未来のイノベーターにフレフレ。村田製作所チアリーディング部に込められた想いを聞いた

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ついつい作っちゃう」で、ここまで作っちゃうって...。平常運転で全力疾走です村田製作所。

先日のCEATEC 2014で一際注目を集めていたのが、村田製作所が発表した最新型ロボット「村田製作所チアリーディング部」でした。

コンデンサや通信モジュール、センサの市場においてトップクラスのシェアと存在感を持っているのが電子部品メーカーの村田製作所です。今までにも自転車型ロボットのムラタセイサク君や、一輪車型ロボットのムラタセイコちゃんといったロボットたちを作ってきましたが、今度は球乗りをしちゃうチアロボットを作ってしまったんですって。

しかも10人も!

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自転車はわかる。一輪車もまだなんとかできるかも。でも球体の上に乗るって、人間だってそう簡単にはいきません。でも彼女たちはふらふらとしながらも器用に乗りこなし、両手にもったポンポンを上げ下げしながら、チームワークばっちりのチアリーディングを見せてくれちゃうんです。

それではご覧ください。村田製作所チアリーディング部演舞です。

...これは可愛い。そして可愛いは正義。人気アーティストやくしまるえつこさんが歌うテーマソング「チア・チア」もやみつきになるキュートさ。CEATEC 2014の村田製作所ブースで生観戦しましたが、あまりの可憐さにクラッときました。

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しかし、いくらロボットだからといって簡単に球乗りスキルを身につけられたわけではありません。しかも10人という大編成での群舞です。素人目にも難しそうというのが伝わってきます。

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キーポイントとなっているのは「倒れない技術」と「ぶつからない技術」。

ボールの上でも「倒れない技術」は、自動車の横滑り防止装置にも使われているジャイロセンサを用いてます。1秒間に1000回も姿勢を計測し、身体の傾きを検出してその方角に身体を動かし、身体の重心をボールの真上でキープし続けます。

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「ぶつからない技術」に使われているのは、彼女たちに組み込まれた4つの赤外線センサと5つの超音波マイク、そしてステージの周囲に設置した2つの発信機。その発信機からそれぞれ出された超音波と赤外線をチアロボットが受信したときの時間差から、チアロボットの位置をリアルタイムに把握できるようにしているんですって。

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最初こそ人の手で、ボールの上に彼女たちを乗せなくてはいけませんが。

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いったんジャイロをキャリブレーションしてバランスをとってしまえば、みんな可愛く軽快にダンスしはじめるんです。応援してくれるんです。もの言えないロボットがかいがいしく動いている姿って、ほんとココロに響きますよね...。

でも、彼女たちがここまで踊れるようになるには苦労もありました

それにしてもなぜチアリーディング部だったのでしょうか? これまでのムラタセイサク君やムラタセイコちゃんのロボット単体とは違い、複数台を同時に編成しなければならないという困難もあります。これだけのチームで、これだけのフォーメーションを実現するにも並ならぬ苦労があったことでしょう。そこで村田製作所チアリーディング部を率いている、村田製作所広報室企業広報課マネージャー吉川浩一さんに、製作の舞台裏を聞いてみました。

話を聞いてみると、今回の新型ロボットがどうしてもチアリーディング部でなければならないという理由がわかりました。ただ可愛いく見せたかったのではなく、彼女たちがフレフレ応援するその先には、村田製作所の大きなビジョンが隠されていたんです。

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ギズ:ムラタセイサク君やムラタセイコちゃんは1体でしたが、今回の村田製作所チアリーディング部は10体という大編成になっています。最初からこの規模での展開を考えていたんですか?

吉川:決まってましたね。いままでムラタセイサク君やムラタセイコちゃんで平均台とかいろんなパフォーマンスをやってきたわけですけど、やっぱりお客様に驚きと感動を届けたいなということがありまして、今回は一糸乱れぬ動き、ロボットの集団行動をやりたかったんですよ。人間の新体操などはとても美しいじゃないですか。あれをやりたい、と考えました。

ギズ:シンクロナイズドな群舞にもさまざまなものがありますが、チアリーディングさせるのは最初から決まっていたのですか?

