アマゾンを敵にまわすな

アマゾンを敵にまわすな 1

この記事は2014年5月24日公開のものを再掲載しています。

やつは手強い。

アマゾンを敵にまわすな。何故か? その答えは実に簡単。勝てないからです。アマゾンが汚い手を使ってでも潰してやると本気になれば、大抵の人は勝てません。

欲しいもの、必要なものはほとんど全てそろっており、2日もあれば家まで届けてくれる。さらに映画だってテレビ番組だって本だって、比較的安価で簡単に手に入るように提供してくれる。まるで天使のようじゃありませんか、アマゾンは。が、とある出版社との戦いの様子をみると、アマゾンは悪魔であり、天使の顔はお面に過ぎないと思ってしまうのです。

今月初め、アマゾンと出版社Hachetteは密かにバトルを始めていました。両社間での契約内容の協議が失敗に終わるやいなや、Amazonサイト上で同社が出版する本はのきなみ高騰。さらにHachette出版のページには、オススメとして他社の本ばかりが並ぶようになりました。加えてHachette社の本を購入したユーザには、明確な説明なく配達が数週間後になるという事態までおきています。

さらに、Hachette社が誇るヒット作 JK Rowling氏の新書も注文不可(日本では可)な状態ですし、他の人気の本もオーディオ版が60ドルという破格で売られる始末。アマゾンのあれこれを描いたBrad Stone氏の「The Everything Store」は謎の在庫ぎれ日本では在庫有り)ですし、アマゾンからの圧力ととれる動きがあちこちに見えます。

こうしたアマゾンの圧力は、今回が初めてではありません。2010年には、電子書籍の価格を巡る小競り合いの末に、米国の大手出版社Macmillianの本、数千冊から購入ボタンが削除されたこともありました。

もちろん、交渉が上手くいかない相手の本は全て削除してしまうわけではありません。ユーザが離れてしまうのは、アマゾンにとって不本意ですから。このような行動は気にくわない相手へのちょっとした嫌がらせなわけです。

アマゾンが(たとえ短期的には赤字になっても)他社よりも安価に数多の商品を取り揃えようと奮闘するのは、消費者にとって素晴らしいことです。私たちはそれをワンクリックで買えるわけですしね。しかし、一方でその裏側にはHachetteのようなケースがあるということも事実。誰かに嫌がらせをして安くなったものを得るのは、真の意味でのハッピーショッピングではないからです。

その力がどんどん強大になっていく今、アマゾンに歯向かおうとする者はダメージを追わずにはすみません。

現段階でまだ救いようがあるのは、アマゾンは大手だけれども唯一の存在ではないということ。競争相手となる他社がいることで、消費者は購入先を選択することができますし、売る方も販売するお店を選ぶことができます。

アマゾンの力はいったいどこまで大きくなるのでしょうね。

source: New York Times

Eric Limer - Gizmodo US[原文

(そうこ)