UCSBとSoraaでノーベル賞受賞挨拶をする陽気な中村修二さん

UCSBとSoraaでノーベル賞受賞挨拶をする陽気な中村修二さん 1

「ノーベル委員会から受賞の知らせがきたのは午前2時、完ぺきに寝てました。あとは寝てられなくなって、そのまま大学にきました」「原動力は怒り」「というかとにかくPhDが欲しかったんです(笑)」

カリフォルニア大学サンタバーバラ(UCSB)の会見でこう語り、記者団を湧かせたノーベル物理学賞共同受賞の中村修二教授。

翌日水曜には、研究仲間と共同設立したシリコンバレーのSoraa社に飛んで同僚に受賞の報告をしました。ここでも真夜中の電話の話におよぶと、「はい、携帯にかかってきたんです。なんで番号知ってるんだって思いました」とジョークを飛ばして絶好調です。

中村さんの映像はここの1:00ごろから。笑うと、こんな顔なんですね。日亜化学の青色LED訴訟当時の怒りイメージからは想像もつかない、屈託のない笑顔です。

このSoraa社、実はうちから歩いて5分なんですが、シリコンバレーでも資金繰りは大変で何度も倒産しかけたんだそうですよ? サンマイクロ共同創業で財を成したインド系VCのビノッド・コースラ氏が調達の苦労をTechCrunchに書いてます。氏が大株主になったのは単にお金が集まらなかったから成り行きでそうなってしまったんだとか…。世界を変えるのが好きなシリコンバレーでも、本当に世界を変える技術にはなかなかお金が集まらない理不尽に対する嘆きと、それに負けない強い信念が行間に滲んでいます。いや~コースラがいて良かった…。

大学の会見でUCSB総長は祝辞の中で、2000年ノーベル賞受賞者のHerbert Kroemer教授から聞いたこんなお話を紹介しました。

1994年に青色LEDの光を初めて見た時、Kroemer教授は「一瞬にして世界が変わった」のを感じたと言っていました。そして同じ年、ベルリンの講演で中村氏がLEDパネルにイメージを照射したのを見た時には思わず隣の同僚に向き合って、こう言ったそうです。

「今ここでわれわれが目の当たりにしているのは電球の終わりの始まりだ。これは改善という枠には到底収まらない。不可能を可能にするということだ」

節電になるエコなLEDは、Kroemer教授が20年前に予言通りの道を辿っています。日亜訴訟当時は発明対価は2万円、いや200億円、やっぱり8億円という規模でしたが、今や中村教授と赤崎勇教授、天野浩教授の発明で生まれた市場の規模は177億ドル(1兆9,106億円)、2万2,000人の雇用創出につながっています(IHS調べ)。

UCSBでは中村修二教授はヒーローです。去年お邪魔した入学説明会では学校紹介のスライドの最後に腕を組んでるカッチョいい中村教授の写真がデーンと出てきて「ひょえー!」と心底驚きました。携帯のバックライトもLED、家の電球もLED。誰でも身近に感じられるものだから、これから学問を志す人には希望の光なんですね。

LED革命はまだ始まったばかりです。

image by abc7news

source: abc7news, UC Santa Barbara

(satomi)