【レビュー】iPhone 6キーボードケース「Typo 2」は、どこまで実用的か

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このキーボードケースで本当に仕事できますか?

まだガラケーと呼ばれるフィーチャーフォンが主流だった時代に、全面タッチスクリーンのiPhoneが登場してきたとき、たとえダイヤルキーであったとしても文字入力には必須で、きっとハードウェアキーボードのないスマートフォンなど流行らないだろう……。そんなシビアな考察も各方面から飛び出していたのが懐かしいですよね。

あれから時は流れ、いつのまにか時代遅れになってしまったのは、わざわざハードウェアキーを搭載するデザインの携帯電話で、いまやすっかりタイピングはタッチスクリーン上のソフトウェアキーボードが当たり前という流れになってしまったわけですが、いや、やっぱり指で実際にハードウェアキーを押し下げるタイピング感がないとダメなんだよね~。そんなキーボード派の間では、iPhone専用ケース「Typo」が根強い人気を誇って存在してきましたよ!

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日本ではガラケーが全盛期を誇った時代がりますが、海外ではスマートフォンとハードウェアキーボードの切っても切れない関係を築き上げたBlackBerryの黄金時代が存在しています。そのため、iPhoneがブームになっても、なかなかあの両親指でタッチタイプまで可能なBlackBerryのキーボードからは離れられないというユーザーが少なくなかったようですね。そして、そんなBlackBerryユーザーの心を上手につかんだiPhone専用キーボードケースが初代Typoだったのです……。

BlackBerryで慣れ親しんだハードウェアキーボードを、ほぼそのままiPhoneでも使えるようにとのコンセプトから誕生したTypoは、とりわけ北米などで大好評だったようなのですけど、あまりにも本家のBlackBerryに似ていることが問題視されたのか、特許侵害で訴えられてしまいます。そこで、新たに提訴に至った問題箇所を改良し、最新モデルではiPhone 6に対応した「Typo 2」が発売されて、現在に至っているのですが、この日本円にして約2万円で購入できるTypo 2の出来栄えはいかがなものなのでしょうか?

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iPhone 6を伝統的なBlackBerry風のデザインへと改良する~。そんな野望を強引にも実現したTypo 2なのですが、タッチスクリーン下部へホームボタンを覆い隠す形でキーボードケースを装着する形となるため、さらにiPhone 6が縦に伸びて大型化してしまう代償を伴うこととなります。これまでのiPhone 5/5s向けのTypo 2よりも、さらに縦長の全体デザインとなってしまった分だけ、親指でキーボードをタイピングしながら、iPhone 6の重みをバランスよく支えることすら求められるようになってしまいましたね。

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QWERTY配列のハードウェアキーボードでiPhone 6を使い倒す! そんな夢をかなえてくれるTypo 2ですが、実際の使用感としては、旧BlackBerryユーザーならば使い慣れているのかもしれませんけど、さすがに各キーボタンのサイズは小さいので、パソコンのキーボードでのタッチタイピングのような快適性には遠く及びません。うっかり隣り同士のキーを押し間違えてしまったり、同時に2個のキーをプレスしてしまったりのミスはつきもので、タイピング時のイライラ感は簡単には解消されないかもしれませんよ……。

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せっかくiPhone 6を縦持ちでタッチタイピングできるキーボードケースが登場したというのに、なかなかファーストインプレッションはネガティブな印象のようですよね。このままGIZMODOらしく、Typo 2の辛口レビューを続けてまいりましょう。意外とiPhoneのソフトウェアキーボード入力に慣れてきたユーザーにとっては、大文字の自動設定がないことにストレスを覚えさせられるでしょうね。いちいちシフトキーと各文字を組み合わせて入力するか、文字キーの長押しで大文字入力として認識させるのは面倒に感じさせられることでしょう。

おまけに、カンマ(日本語キーボード選択中は「、」)やピリオド(同じく日本語では「。」)を一発入力するためにも、これまたALTキーと組み合わせて入力を求められる手間があります。もちろん、ピリオドはスペースバーのダブルタップで入力されてはいきますけど、せっかく早打ちを期待してTypo 2を使うわけですから、句読点には独立したキーを割り当ててほしかったというのが本音でしょうかね。もっと欲を言うならば、上下左右のカーソルキーやコントロールキーまで用意してくれたら最高だったでしょうにねぇ。

