フィラエがバウンドして横倒し。彗星探査機ロゼッタ、時間との戦いに

フィラエがバウンドして横倒し。彗星探査機ロゼッタ、時間との戦いに 1

人類史上初の彗星着陸を実現したのも束の間…。

ロゼッタの着陸機フィラエが2回バウンドし、崖の陰に横倒しになったことを欧州宇宙機関(ESA)が明らかにしました。日陰ではソーラーパネルで発電量が十分確保できません。フィラエのバッテリーが死ねば、ミッションも終了となります。

今はもはや時間との戦いです。充電が切れるのは64時間後。その前に可能な限り多くの科学的データを集めなければなりません。フィラエが行う彗星の氷と岩の調査は、太陽系の始まりを知る重要な手がかりとなるはずだったのですが、岩場に着陸したばかりに早々に切り上げとなりそうです。

問題が出始めたのは彗星タッチダウンの瞬間です。前回も書きましたが、フィラエを地上に固定するハープーン(槍)が発射に失敗した、あれが災厄の始まりでした。彗星の重力は地球重力の10万分の1しかありません。衝撃で宇宙に半マイル(800m)以上バウンドし、着地したと思ったらまたバウンド。これで横倒しになり、3脚あるうちの1脚は空中に浮いた状態のまま、崖の底に着地したものとESAでは見ています。

このポジションからだと太陽の日射が得られるのは12時間で1.5時間だけ。最初の充電が尽きれば装置はシャットダウンとなります。自力で動く術はありません。ESAでは現在、ドリル(ハープーンとは別に装備している)やハープーンをなんとかうまいこと使って着陸機を揺り起こせないか知恵を絞ってるところです。太陽に接近すればフィラエがまた息を吹き返すことも考えられますが、あるとしてもそれはまだまだ先の話です。

着陸の状態が悪いためサンプルも掘削採取はムリそうです(重力が小さいので、きっちり固定してからドリルを使わないと着陸機全体が不安定になってしまう)。フィラエの掘削機は彗星の地下最深9インチ(23cm)までのサンプルを掘り起こしてオーブンで加熱して蒸気を飛ばして分析までできる設計になっています。彗星の水素同位体を分析し、大昔に地球に衝突した彗星から地球の水(酸素と水素で成る)が生まれたものなのかどうか、生まれたのだとすればどのように生まれたのか、それを調べるのもフィラエの重要任務だったのですね。

計画では、2015年3月の太陽に接近して熱に耐え切れなくなる瞬間まで調査を続ける予定でしたが、何か変化が起こらない限り、フィラエの調査は数ヶ月から数時間に短縮です。サンプル採取も地表のものだけに限られそう。

もちろん100%失敗というわけではありません。フィラエからは貴重なデータと写真が地球にどんどん届いています。10年に及ぶ宇宙の旅を経て彗星に着地できただけでも歴史的偉業と思わなきゃ…。

source: BBC

Top image: A sketch of Philae superimposed on its location on the comet. ESA

Sarah Zhang - Gizmodo US[原文

(satomi)