターでした。ここは、1984年にジョブズ氏がMacintoshを発表した会場なのです。それから30年経った2014年にリリースされたプロダクトたち。かつて電話を再発明した彼らがこの場所を選んだ理由は、きっとここにあるような気がするのです。

source: アップル, her/世界でひとつの彼女

(嘉島唯)