吉川:そうです。この10台のロボットが目指すところが応援そのものだったんです。我々の会社は「INNOVATOR IN ELECTRONICS」というスローガンを上げています。これはエレクトロニクスのなかで改革者でありたいというマインドなのですが、同じように子供から大人まで、さまざまな立場でイノベーティングしている人たちを応援したいなと。

ギズ:村田製作所の会社そのものを応援するというだけではなく、世の中の人達を応援する。そんな役目を持っているんですね。

吉川:そういうことです。

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ギズ:複数台の、動きが連携している球乗りロボットを開発するにあたって難しかったところはどこでしょうか。

吉川:技術的には3つの要素があります。1つがスタビリティ。バランスをとりながら動かす部分です。2つめがシンクロナイゼーション。複数台が協調する部分。3つめがセンシング&コミュニケーション。お互いの位置を検出してお互いにコミュニケーションを共有することで、美しいフォーメーションを保とうという部分です。

それぞれの要素はそこまで難しいものではなかったんです。でも3つとも、高い次元でバランスをとっていかないとこの球乗りのフォーメーションパフォーマンスはできないんですよ。だからそれぞれの要素のクオリティを高めつつ、すりあわせて1つのものにまとめあげるところが難しかったです。

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ギズ:球乗りさせるだけなら大丈夫。でも加えて他の動きをさせるのが難しかったと。

吉川:例えばスタビリティですが、現在は前後左右のブレが1cmくらいの範囲に収まるようにセッティングしています。ブレが大きくなってしまうと正しい位置が計測できなくなってしまうから、複数台による整然とした動きが望めなくなってしまいます。

人間の競技に例えると、スペシャルなコーチと高いスキルを持っている選手たちがいれば、目を見張るようなパフォーマンスができます。でも五輪強化選手のコーチがいたとしても、選手のレベルが幼稚園児だったら高いレベルの演技は組み立てられないんですね。幼稚園児なら幼稚園児にあった教え方、指示のしかたが必要になります。今回、群制御に関しては京都大学さんと一緒に研究・開発をしたのですが、球の上でふらふらしているロボットに、いかに適切な指示を与えるかというところも苦労しましたね。

Aさんは右に行ってください、Bさんはもっと左ですという指示を、カントク役のパソコンから1秒間に10回送っています。「右!右!いやちょっと待って!」(笑)というのを10人に対してひっきりなしにやっています。

ギズ:カントク、かなり大変ですね(笑)

吉川:ええ大変です(笑)

ギズ:今後ロボットたちが幼稚園児からもうちょっと大人になる、ロボットとして進化したら、制御側はもっと簡単になっていくのでしょうか。

吉川:なると思います。現在はホスト集中型で、カントクが神の眼でステージ全体を俯瞰で見て指示を出しているシステムなのですけど、今後はロボットたちが自律的に判断して動けるようになっていくと思います。

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ギズ:ロボットのデザインはどのように決めていったのですか?

吉川女の子らしさと、ロボットとしての美しいフォルムは両立させたかったんですね。かつ、球体の上でバランスをとろうとすると、前後左右の重量などもきっちりと計算したうえでこの形にしました。

まあ好奇心旺盛な小学校高学年の女の子という設定なので、あまり腰をくびれさせて大人っぽくならないように...といった部分にも気をつかいましたが(笑)

ギズ:設計するにあたって、髪型なども含め他のデザインは検討されたのですか?