さらにBlackBerryユーザーにとっては、なんでもないことなのかもしれませんけど、シフトキーALTキーの位置が他の一般的なキーボードデザインとは入れ替わってしまっているため、簡単にはなじまないキーデザインの配列だと評せざるを得ません。おまけに左下のシフトキーとALTキーの間に挟まれた場所へ位置する「□」キーボタンが、なんとTypo 2の装着で隠れてしまったホームボタンとして動作するようになっているため、うっかりタイピング中に触ってしまい、アプリ終了でホーム画面へと移動しちゃう~。そんなトラブルも多発することは否めませんよ。

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いきなりTypo 2をめぐるネガティブな辛口コメントばかり並べてしまいましたが、BlackBerryユーザーにとっては、iPhone 6へと乗り換えるうえでベストデザインなキーボードケース。他のユーザーが使う場合でも、かなりクセこそあるものの、でも、やっぱりiPhone 6でハードウェアキーボードが使えるケースとしての完成度は高いことは間違いないでしょうね。タッチタイピングさえ可能にすべく、各キーに考え抜かれた独特のうねりまでつけられているのは脱帽でしょうか。

とりわけTypo 2のネーミングにも示されている通り、初代Typoからアップデートされたのは、単に特許訴訟をかわすためのデザイン変更にとどまらないものがあります。例えば、先ほど大文字の自動設定が使えないことをストレスと感じると指摘したり、あるいは、ソフトウェアキーボードで多用していたはずの予測変換入力がなくなってしまうマイナス面がTypoのウィークポイントに挙げられてきましたが、Typo 2では、ワンタッチでタッチスクリーン上にソフトウェアキーボードをポップアップさせ、デュアル入力環境を構築することだって可能となっていますよ。

Typo 2から新たに搭載された、スペースキーの右隣りにあるカギマークとキーボードのアイコンがプリントされたキーを押すことで、ソフトウェアキーボードオン/オフを切り替えられるようになっています。さすがにキーボードケースを装着しておきながら、その上にソフトウェアキーボードまで表示させるのは間延びした感がありますから、ここは常に表示させるのではなく、ワンタッチで必要なときだけポップアップさせる使い方がお勧めでしょうかね。通常はソフトウェアキーボードを表示させないことにより、iPhone 6の大画面をフルに文字入力以外へキープできるTypo 2のよさを満喫できることでしょうから……。

なお、Typo 2はiPhone 6とBluetoothペアリングして使用するのですが、両者の相性は抜群です。何度も使ってきましたが、これまでまったくペアリングの問題が生じたことはなく、使いたいときにすぐ使えるハードウェアキーボードという意味では、まるでアップル純正のオプションキーボードケースか? そこまで言ってしまうのはベタ褒めかなぁ。

あと他にも便利な機能としては、スペースキーの左隣りにあるBluetoothのマークと電球のアイコンがプリントされたキーを押すことで、バックライトのオン/オフを切り替えられるようになっていますよ。また、Typo 2から新たに追加された機能として、先ほどソフトウェアキーボードの表示切り替えに利用していたスペースキー右隣りのプリントキーは、ダブルタップするとスペースキーが点滅してキーボードロックをかけられるようになっています。ポケットやカバンの中へiPhone 6を入れておくときなどに、この機能は重宝すると思いますよ。

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Typo 2は、基本的に常にiPhone 6へと装着したまま使い続けられる仕様になっているため、電源ボタンからカメラ、Lightningコネクタ、ヘッドホン端子に至るまで、ホームボタン以外のハードウェアへ、いちいち取り外さなくてもアクセスできるようになっています。すでに紹介した通り、ホームボタンに代わるホームキーボタンがTypo 2上に用意されているため、Touch ID指紋認証機能が使えなくなることに満足できる人は、Typo 2の常時着用スタイルでスピード文字入力を極めてみるというのもよいのではないでしょうか。

改良が重ねられ、なかなかTypo 2に勝るiPhone 6向けのハードウェアキーボードケースは見当たらないというのが正直な感想であるのと同時に、長らくTypo 2を使い続けた後、ふと取り外してiPhone 6のソフトウェアキーボードのみを使う環境に戻ってみると、意外にタッチスクリーンのキーボードだけでも使いものになるものだなぁ? あれっ、もしかして、わざわざハードウェアキーボードにこだわらなくてもいいのかも?

そんな体験ができてしまう人だって、まだ現状のTypo 2の完成度だと少なくないかもしれませんよね。だって、Typo 2を装着しなければ、iPhone 6本来の薄くて軽い本体デザインがカムバックしてきますし、iOSのソフトウェアキーボードの完成度は上がったものだなと感じさせられるシーンまで、きっと多々あるはずですから~。

Sean Hollister - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)