テムズ川に架かる庭園、建設許可が下りる

テムズ川に架かる庭園、建設許可が下りる 1

歩道橋と庭園が合体したら、こんな感じに。

ロンドン中心部を流れるテムズ川には既にいくつもの歩道橋が架かっていますが、ここに新たな、そしてとってもユニークなデザインの橋が加わりそうです。

新たにテムズ川に架かることになるのはトマス・ヘザーウィック氏が設計した「ガーデン・ブリッジ」。ざっくり言うと橋の上に庭園が乗っかっているようなデザインをしていますが、先日、この歩道橋を作る計画にゴー・サインが出たのです。

この「ガーデン・ブリッジ」、まるで大都会の真ん中に佇むオアシスのようにも見える、斬新で面白そうなアイディアです。しかし、公的な資金の使い方としてはイマイチかもしれません(プロジェクト全体の半分の財源で、残り半分は慈善寄付で賄うそうです)。にもかかわらず、2つの審議会からは建設の許可が下り、2015年から工事が始まるそうですよ。  

ここでまず注目してほしいのが巨額の建設費です。ロンドンでは2000年に、開通直後の横揺れが問題になったことで知られるミレニアム・ブリッジという歩道橋を作っていますが、その建設にかかったのは2014年の価値で4,600万ドル(約55億円)でした。それと比較して、ガーデン・ブリッジの建設には2億7,500万ドル(約327億円)もの大金がかかります。なんでも橋の被覆材に銅を使うため、これほどの高額になるんだとか。

この経済的なダメージだけでなく、「ガーデン・ブリッジ」の運用においても地元住民は嫌な思いをしそうです。というのも、開園時間は日中のみ、さらに8人以上の団体の通行は混雑や政治的抗議を避けるために「特別な許可」を得る必要があるからです。これでは歩道橋としての実用性はガクッと下がってしまうでしょう。  

それもこれもロンドンに緑地が足りないということなら、もしかすると許されるのかもしれません。しかし実際のところ、市内に緑豊かな公園が充分にあるのです。王立公園が8つもあり、その総面積は4,900エーカー(約19.8平方km)。ちなみにセントラル・パークの広さが843エーカー(約3.4平方km)ですから、ね。

ロンドンの街が求めているのは、緑化ではなく、もっとお手頃な価格の住宅や朝の通勤を少しでも楽にするための地下鉄の増設工事です。スプロール化しつつある市をより快適な場所にしようとするのは称賛に値しますが、その目的を果たす方法として、不必要な公園を川の真ん中に作るのは費用はかさみますし、違うんじゃないかなと思います。

ヘザーウィック氏のデザインと言えば、最近ではNYハドソン川の空中庭園なんてものもありましたね。米GizmodoのMills記者は「ガーデン・ブリッジ」建設に対して辛口な意見を持っているようですが、地元ロンドン市民はどう思っているのかも気になるところです。

source: Dezeen

Chris Mills - Gizmodo US[原文

(たもり)