「匿名で告白したいなら秘密共有アプリWhisperは使うな」英紙暴露でiOS専門家

「匿名で告白したいなら秘密共有アプリWhisperは使うな」英紙暴露でiOS専門家 1

「ネットで最も安全な場所」を標榜する匿名秘密共有アプリ「Whisper」が匿名でもなんでもなくて、内部ではネタ追跡ツールみたいに使われていたことがザ・ガーディアンの調べでわかりました。

ユーザがアプリ削除後もデータを保存し、ユーザの同意もなしに位置情報を追跡し、なんか政府の協力もしていたみたいなのです。

特にエエッて思ったのが、ここ。

WhisperのNeetzan Zimmerman編集長率いるチームは、ニュースのネタになりそうなユーザーをみっしり監視している。アクティビティログを徹底的に調べ、位置情報ツールを介して動きを追跡しているのだ。現在のターゲットはたとえば軍部の人、ヤフー、ディズニー、キャピトル・ヒル(米連邦議会)で働いていると言ってる人などだ。

[...]ガーディアン記者らが先月Whisperを訪れた際、Zimmerman編集長と幹部に聞いた話では、位置情報をオプトアウトにしているユーザは全体の20%いるが、その個々のユーザの現在地も知りたいときには社内の技術担当に訊くだけで使用する携帯の「緯度・経度」がポンと出てくるということだった。

もちろんNeetzan Zimmerman編集長(元Gawker記者だったりする)はカンカンです。「①ひどいデマ記事だ」と怒り、「②ザ・ガーディアンめ、記事に書きやがって今に後悔するぞ」と脅し、「③オプトインしてる人も現在地は500m圏内にボカしてます」と怒るユーザをなだめすかすなど、連続ツイートに大わらわです。

「記事にしやがって今にきっと後悔するぞ」

まあ、怒るのも無理はなくて、ザ・ガーディアンがなんでこんな内情を知ってるのかというと、Whisperの提携先だからなんですねーはい。これについては報道関係者の間でも「取引先から会議で聞いた情報を記事にするのは倫理的にどうよ?」、「悪い話を聞いたら記事にするのが仕事でしょ?」と場外乱闘化してるわけですが。

どっちの言い分が正しいにせよ、事実関係が明らかになるまでWhisperとの提携は棚上げだと発表するメディア(BuzzFeed)もあって、いろいろ波紋を呼びそうですね。バリュエーション2億ドルの今をときめく秘密告白アプリのトップランナーだけに。

一応、iOS科学捜査の専門家Jonathan Zdziarski氏がどれどれ~と軽く調べてみた結果でもWhisperは匿名性が低いことがわかってます。アプリを初めて使うと、ユーザが全くいじらなくても固有のID識別子が勝手に割り振られて、ずっと追跡されちゃうんだそうな。位置情報も。

Whisperアプリはソーシャルネットワークアプリに解析ツールが付属したのではない。解析とユーザー取得のアプリがメインで、たまたまおまけにネットワーキング機能がついてるようなものだ。[...]



Whisperは現在地情報を「ぼかしてる」、「ごまかしてる」、「大きな圏内に広げて取得してる」と主張しているが、WhisperアプリがリクエストするのはアップルのCoreLocationで100m圏まで絞ったデータである。1km、3km圏にも指定できるのに、そっちはWhisperでは使われていない。結果、CoreLocationから返ってくるのは100m単位の情報で、以下のように65mの超細かい情報が返ってくることもある。(Zdziarski氏、スクリーンショットは原文の下から2枚目です)

単発の投稿では身元が特定できなくても、写真・文章・検索内容を通しで追えば人物のプロファイリングは大体できてしまうものです。それに位置情報を100m単位で重ねればもう、それは匿名じゃない。自宅の所在もほぼわかりますしね。ああ、やっぱり秘密を明かす場所はよくよく考えないと、ですね。

「匿名で告白したいなら秘密共有アプリWhisperは使うな」英紙暴露でiOS専門家 2

source: The Guardian, Jonathan Zdziarski's Domain

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Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文1, 2

(satomi)