擬態ならぬ擬音できる変態ギターアンプ「Kemper」(ドイツ製)

擬態ならぬ擬音できる変態ギターアンプ「Kemper」(ドイツ製) 1

これ持ってタイムマシンに乗って。ジミヘンのギターアンプの音を盗みにいきたい

いや、どこかに保管されているかもしれないですけどね。ジミヘンが使っていたギター・アンプ。でも、あの日あの時の音でないと意味がないかもしれないんです。

デジタルで往年の名機の音を模倣する昨今のギターアンプ・シミュレータ機能。最新型のアンプやエフェクターにはもはや常識と言っても過言でないほど標準装備されています。しかし、この「Kemper」というドイツ人のエンジニアリング魂が炸裂したギター・アンプは違います。所定の方法で繋いだアンプをプロファイリングして、自分の音として再現できてしまうのです。

(動画の10分ぐらいのところで実際にプロファイリングを行っているところを確認できます)モデリングしたいアンプにKemperを接続し、UFOの効果音やホワイトノイズを出すことでその音響特性を読み取ります。

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なぜこんなことが必要かというと、古今東西、“名機”といわれるギター・アンプは真空管を搭載して音を歪ませる仕様のモノが多く、ハンドメイドに近い制作工程ゆえに個体差があるんです。さらにメンテナンスのコンディションによっても大きく音が変わるんですね。レンタルスタジオで練習をしたことのあるギタリストなら、覚えがありませんか? “あれ、前弾いたのと同じ機種なのに音が違うな...”なんて経験。 そんなギターアンプならではの微妙な音の個体差、空気感まで、Kemperは忠実にプロファイリングできます。

楽器系サイト「デジマートマガジン」では、元JUDY AND MARYのTAKUYAがメンテナンスに気を遣う貴重なヴィンテージ・アンプの数々を、プロファイリングしまくっています。さらに後半ではGLAYやジュディマリを手掛けた音楽プロデューサーの故・佐久間正英氏がレコーディングスタジオでサウンドを比較しても、本物と見分けがつかないと評価しています。

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付属ソフトのKemper Rig Managerでは世界各国のKemperユーザーが多種多様なギターアンプをプロファイリングしたデータ(Rig)がシェアされています。いわゆるクラウドですね。マーシャル、フェンダー、メサブギーといった名機の場合は何百種類とあるので、この中からUSB端子経由でデータを送ることで、プロファイリングしなくても好みのサウンドを手に入れてしまえるというわけです。

ハイエンドなプライスかつ、ある程度の専門知識は必要ですが、アンプの音を盗むというコンセプトが面白いと思いませんか? また、たとえばPCソフトやiPhoneアプリのアンプシミュレータで作ったお気に入りの音を、ある程度の出力・音量が必要なライブで再現するなんていう宅録派がステージデビューする用途としても使えそうです。一見、フィジカルなツマミが多くとっつきにくいんですが、直感的に操作できるように配置が考えぬかれているところもさすがドイツ製と感じました。

はっきりいってボーナスをつぎ込んでも欲しい(笑)。

source: Kemper公式サイト via Kemper Amps

(尾田和実)