吉川:最初はおさげにするとかいろいろあったんですけど、これがいいだろうと。

頭部には位置を計測するための基板が入っています。そのため髪の毛の部分は、超音波と赤外線が通る材質じゃないといけないんですよ。そのため今回はマイクのスポンジとほとんど同じ材質のものを髪の毛として使って、音と光が通るようになっています。

基板のサイズはあらかじめ決まっていたので、それを載せられる頭部のデザインは最後の最後までどうやって処理しようかと悩んだのですけど、こういうおかっぱな髪型に収まってくれたので安心しました。

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ギズ:プロモーション映像製作の舞台裏を教えてください。

吉川:企画立ち上げから2年かかったんですけど、今年の6月の時点でまだうまく球に乗れてなかったんですね。今年のCEATECには出せないかもという厳しい判断も覚悟していましたが、6月中旬ぐらいにバランスがとれるようになってからは、加速度的にいろんなことができるようになりましたね。

また今回のこのプロジェクトは会社の中でも極秘でやっていまして、PVを撮影するにあたっての場所探しも大変でした。PVの監督さんの「村田製作所のモノを作っている雰囲気も出したい」とのご意向もあり、社内がいいだろうと。で、場所を探してぴったりのところが見つかったんですけどそこが社員ですらなかなか立ち入れない電波暗室というセキュリティエリア。許可取りもクレーンなどの機材の運び入れも苦労しました。

そして、ギリギリまでゴツい補助輪をつけていないとうまくバランスがとれなかったんですよ。さすがにPV撮影時には外さないとダメだろうと撮影現場でもセッティングを繰り返したらけっこううまくいきまして。あれはビックリでしたね。彼女たちは本番に強いタイプなんでしょうね(笑)

ギズ:極秘ということは、通常の業務とは別だったんですか?

吉川:別でした。関係者は全員兼業で、100%チアリーディング部に関わっている人はいません。だからこれに関する残業も...うん、ついつい許しちゃってた(笑)

ギズ:エンジニアが新しいことにチャレンジしたいとなったら応援されますか?

吉川:しますね! もともと弊社の制度のなかで、「私はこの半年間でこういうことやります」と事前に宣言して有言実行したら評価するというチャレンジシートというのがありまして。常に変化し、新しいものを求める社風なんですよ。若いスタッフが、私が知らないプロジェクトを動かしているというのもあるでしょうね。発表されてから「こんなんやってたんだ」と初めて知ることもあります。

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ギズ:チアリーディング部のお話を戻しまして、CEATEC 2014ではみんなの目線を釘付けでした。彼女たちのデビューは満足のいくものでしたか?

吉川:ですね。ただ我々としてはロボットのかわいい部分やフォーメーションの美しさも見てほしかったのですが、その先も見てくれたらとは思っています。

例えば今回のロボットに使われている技術を自動車に置き換えると、ジャイロは横滑り防止装置にも使われていますよと。そして車同士がコミュニケーションできるようになったらぶつからなくなって安全に移動できるようになりますし、交通渋滞も低減してトラフィックが効率化できたりとか、いろんな未来が見えてきます。

村田製作所チアリーディング部から、そういう未来の世界を感じ取ってくれたら嬉しいですね。そして若い人たちには、新しい世界を実現する技術者になってほしいですね。

ギズ:ただ可愛くフレフレしているわけではなく、世界中の技術者やイノベーターを応援する、そんな村田製作所の理念がこめらたロボットだったんですね。

ロボットを通じて世の中をもっとハッピーにしたい村田製作所

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CEATEC 2014でデビューした村田製作所チアリーディング部。スタメンは10人で2軍が2人、計12人というチーム編成で、一列に並んだり円を描いたりハートになったりと癒やされ度はもうMAXです。これは元気になりますねウン。

世界中の大人から子供まで、イノベーターを目指す人たちを応援することで、世の中がもっとハッピーになる。それがこのロボットに込められた想いなんです。

彼女たちは今後、科学館などでの出演を考えていきたいそうです。「セイサク君セイコちゃんは一人だったから楽でしたけど、この子たちは10人以上ですからねー。引率が大変なんですよ(笑)」とのことでしたが、「でもやはり生の、本物のパフォーマンスって大事ですからね。訴求力が全然違いますからね」と、出張も前向きに考えているそうですよ。チャンスがあったらぜひ、見に行ってあげてくださいね!

source: 村田製作所

(武者良太)