ココナッツウォーターってそんなに体にいいの?

デトックス効果満点とハリウッドセレブに人気のココナッツウォーターを今日も高くてマズいのがまんして飲んでるみなさま、ごきげんよう。

ヨガやジョギングで飲むと水分と栄養が補給できて美容と健康にいい「飲む点滴」としてブームが炸裂し、あれよあれよという間に世界年商4億ドル(430億円強)の巨大市場に成長したココナッツウォーター。なんかあれってそんなにカラダにいいの? 

賛否まとめてみました。

バナナと変わらない

ココナッツウォーターってそんなに体にいいの? 1

「ココナッツウォーター飲むぐらいならバナナ食って水飲んでる方がずっと安上がりだ」と、NYタイムズで7月末にブームに水をさしたのは、ピューリッツァー賞ジャーナリストのMichael Moss記者です。

ココナッツウォーター人気の秘密はミネラル豊富なことで、あの中にはカリウム(1パックに1日推奨摂取量の19%含有)、カルシウム(同4%)、マグネシウム(同4%)が含まれています。でもこれは別にほかの食品でも補えるっていうんですね。

たとえばカリウムがどうしても欲しいなら、ココナッツウォーター1本飲んで660mg摂取してもいいけど、バナナ食べれば1本で422mg摂取できる、1本半食ったら同じじゃないか、という理屈です。

スポーツドリンクよりいいって本当?

ココナッツウォーターがアメリカで流行り始めたのは10年前のことでした。最初は免疫力を高め、腎臓病、骨粗しょう症などの慢性病を撃退する「スーパーフード」として宣伝していたのですが、これは栄養学の専門家たちに叩かれてさっさと消えました。

代わって登場したのが「スポーツドリンクより体にいい」という宣伝です。たとえば米国内トップブランドの「ビタココ(Vita Coco)」は、「汗と一緒に排出されるナトリウム、カリウムなどの電解質(イオン)がスポーツドリンクより15倍多く含まれている」とPRしました。

が、こちらも「パックに記載のミネラル含有量が実際より多めに書かれている」と2011年に集団訴訟を起こされ、「スポーツドリンクより水分補給になる」という宣伝は取りやめて損害賠償1,000万ドル(10億8,000万円)を支払うことで和解した経緯があります。これに凝りて、今では比較広告は一切行っていません。

ハーバード大学公衆衛生大学院のLilian Cheung博士がマザー・ジョーンズに語った所見によれば、確かに糖分はゲーターレード(1.7g)よりココナッツウォーター(大体1.3g)の方が少ないのでローカロリーなのだけど、激しい運動では塩分の多いゲーターレードの方が向きなんだそうですよ?

そこまで激しく運動しない人の水分補給には水が一番だと博士は話しています。失った電解質はほかの食品(オレンジ、ほうれん草、インゲン豆など)で取り戻せますからね。

農家はそれほど儲からない

まずいまずいと言われるココナッツウォーターが唯一おいしいのはマージンの高さだ、という醒めた見方もあります。「マージンがものすごく高くて、アメリカのブランドはココナッツをタダ同然の値段で買っている」とBeverage Dailyに語っているのは、MintelのアナリストのJonny Forsythさんです。

インドネシアに次ぐ世界第2位のココナッツ産出国のフィリピンでは、小規模のココナッツ農家の3分の2近くが貧困の中で暮らしている。実を採るには危険な木登りが要求される(木は強力殺虫剤が散布されていることも多い)仕事なのに、ピークのかきいれ時でも日給はわずか3ドル(323円)。アメリカで12オンス(355ml)入りパックを2ドル(215円)で買っても、そのうち末端の彼らに渡るのは7~14セントだけだ。

まあ、バナナもフェアトレードとは程遠い輸入品目ですけどね…。そんなわけなので、

「ココナッツウォーターでフィリピン被災地を応援しなくっちゃ!」という健気な思いでココナッツウォーターを今日も高くてマズいのがまんして飲んでるみなさまは、フェアトレードUSA認証済みのNakedとかCoco Libreのココナッツウォーターがおすすめかも。

体にはいい

いろいろ言われるココナッツウォーターですが、このように過剰広告が問題なのであって、それ自体は体にいいものです。

アメリカ栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)広報のVandana Shethさんに取材してみたら、「ヘルシーで飲み物としては良いチョイス」、「水分と栄養の不足分を自然なかたちで補えますからね。アメリカの食事は果物・野菜・乳製品不足でカリウムが不足しがちですけど、それも補えます」と話してくれました。

インディアナ大学サウスイースト校のChhandashri Bhattacharya博士もアメリカ化学会に出したココナッツウォーターの効能に関する論文では、「筋肉のけいれんを和らげるカリウムの含有量はゲータレードやパワーエードの5倍」、「中ぐらいの運動で失った栄養を補給できる健康的なドリンクだ」と書いてます。

もちろん先のCheung博士同様、ShethさんもBhattacharya博士も「ハードな運動にはナトリウムが豊富なスポーツドリンクの方がココナッツウォーターより向きだ」という注意書き付きですけどね。

まとめ

「これからちょっくらウルトラマラソン2徹で走ってくるわ」という人にはココナッツウォーターは不向きです。が、軽度~中程度の運動の水分・栄養補給にはグッドチョイスらしいので、「きゃーココナッツウォーター♥」となってる人をあんまり笑ってもいけないぞ、ということで。

Art by Jim Cooke

source: Mother Jones, NY Times

Kate Knibbs - Gizmodo US[原文

(satomi)