ハンガリーで大規模デモ、「インターネット税」の導入に反対

ハンガリーで大規模デモ、「インターネット税」の導入に反対 1

再びEU全体を巻き込む財政危機に陥らないためにも、早めの対応が望まれます。

EUやNATOのメンバーにして、アメリカの同盟国のハンガリー。その首都ブダペストで、現地時間の26日夜に、20,000人もの人が参加した大規模なデモが起こりました。コンピュータのパーツや周辺機器が空を舞い、現ハンガリー与党のフィデス=ハンガリー市民同盟の本部の窓に向かって投げられています。

Attila Nagy記者本人の投稿したビデオです。

このデモが起こった経緯は以下のようなものです。デモから遡ること4日前の10月22日に、ハンガリー政府が、インターネットの通信1GBに対して150フォリント(約0.6ドル)の課税を行うことを目論んでいると報じられました。産経ニュースによると、ハンガリーはEUの中でも負債が多い国の1つであり、前々から公務員の人件費や福祉負担などの公的支出の増加に伴う財政赤字の拡大に苦しんでいたそうです。なので今回の増税によって得られた資金を、2015年の国家予算にあてようと考えていたのでしょう。

ミハイ・バルガ国家経済相は、消費者らの通信の方法が、税金のかけられていた有線電話から、インターネットへと移ったことを反映しただけなので、この課税方法は公正だとの見解を示していました。ハンガリーの政府関係者はこの新しい課税により、200億フォリント(約88億円)の税収が得られるため、収入源として期待しているようです。一方、The Wall Street Journalでは、こう書かれています。

通信業界団体の試算によると、新税の税収は年間で1,000億フォリントに達する可能性がある。これに対し、ハンガリー統計局の調べでは、国内インターネット接続会社の売上高は全体で1,644億フォリントにすぎない。
額に差はあるものの、実現すれば国家を救う救世主となっていたのかもしれません。

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もちろん市民たちは猛反発。オルバン・ビクトル首相率いる政府の方針を、アンチ民主主義・アンチNATO、アンチEU的であると非難しました。またアナリストたちは、このような課税はハンガリー以外では聞いたことがない上に、人々のインターネットへの平等なアクセスを制限することになるであろうと予想しています。その結果、情報格差はさらに広がり、資金の足りない学校や大学では、限られたインターネットアクセスしかできなくなってしまいます。

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その後、与党のフィデス=ハンガリー市民同盟は、消費者から徴収する1ヶ月ごとの税額の上限を、個人の場合700フォリント(約310円)事業者の場合5,000フォリント(約2220円)としましたが、人民の怒りは収まらず、フェイスブックのページ「インターネット税に反対する100,000人」(と言ってますが、すでに22万人以上が加入)で集められたユーザが、日曜日にデモを行ったのです。

デモの参加者はまず経済省の庁舎前に集まり、その後フィデス=ハンガリー市民同盟本部近くの英雄広場までは何事もなく行進。どちらの現場においても、参加者らは皆モバイルデバイスを掲げ、その光が夜を照らしていました。またデモのオーガナイザーらは、この新税法は基本的権利や自由を侵害していると考え、政府に対し48時間以内に撤回するよう求めており、そうでない場合新たなデモの可能性をアナウンスしました。

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デモの最後には、1,000人もの参加者(そのほとんどは右翼の人々とサッカーファン)がフィデス=ハンガリー市民同盟本部に詰め寄ました。彼らは古いコンピュータパーツやキーボード、ルータやマウスにディスプレイなどを本部ビルに投げつけ、結果2枚の窓を割る騒動を起こし、オルバン・ビクトル首相の辞任を強く求めました。その後100-150人程の暴動鎮圧機動隊が現場に到着しましたが、幸運にも衝突や暴動は起こりませんでした。

彼らは 産経ニュースによると、ハンガリーは財政赤字削減策として、

11年に塩分や糖分の高いスナック菓子や炭酸飲料に課税する「ポテトチップス税」を導入しようとしたり、12年に外資系の銀行、通信会社、エネルギー会社に時限的な課税
を行ってきたそう。

もしも来春までに財政赤字をGDP比3%未満に抑えられなければ、再び欧州委員会による過剰財政赤字是正手続き(EDP)の対象国になってしまい、ユーロへの加入も危ぶまれてしまうハンガリー。政府・国民双方の溝はこのまま深まってしまうのか。あるいは解決策を見出すことができるのか。今後の動向に注目です。

source: The Wall Street Journal産経ニュースReuters

Attila Nagy -Gizmodo US[原文

(Tomo)