Apple Payを締め出されたアップルの回答、米大手小売の思惑

クレジットカード会社をスルーしたいメガコーポがいきなり動き出しました。

世界最大の小売チェーン「ウォルマート」、米小売第2位の「ターゲット」、7,700店舗を抱える米薬局最大チェーン「CVSファーマシー」、3番手「ライト・エイド」(約4,570店舗)が続々とApple Pay撤退を決めた件で、アメリカは今騒然です。

「最初チラッと使えてたのに…なんでブロックするんや!」と怒ってる買い物客も多いわけですが、この件についてアップルは早速こんな声明をマスコミ各社に発表しました。

Apple Payに関してはお客様と小売店から大変熱狂的な好評をいただいております。この便利でセキュアでプライベートな支払い方法に対応する小売店を可能な限りたくさん確保できる方向で現在動いています。メリットを実感し、お客様にご満足いただいているお店は既に22万店以上にのぼります。

小売側はApple Payで二重課金のトラブルが発生したので様子眺めというのが表向きの理由のようですが、CVSとライト・エイドなどが加盟する小売業界団体「Merchant Customer Exchange(MCE)」では独自開発のCurrentCのモバイル決済システムを来年早々導入する予定です。

それだと…

● NFC読み取り機がなくてもQRコードでスキャンできる(Javelin Strategy & Researchの推計によると、ApplePay対応にアップグレードする費用は1ターミナル500~1000ドルの負担)

● 顧客の買い物履歴が追跡できる

● 銀行口座から直接引き落とせるのでクレジトカード会社をスルーできる。手数料バイバイ。

…という一石二鳥三鳥のメリットがあります。顧客が使えばね。

一方アップルは今熱戦が繰り広げられているMLBワールドシリーズでも「マスターカード×マスターカード」のCMをガンガン流してて、クレジットカード大手3社(米国内のクレジットカード決済の8割以上を支配するとアップルは言ってます)と仲良しなところをPRしています。

LAタイムズが匿名の情報筋3名から聞いた話では、いちおうアップルにもカード会社から手数料が支払われるらしいですものね。

上の動画でブルームバーグのCory Johnson記者が言ってるように、クレジットカード会社を通す今の枠組みに乗っかったものなので、そういうディスラプティブな決済モデルはなんかもっとほかのになるのかもしれませんね。

モバイル決済の市場規模は、2012年の128億ドル(1兆3800億円)から2017年には900億ドル(9兆7000億円)にまで急成長するとの予想もあります(フォレスター・リサーチ調べ)。山が動いてからでは遅い、動くなら今しかない! ってことなんでしょう。

メガコーポが勝つか、クレジットカード会社が勝つか。正念場ですね。

source: LA Times, BI, Bloomberg

(satomi)