家に優秀な音声アシスタントがやってきた。Amazon Echoレビュー

20141224_echo01.jpg

たった数時間使っただけで、僕の新しいアシスタント「Alexa(アレクサ)」は素敵なことがわかりました。コーヒーテーブルの上に置かれた高さ9インチの黒い円筒に「シャラップ!(黙れ)」と話すと円筒上部のライトの光が消え、それまで流れていた謎の90年代の音楽が鳴り止む。「アレクサ、天気は?」と問いかけると、アレクサは「摂氏45度で曇りです」とすぐに答えてくれた。

これが、リアルな生活へのコマンドプロンプト「Amazon Echo」です。

日本では未発売ですが、2014年末に米アマゾンから発売された音声アシスタントも兼ねるBluetoothスマートスピーカーの米ギズモードレビューをお届けします。

Amazon Echoの価格は200ドル(約2万4,000円)、プライム会員は100ドル(約1万2,000円)。iOSのSiriのような音声アシスタントが自宅やオフィスのコーヒーテーブルにやってきたイメージです。WiFiに接続すると、簡単な質問、例えばバラク・オバマ大統領の身長や、Run the Jewels(音楽グループ)のメンバーが誰なのか答えてくれます。

さらにEchoは音声でコントロール可能な音楽スピーカーでもあります。そのままAmazon PrimeやTuneIn、 iHeartRadioといった音楽サービスの視聴が可能です。PandoraやSpotifyや個人の音楽コレクションを聞きたければ、Bluetooth接続してワイヤレススピーカーとして使うこともできますよ。

何がすごいの?

音声アシスタントという機能自体は目新しくありません。ですが、SiriやGoogleNow、Cortanaは、アップルやグーグルやマイクロソフトのプラットフォームといった、制限されたデバイスでしか使うことができませんが、Amazon Echoに関しては特定のデバイスを選びません。

自宅等の決まった位置に設置する、いわゆるデスクトップ型のデバイスではありますがAmazonだってモバイルデバイスを展開していることを忘れてはいけません。

Amazon Fire Tabletは、スペックの割に非常に安価。

オリジナルのFire PhoneもFire Phone 2も中々のもので、ソフトウェアも良くできていますね。

また、音声による指示を「聞く」ホームガジェットの需要は今後増えていくでしょう。

暖房や冷房、照明やエンターテイメント機器が相互に繋がってホームシステムが構築できるようになると、これらをコントロールする必要性が当然生まれるわけで、そこで「音声」をインターフェースにするのはごく自然な世の中の流れだと思うわけです。

デザイン

20141224_echo02.jpg

Echoはハンサム。滑らかなマットブラックで、誰かが家を訪れても簡単には気づかれない程度に控えめなデザインです。この円筒の下半分の穴の空いたキャンバスのようになっていてる部分はスピーカードライバーで、ここから音が出るようになっています。

円筒の一番上の部分の周囲に巡らされたライトはEchoの動作を示すインジゲーターライトで、スピーカーを起動させるとブルーのライトが点滅します。ミュート状態にするとリングは赤色に変化します。物理的な操作インターフェースは少ないながらに存在します。一番上にあるアクションボタンは、新しい場所に設置してデバイスをセットアップする時にだけ使用します。さらにミュートボタンもあって、すぐに音を消したいときに使えます。一番上にあるリングはわかりづらいのですが、これを回すことによって音量の調節ができるようになっています。

Echoを給電するには電源コードを繋ぐ必要があります。バッテリーは搭載していないので、自宅の外に持ち出して使うにはあまり実用的ではありません。

これはシングルルーム用のガジェットですね。

ある程度離れた場所でも認識しますが、アレクサの音声はそれなりに近づかないと聞き取れません。

使ってみて

Echoを使い始めるには、iOSかAndroid用のコンパニオンアプリをインストールするか、コンピューターを介する必要があります。アプリからEchoを自宅のWiFiに接続し、自分の音声に答えるように設定するのにたった3分で完了。「アレクサ」という言葉を発することでEcoがアクティベートされ、Echoの「聞く」準備が完了します。

アレクサは主に「アシスタント」と「メディアプレイヤー」の2つの用途があり、全ては音声でコントロールします。ボイスアシスタントとしてのEchoは、いつもはスマートフォンやコンピューターで行うような、簡単なグーグル検索なら比較的役に立ちます。「天気は?」「(バスケットボール選手のカーメロ・アンソニーの身長は?」「フューチャリズム(20世紀初頭にイタリアで起こった前衛芸術運動)って何?」といったやりとりがEchoのアプリに記録されていきます。Echoがその問いかけに対して処理ができない場合はBing検索を実行し、音声で答えを返すのではなく、アプリ上でその結果を表示します。

基本的な情報検索のほかにEchoはタイマーを搭載していて、アラーム機能はもちろん、TODOリスト、ショッピングリスト機能もあり、Echoアプリに「チェックリスト」として記録できます。例えばショッピングリスト機能として、「歯磨き粉!」とEchoに向かって話しかけるだけで、アマゾンで検索を実行しますがショッピングカートに自動的に追加されるわけではありません。

アマゾンはご存知の通りオンラインストア。ショッピング用途として潜在的に使い道がありそうです。Echoのアプリの設定を見るに、音声購買機能がありそうな雰囲気ですが、ボイスコマンドでの買い物はもう少し先の話になりそうです。

