縦向きの映画って見たことある?

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向きには意味があるんだ。

上の画像は、アルゼンチンの映画監督Gonzalo MoiguerとRodrigo Melendezが撮影した映画です。ご覧の通り、なんと完全に縦向きに撮影されているのです。

Todas Las Estrellas Están Muertas - Teaser oficial 2014 from Estrellas Muertas on Vimeo.

縦向きに撮られた理由は簡単。縦向きに動画を撮る人が多いからです。米GizmodoがMoiguerに縦に撮影した理由を聞いてみると、興味深い答えが返ってきました。

「これは映画は横向きじゃないと撮れない、と思っている人へのアンチテーゼなのです。どう作品をつくのか考えるのをやめたら、それはもうアートではありません」

確かにその通りです。しかし、それが世の人にその目で見てもらいたいと思うような映画を作るのにいい方法というのでしょうか? 答えは絶対にNOです。

監督が我々に送ったあらすじは、ある俳優グループが盗んだ携帯電話のSNSを利用し、プロフィールを偽造するという研究をするが、彼らは次第にその偽造プロフィールの中に自らの人生を投影し、孤独や焦燥という思いを綴っていく、というものです。

スペイン語がわからない人でも大丈夫。そもそも大事なのは物語ではなく、どのように撮られたかという点です。予告編ムービーを見た方は、横に黒い枠があるので、すでにお分かりになったかと思います。

縦向きの映画って見たことある? 1

動画を縦に撮ってしまう主な理由は、単に携帯電話を縦方向に持つ方が直感的だからでしょう。ですがそんな風に撮ってしまったら子犬だって可愛くない。ただ携帯電話を90度傾けてワイドに撮るだけで、ずっといい動画が撮れるのに、です。

今はHDの時代です。映画でもテレビでも、ワイドで見るのが普通です。なぜか? そっちの方がいいからです。画面はワイドのビデオを見るために作られてるのです。携帯電話やタブレットで動画を撮る際、もしかしたら自然に景観に合わせてデバイスを横向きにしているかもしれません。

縦向きで撮ること自体はおもしろい発想ですが、映画を最高にダメにしてしまう方法でもあります。単なるギミックだというのなら、この縦の映画を見た人がどんな感想をもらすか考えてみてください。

「うん、俳優さんの演技もいいし、素敵なストーリーじゃない?」

とかでしょうか? まさか!

「そうね、誰もこんな映画見ないわよ。だって周りの黒い枠が鬱陶しくて、頭がおかしくなっちゃいそうだもの。」こんなところでしょう。

Mario Aguilar - Gizmodo US[原文]

(小山和之)