物議を醸す判決。警察による強制的なパスコードロック解除はNG。でも、指紋認証はOK

物議を醸す判決。警察による強制的なパスコードロック解除はNG。でも、指紋認証はOK 1

どういうことなのでしょう。

米国のヴァージニア州裁判所によるある議題が話題になっています。それは、警察が容疑者に対してパソコードの入力を強要し、彼らのモバイル端末ロック解除を禁止するというもの。これだけなら黙秘権への考慮なのかなとも考えられますが、ちょっとおかしな方向に向かっているのです。警察によるパスコードでの強制的ロック解除はダメなのに、指紋認証を使用する場合はOKだと言うのです。

問題となっているケースはこのようなもの。取り調べを受けたのは、彼女を絞殺しようとした男性です。彼は、監視ビデオシステムを設定しており、警察は彼の電話端末の中に証拠となる映像があるかもしれないと考えました。捜査令状を通してパスコードによる端末のロックを解除するよう求めましたが、男性は黙秘権を行使しロック解除を拒否。そこで、裁判所へと話が進んだわけです。

そこで出たのがこの結論。パスコードを言わせる/打ち込ませるのは黙秘権を脅かすことになるが、生物認証データ(この場合は指紋)はこれに当たらない、とのこと。だって、警察は法の下にDNA鑑定するでしょ? だったら指紋だって同じことじゃないの、というわけです。

ヒネリのある展開といいますか…これは難しい問題でしょう。確かに「指紋」として考えれば黙秘権は行使できないでしょう。しかし、「ロックのための指紋」は、パスコードに同等とも言えるのです。セキュリティを強化するために生まれた指紋認証なのに、なんとも皮肉なことだと思いませんか。とはいえ、そもそも警察のお世話にならなければいいのですが。

今回の一件は、法律がテクノロジーの発展に追いついていないことを明らかにした例と言えるでしょう。DNAの採取は、スマートフォンに指紋認証テクノロジーがやってくるもっと前に認められた法律です。問題となったヴァージニア州では、2002年から黙秘権に関わらず警察によるDNA採取が許可されています。

法律の制定が及ばないほどにテクノロジーはものすごいスピードで発展してきました。それ故になんだかよくわからない方向に話が進んでしまうことがあるわけです。個人情報という今最もホットなデータに警察はアクセスすべきかどうか、テクノロジーはどこまで捜査に協力できるのか。

アップルやグーグルが新たな情報暗号化システムを採用しはじめたので、警察がスマートフォンのデータを取得するのはどんどん難しくなってきています。FBI長官であるJames Comey氏は、アップルやグーグルのような企業はユーザを法の「上」に位置づけていると苦言を呈しています。

今回のヴァージニアのケースによって、ますます物議をかもしていくでしょう。

image: via Apple

source: WSJ, Pilot

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文

(そうこ)