MS流VRゴーグル「HoloLens」にハンズオン

MS流VRゴーグル「HoloLens」にハンズオン 1

リアルとバーチャルの視野が融合。

マイクロソフトがホログラム型VRゴーグル「Project HoloLens」(以下HoloLens)を発表しました。米Gizmodoのショーン・ホリスター記者がさっそくハンズオンしてますので、どんなものか以下どうぞ!

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マイクロソフトのホログラムメガネ、HoloLensを体験してきました。それは、僕がテクノロジーを使ってきた中でももっとも驚きで、興味深いものでした。

HoloLensとは?

まずホログラムメガネとは何か、から説明が必要だと思います。HoloLensは、バーチャルなモノや風景をリアル世界に存在するかのように見せるヘッドセットです。基本的にMagic Leapが目指してるものとほぼ同じですが、謎の多いMagic Leapと違ってHoloLensはすでに存在していて、実際にそのすごさを体感できます。

僕が体験したデモはたとえば、マインクラフトのシャベルでリアル世界にある壁を破って、希少な鉱石の鉱脈を見つけたり。または、リアルなDIYプロジェクトをSkype経由でサポートしてもらって、短時間で終わらせたり。または、オフィスにいながらにして火星の表面に着地し、NASAの科学者が火星探査機を動かす手伝いをしたり。それぞれどんなものだったか、以下にお伝えしていきます。

ただマイクロソフトは、HoloLensの仕組みは説明してくれませんでした。僕ら記者集団は単に彼らのレッドモンドにある本社の奥深くに連れて行かれて、ヘッドセットをくっつけられ、その素晴らしさを目撃した、それだけです。ちなみにそのときカメラとか電話は全部取り上げられちゃったので、自分では写真を撮れませんでした。

HoloLensがすごいのは、Oculus Riftみたいにバーチャルな世界が見えただけじゃなく、グーグルグラスみたいにリアル世界のものも一緒に見えたってことです。つまりマイクロソフトは、現実とCGを融合させる方法を編み出したんです。

何ができるの?

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僕らはマイクロソフトの第92ビル地下の細い廊下を進んで行き、小さな部屋に押し込まれました。椅子に座ると巨大なプロセッサ部分を首に巻き付けられ、頭にはHoloLensのプロトタイプをそっと装着されました。プロトタイプはまだ壊れやすいので、ストラップはいいけど本体には触っちゃダメだと言われました。マイクロソフトの人が頭の後ろのダイアルを回して締め、別の人が僕のIPD(虹彩間距離)をHoloLensにつながったPCに入力しました。マイクロソフトいわく、最終版ではIPDを自動計測するそうですが、プロトタイプにはまだその機能がないんです。

すると僕はいきなり火星の表面、またはその細長い切れ端を見てました。Oculus Riftみたいに、バーチャルな世界が自分の周りを取り囲んでる感じじゃありません。現時点でのHoloLensの視野は極狭です。だから最初は別に大したことないじゃんとすら思いました。

でも次の瞬間、自分が見ているのは単なる火星表面の幻じゃないことに気づきました。同時に、色んなモノが詰まった部屋にいたんです。壁には一面にポスターがあるはずなのに、HoloLensは僕の視界をさえぎることなく、それらをほぼ見えなくしていたんです。

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部屋の中でも一番キラキラしたもの、たしかピッチャーの銀色の取っ手だと思いますが、それだけは強い光がどうにか幻を透過して目に入ってきました。でもそれ以外はすべてが火星になっていました。頭の向きを変えても、そこには(狭いながらも)火星表面が広がっていました。

ただ、その火星にはなんでかコンピューターの載った机があるんです。HoloLensは、どうやってるのかはわかりませんが、幻の火星とリアルに存在するコンピューターを融合していました。マイクロソフトの人が、そのスクリーンをちょっとのぞかせてくれて、「今見えている風景は、アーティストが作ったものではありません」と言いました。そして、僕が見ている風景は、リアルにいる部屋の風景と、火星探査機が地球に送ってくるデータから生成されているのだと教えてくれました。

