彗星に着陸、ロゼッタとフィラエの今までとこれからをまとめ

彗星に着陸、ロゼッタとフィラエの今までとこれからをまとめ 1

2015年も注目です!

2014年、宇宙関係最大の功績のひとつといえば、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星への着陸を成し遂げた欧州宇宙機関(ESA)の探査機ロゼッタがあります。彗星着陸機フィラエは今彗星の上で冬眠中ですが、ミッションの研究者たちはフィラエから得られたデータとロゼッタが引き続き送ってくるデータを使って、どうすればフィラエが冬眠から目覚められるかを精査中です。ESAの研究者たちは12月、米国地球物理学連合の会合で、新たな写真を公開し、今後への期待を示唆しました。

ESAが10年前に打ち上げたロゼッタは、2014年11月12日、無事そのターゲットに小さな着陸機フィラエを到達させました。でもすべてが計画通り進んだわけでなく、一部の機器が故障していたために着陸がうまくいかず、フィラエは太陽の光が届かない場所で横倒しになってしまいました。フィラエの動力源は太陽光とする予定だったので、日陰に入ったフィラエは間もなくスリープ状態に入ってしまいました。でもロゼッタは引き続き彗星の周りを周回し、上空からフィラエの居場所を探したり、いろんなデータを採取したりしています。

以下にロゼッタによって明らかになったこと、これからわかりそうなことをまとめていきます。

フィラエは今どこに?

まだ厳密にはわからないのですが、まず彗星自体の位置は、地球から3億マイル(約4億8,000万㎞)ほどの位置だとされています。で、フィラエが彗星上のどこにいるかについては、ロゼッタのカメラの責任者・Holger Sierks氏が、12月12~14日に3日がかりの調査をしたと言っています。それまでの調査ではフィラエを発見できておらず、つまりその調査時点では日陰に入っていたものと考えられています。が、今回の連続調査で太陽が当たっているときのフィラエが撮影できた可能性が高いと思われ、あとは撮影した写真からフィラエの姿を探すばかりです。

フィラエの着陸(半ば)失敗、原因は?

まず、フィラエを地上に固定するためのハープーン(槍)が発射できなかったのが原因その1とされています。さらにフィラエは着陸時にかなり高く(2マイル≒3.2㎞も)バウンドしたのですが、それは彗星表面が想定外に固かったせいでもあるようです。ここでは「シンタリング(焼結)」と呼ばれる現象が起きていて、氷の粒子が溶けてくっつき、ただの氷よりさらに固くなっていたんです。

フィラエは目覚めるの?

ESAのJean-Pierre Bibring氏は、彗星が太陽に近づく2015年2月か3月にはフィラエが冬眠から回復するだろうと自信を示しています。ただ、そのためには以下ふたつのことが必要です。

ひとつは、フィラエのソーラーパネルに十分な日光が当たることです。現在フィラエがどこにいるかわからないので、そこにどの程度日光が当たりそうかもわかっていません。もうひとつは、フィラエが彗星のものすごい低温環境に耐えることです。フィラエ内部の現在の温度を測ることは難しいんですが、Bibring氏いわく、想定される低温には耐えるようにできているそうです。

ロゼッタが見つけた有機分子って?

フィラエは冬眠モードに入る直前、残された最後の力で彗星表面を分析したデータを送信していました。その結果、期待通り彗星上で有機分子を発見したという発表がありました。でもその分子って、メタンみたいなシンプルなものなのか、彗星に生命体がいたことの証拠になるような、たとえばアミノ酸みたいな複雑なものなのかはまだわかりません。が、Bibring氏によればそれはメタンよりかなり大きく、メタンのモル質量が約16に対し、彗星で見つかったものは最大100程度あるそうです。現在ESAでデータを分析中とのことなので、しばし待てばわかりそうです。

新たな写真も

ESAは米国地球物理学連合で、彗星発の新たな写真もいくつか公開しました。

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こちらはフィラエが着陸後初めて撮影したものです。ブレているのは、フィラエがバウンドしたためです。

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一方これは、フィラエが崖の影から撮ったもの。

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こちらは彗星上でのフィラエの向きを示すダイアグラムです。でもまだ正確な位置はまだわかっていません。

ロゼッタのミッションは2015年12月まで続く予定なので、まだまだ新たな発見が期待できそうですね! 引き続きアップデートに注目していきます。

Sarah Zhang - Gizmodo US[原文

(miho)