中国の昇り龍「Xiaomi」が世界スマホシェア3位に浮上した理由

中国の昇り龍「Xiaomi」が世界スマホシェア3位に浮上した理由 1

中国勢の勢いが止まりません。

IDCが先日発表した2014年第3四半期のスマートフォン出荷台数・シェアの調査結果によると、中国メーカー「Xiaomi」がレノボを抜き世界第3位に浮上しました。なお、シェア1位のサムスンは23.8%で前年同期比で8.7%減、2位のアップルは12.0%で0.9%減となっています。

スマホシェアで目につくのはサムスンの減速中国勢の盛り上がりです。サムスンは前年同期比で出荷台数を8.2%減らしています。スマートフォンの出荷台数が前年同期比で25.2%と増えている中、サムスンの失速ぶりは特筆すべき現象といえそうです。

一方中国メーカーのXiaomiは前年同期で211.3%も出荷台数を増やし、同じく中国に本社を置くシェア4位のレノボも38.0%出荷台数を伸ばしています。

勢いを失うサムスンに変わらぬ存在感を示すアップル、そして一気に勢いづく中国メーカー。一体スマートフォン市場に何が起きているのでしょう?

Xiaomiってなんなの?

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Xiaomi(読み方はシャオミ)は中国で生まれたテクノロジー企業で、その設立は2010年とかなり若いメーカーです。設立者はレイ・ジュン(Lei Jun)さん(上の画像の右側)。このレイ・ジュンさんがかなりキャラクターの強い人物で、前アップルCEOのスティーブ・ジョブズを思わせるようなステージ上での振る舞い、それに格好で瞬く間に注目を集めました。

主に販売している製品はスマートフォン。年に1回フラッグシップスマートフォンを発表するという手法はこれまたアップルを連想させます。製品は中国市場をターゲットにしていますが、すでに台湾やシンガポールでも製品を発表しており今後さらにグローバルに展開する予定です。そのうち日本に進出する日がくるかも?

Xiaomiは今年半ばには中国市場で第1位のシェアを獲得するなど、とにかく中国ではノリに乗っています。昨年グーグル幹部のヒューゴ・バラがXiaomiの副社長に就任するなど、海外進出への準備を着々と整えている模様。今後、どれだけ世界市場でシェアを高められるのか注目が集まっています。

どうしてこんなに人気なの?

Xiaomiのスマートフォンの人気の理由は「高性能で高品質安価オープンなコミュニティ」にあるといえそうです。

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上は同社が今年7月に発表したフラッグシップ端末「Mi4」です。正直、アップルのiPhone 5sに似ている点は否定できません。それでも金属フレームの筐体や、IPS液晶の美しいディスプレイは思わず欲しい! と手が出てしまいそうなクオリティに仕上がっています。

スペックもフルHD解像度(1920×1080ドット)の5インチディスプレイに最新の2.5GHzクアッドコアプロセッサ(Snapdragon 801)、メモリは3GBで1300万画素の背面カメラなど、サムスンやアップルの最新スマートフォンとくらべても全く劣るところはありません。

そして、価格は16GBモデルが320ドル(約3万5,000円)とスペックを考えるとはっきりいって格安です。今時のハイエンドスマートフォンは最低でも6万~7万円くらいしますからね。Mi4には指紋認証や心拍数系など飛び道具はありませんが、それってどうしても付けなきゃいけない機能でしょうか? 基本的な性能をとにかく突き詰めて、そのぶん価格を抑えた端末が欲しいという人も多いんじゃないかなぁと思います。

そして、Xaomiのユニークな点はそのコミュニティにあります。Mi4にはAndroidベースの専用OS「MIUI」が搭載されています。Xiaomiはユーザーのために専用のコミュニティを用意し、そこに投稿された意見は積極的にMIUIに採用され頻繁にアップデートされるんです。まさに、ユーザーが育てるOSというわけなんですね。スマートフォンはまだまだ発展途上の分野ですから、ユーザーから投稿される不満点はプロダクトの完成を上げるために非常に重要です。この点、Xiaomiは非常にうまくやっている印象です。

イノヴェーションなしでは生き残れない

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サムスンはその製品の完成度の高さと開発スピードでスマートフォン業界の頂点に上り詰めました。でも、今って中国のあまり有名でないメーカーでもサムスンと変わらないハイエンドスマートフォンを製造できる時代なんです。それも、ずっと安く。

サムスンもその点は意識しているようで、金属フレームを採用したGalaxy Alphaを発表したり、Galaxy S5に心拍数系を搭載したりと、なんとか他社製品との差別化を図っています。またウェアラブル分野にもかなり力を入れており、スマートウォッチのGear 2Gear FitGear S、ネックレス型のGear CircleにVRデヴァイスのGear VRと、とにかく思いつく限りのウェアラブルデヴァイスを投入しています。この分野にはアップルもスマートウォッチの「Apple Watch」を引っさげて乗り込んでくる予定で、誰がウェアラブル業界の勝者になるのかはまだまだ未知数です。

価格破壊という武器で既存メーカーを攻める中国勢をみると、いずれはスマートフォンも液晶テレビのように価格以外では差別化ができなくなってしまうのでは、なんて思ってしまいます。ウェアラブルとスマートフォンの連携で追いすがる後続メーカーをサムスンが振り切ることができるのか、あるいはXiaomiのような新興メーカーに飲み込まれてしまうのか、今後のキーワードは「イノヴェーション」にありそうです。

image by: arstechnica, ipadizate.es

source: IDC

(塚本直樹)