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でもHoloLensは単に見るだけのものじゃなく、ある程度コントロールも可能です。頭を動かして火星の風景を見回し、物をハイライトしたり、探査機用の通過点(または化学カメラからレーザーを発射する場所)を置いたりを、人差し指のフリックでできます。そこで置いた通過点は、コンピューター上の2D地図にも表示されます。また他の人との共同作業も可能で、デモの途中からは実際のNASA科学者のアバターが幻で登場し、遠くの場所にズームインして今後探査する場所をハイライトする方法なんかを教えてくれました。

実用的なデモも

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次は別の部屋に連れて行かれて、Skypeでジョーって人とつながりました。そこでは僕はリアルの壁にリアルの電気スイッチを取り付けようとしているアマチュア電気技師になり、ジョーがそれを助ける役です。上の画像でいえば、外れた排水管を取り付けようとしている女性が僕、それをサポートするDadがジョーにあたります。ジョーがモノを指し示し、図を書いて迷わないようにしてくれるという、火星に比べればシンプルなARデモでした。でも、すごく実用的だと思います。

Kindle Fireには、ボタンひとつでサポートの人を呼び出して質問できる機能があります。それと同じ感覚で、わかってる人が手取り足取り教えてくれたことで、電気スイッチの取り付けがたった6分間でできました。こんな風にDIYのサポートをしてくれるサービス、有料でも需要はあると思います(ちなみに僕は自力でも電気スイッチ設置はできると思いますが、車のボンネットを開けるのは怖いです)。

もうひとつHoloStudioという、3Dプリンタを使ってクアッドコプターを作れるデモがありました。それは記者が自分で動かすのではなく、中の人がやってるのを見るだけの形式でした。多分このあたりが、HoloLnesの現時点での弱いところだと思います。つまり、手を伸ばしてモノに触れる手段が貧弱なんです。デモでは3Dのオブジェクトに頭を向けると選択でき、指を振ると動かせてはいました。でも、部品を選択するためにつねに頭をぐるぐる動かし続けなきゃいけないのは、見ているだけでも疲れてしまいました。もっと良いやり方が必要だと思います。

でも、CGの赤いトラックのタイヤを選択して「Copy」というだけで一瞬でコピーを作ってしまえたり、「マグネット」ツールを使ってそれをトラックの車軸に自動でくっつけたりできるのは非常にクールでした。

また、リアルなモノを使ってマインクラフト(というか「Holobuilder」というマインクラフトのクローン)をプレイするデモがあり、それもかなり面白かったです。自分の周りの壁とかいろんな面がマインクラフトのブロックでできている感じです。そこを突き破ったらどうなるでしょう? たとえばテーブルに穴を開けてみたら、テーブルの向こうが地下洞みたいになっていて、底には巨大な溶岩の穴がありました。リアルの壁を撃ち抜いたら、その裏側には洞窟がありました。HoloLensが壁の撃ち抜いた部分を隠して、代わりに洞窟を見せていたのですが、驚くほどリアルに感じました。

今は未完成、でも魔法

HoloLensは、プロトタイプとしてできうる限りのリアルさを実現していました。これがまだ開発中というのは控えめに言い過ぎでしょう。最終版はもっと小さく軽く、他の機器と接続する必要のないゴーグル型で、頭に付けるだけになる予定です。

が、僕が試したプロトタイプではプロセッサ部分を首に巻く必要があり、それが天井につながり、さらに近くのPCにつながっていました。ヘッドセットはちょっと前側が重く、視野もトンネルみたいに狭く、回路があちこち露出しています(でもおかげで少なくともカメラ4個、レーザー、超音波レンジファインダーみたいなものが見えて、仕組みを推測するのに役立つので、僕にとってはありがたいことでしたが)。

と、完成形ではないとはいえ、HoloLens体験はやっぱり魔法のようでした。リアルとバーチャルの融合は、願っていた通りの素晴らしさです。これに対してMagic Leapはどんなものを作り上げてくるのかも、非常に楽しみです!

Sean Hollister - Gizmodo US[原文

(miho)