NASA最新鋭のオリオン、コンピュータは意外と古いんです

2014.12.31 20:00
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iBook G3とおんなじシングルコアプロセッサで行ったるぜ、火星へ!

12月5日、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から飛び立ち、4時間半軌道を周回して太平洋に着水し、初の無人試験飛行に成功した「オリオン」。

オリオンはNASAがスペースシャトルの後継として総力を挙げて開発した最新鋭の宇宙船です。45年前のアポロ計画と同様、オリオンも最終ミッションは人類を未踏の宇宙に運ぶこと。1969年、その未踏の地は月でした。今、それは火星です。オリオンは2021年火星踏破を目指しています。

これだけ遠大な構想なのだから、NASAのシャトル開発担当エンジニアがつくるコンピュータはさぞかし高速かと思いきや。違うんです。

オリオンプロジェクトのマネージャーのMatt Lemkeさんが先日、The Space Reviewに語ったところによると、オリオンには最先端のハードウェアではなく、むしろ何年も実用に耐えてきた古めの技術を搭載してるんだそうですよ?

機内に搭載されているのはHoneywell製コンピュータ3台で、それぞれ12年前のIBM PowerPC 750Xシングルコアプロセッサ2基で駆動しています。アップルが2006年にインテル製チップに乗り換えるまで使ってたチップ、ですね。「処理速度はスマホほどもない」とLemkeさんは話しています。

オバマの予算カットとは関係ありません。今月飛んだオリオンは1機$3億7500万ドル(452億円)で、オリオン・プロジェクト全体では2015会計年度12億ドル(1446億円)の予算もついています。

ケチってるのではなく、宇宙にはこっちの方が向いてるんです。地上なら故障したら交換で済みますが、宇宙はそうはいきませんからね。宇宙のコンピュータでは「信頼性」が最優先。

その点、オリオンに積まれているコンピュータは盤石です。ボーイング747型機の機内用に開発されたコンピュータを改造し、回路基板を厚くし、留め具も衝撃吸収型に交換し、放射線遮蔽を広くとって、宇宙空間の長旅に耐えるようにしました。

特に重要なのが放射線遮蔽です。宇宙空間は放射線が強いので、コンピュータのメモリがやられてしまうんです。メモリがやられるとコンピュータは一巻の終わり。機内に3台も積んでいるのは、1台、2台壊れても自己修正できるように考えてのことなんですねーはい。

まあ、2002年で驚いてたら1969年のアポロ計画なんてクロック周波数1MHz、メモリ約36KBで、今のiPhone 6の処理速度の1,000分の1、メモリは3万分の1ですよ?

それでも月まで行けたんですから。古くても絶対壊れない技術がやはり宇宙旅行では無双のようですね。


source: QZ.com

(satomi)

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