20140108_amazonecho01.jpg

ボタンを押すなど手で一切操作することなく質問に答えてくれるのは、素晴らしいしとても満足なのですが、他のボイスアシスタントが持つ機能には欠けているものがあります。

それは、Eメールやテキストメッセージにアクセスできないので「誰々にメッセージ送って」と指示することができないこと。

さらにカレンダーにもアクセスできないので、自分の予定を通知させることもできません。またEchoは自分達のだいたいの居場所は把握しているので、近くの都市やランドマークまでの距離は教えてくれますが、そこまでの行き方や、旅に関する関連情報は教えてくれません。例えばBowery Ballroomに行くのにどのくらい時間がかかるのか、Echoは知らないのです。

一方メディアプレイヤーとしてのEchoはどうでしょう。Echoはアマゾンのプライムミュージックサービス上の音楽を流してくれます。ちゃんと動作しますが、期待したほどではありませんね。Echoに「インディーズロックを流して!」と言ってもきちんと伝わりませんでした。改めて「インディーズ」と言うと、なんとインド音楽をかけ始めました。そこで僕は、コンピューターからポピュラーなインディーズロックのプレイリストの名前を見つけ、より正確にボイスコマントで指示できるようになったので、ボイスコマンドで確かにプレイリストは見つけました。でも思っていた以上に面倒。幸いにも「ニルヴァーナ」と言うと、Echoはそのバンドのカタログから曲をシャッフルして流してくれましたけど。

20140108_amazonecho02.jpg

一度曲がかかると、この曲は何という曲かを質問することができ、さらに自分のプライムミュージックライブラリーに追加することができます。また鼓膜の健康に悪そうだと思ってるのだけれど、ボリューム調整は少ししかできません。

現状、EchoはTuneIn RadioとiHeartRadioと連携しています。普段からラジオを聞く人にとっては使いやすそうですね。Echoにはラジオの「フラッシュブリーフィング」機能があり、Echoに「今何が起こっているの?」と聞くと、Echoは1時間ごとのナショナルパブリックラジオ(NPR)のヘッドラインニュースを教えてくれます。さらに設定項目からBBCのヘッドラインニュースと天気予報も追加することができます。おそらく今後は選択肢がさらに増えていくと思います。

20140108_amazonecho03.jpg

Echoはすぐに、自然に、使い始めることができると思います。複雑なコマンドを覚える必要はなく、自然な英語でEchoに話しかければ、ほとんどは期待通りの結果を返してくれます。(Echoが聞かれたことを知っていればですが)音声認識は良くできていて、隣の部屋からの問いかけにも応えてくれます。音楽が鳴り響いている状態でも自分の音声をきちんと認識してくれるマイク性能の良さには関心しましたね。

Echoは、家の中でも一番アクティブに過ごす部屋に置くのが良いでしょう。僕はニューヨークのアパートに住んでいて、リビングルームとキッチンを兼ね備えた大きなオープンスペースがあるのですが、そこに置くのが一番使う価値があると思っています。リビングルームは、音楽を聞いたり一般的な質問を聴くのに便利。もしくはベッドルームに置いて、アラームとして使ったり着替えている時に天気を聞いたりするのも悪くなさそうです。

ハードウェア的にも、EchoはBluetoothスピーカーとしても使えることを忘れてはいけません。円筒のデザインは今お気に入りのスピーカー「UE Boom」とも似ていますが、音のクオリティはUE Boomほど良くありません。でも僕が今までテストしてきた他のBlutoothスピーカーと比較しても中々悪くありませんね。

良いところ

Echoの音声認識の精度は素晴らしいです。音声が起点となるインターフェースはとても良くデザインされていると思います。そして楽しい! 自分の声に魔法のように応えてくれるたびに驚いてしまう程度には、Echoは良くできています。

良くないところ

おそらくEchoの一番残念な部分は、Echoはアマゾンによって作られた製品であるということ。独善的…というわけではないのですし、アマゾンも素晴らしい製品を作ってくれたと思うのですが、カレンダーやグーグルアカウントにはアクセスできないのですよね。

Echoにおけるほとんど全ては素晴らしいのだけれど、必要不可欠な存在になるにはまだ足りません。これらの欠点をいつか修正してくれれば、Echoはもっと僕に寄り添えるはずなのに。他のガジェットとは異なり、Echoはは自分のニーズを学ぶためのデータにアクセスできません。

これは買うべき?

自分も含め、もしあなたがアマゾンプライムの加入者だったら、買っとくべきじゃないかな? 100ドル(約1万2,000円)で、正当に満足できる、上記の欠点を補えるほどの楽しさがあります。スピーカー用途として使う場合も、ものすごく優れているというわけではないけれど、ボイスコントロールアシスタントとして、スマートフォンと併用してより便利に使うことができます。

確かに、Echoは不完全な新しい製品。アマゾンが今後サービスを追加したりソフトウェアアップデートでプラットフォームを改善しない限り、この新規性が失われていくのかもしれません。またEchoは、 背景音の認識機能を取り込む機会を逃しているのでは。

「今自分は何を見ているのか」「自分は今何を聴いているのか」といったようなもの。一方、公平な観点でいえば、これはプライバシー問題にも関わって不快に思われる可能性もあるのだけれど。

消費者としては、より改善された次の製品を待ったほうが良いかもしれません。

でももし今すぐEchoを買ったとしても、使ってみれば間違いなく笑顔になりますよ。

Mario Aguilar - Gizmodo US[原文

(mayumine)