ワン・ワールド・トレード・センターがお役所仕事でエコでもなんでもないビルに

ワン・ワールド・トレード・センターがお役所仕事でエコでもなんでもないビルに 1

世界貿易センタービル跡地にLEED認証の世界一高くてエコなビル建設を目指しながら、お粗末な設計、お役所仕事、ハリケーン・サンディの三重苦でズルズルとただのビルになってしまった「ワン・ワールド・トレード・センター(1WTC)」。

その裏話を記した26ページに渡る港湾公社の資料をマザージョーンズのJames West環境担当記者が入手し、仔細に報じてます。

1WTCが当初掲げたグリーン化の切り札は、天然ガスを電気に変えるハイテク設備でした。ところが2012年、ニューヨークを襲ったハリケーン・サンディの影響で地下が水浸しとなり、「マスコミはまったく報じなかったが、9つあった燃料電池もみなやられてしまったのだ」とWest記者は書いてます。

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Image: AP/John Minchillo

まあ、それだけなら電池を交換すれば良さそうなものですが、どんどんおかしなことになるのは、この後です。

港湾公社(ビルの管理母体)は、建設期間中の足を確保するため付近に仮設のパストレイン駅を建設済みでした。ところがこの駅を建てた場所が、ビルの荷降ろしドックと車両検問センター(ビルに荷物を運ぶトラックの検問所)を結ぶ道の予定地をタンコブのように塞ぐ場所だったんですね。道の開通は2015年。駅もそのときに解体するんですが、それまで道は使えず荷降ろしドックの建設もできません。

「別に荷降ろしドックなんてなくても建設は進む」と思いきや。ここで話をややこしくしたのがテナント契約です。港湾公社はワン・ワールド・トレード・センターの常駐テナントとして大手出版社コンデナストとも契約済みで、コンデナスト様が入居するXデイが2014年1月1日。その日までに準備が間に合わないと契約不履行でウン億円もの違約金が生じてしまうのです。

コンデナスト様のオフィス機器も2014年元旦までにビルに運び込まなきゃならない。

運び込むには荷降ろしドックが要る。

ところが荷降ろしドックとビルの道には仮設駅が2015年まで転がってる。運び込めない。

どうする!!!!?

ほんで犠牲になったのが燃料電池です。

港湾公社は結局、コンデナスト様のために仮設の貨物運搬ドックを建設することに決めたのですが、そのドックで高層ビル地下に物を運搬するのに必要な入り口が塞がれ、燃料電池の交換はできなくなってしまったのです。どびょ~ん。

West記者はこう書いてます。

サンディ災害から2年余りが経つが、燃料電池の交換で使える窓はいまだに新貨物運搬ドックで塞がれたままだ。『ハリケーン・サンディで破損した燃料電池を交換するには、ワンワールドトレードセンターの仮設の貨物運搬ドックは確かに解体しなければならない』と当局は編集部への回答で認めた。が、解体するかどうか、するならいつになるのか、具体的なことには触れていない。

港湾公社が犯した契約ミスがドミノ式に問題を大きくして、気づいた時には何億円もの損失を出していたのでした。LEED認証はいつになることやら…。

ちなみにワンワールドトレードセンター隣の駅「ワールド・トレード・センター・トランスポーテーション・ハブ」は金食い虫のサンティアゴ・カラトラバに設計を頼んだばかりにズルズルと予定の倍近い40億ドル(4713億円)まで予算がバブって、ハッと気づいた時にはワンワールドトレードセンターより高くなっちゃってたという話もあります。あれに比べたら…?

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北米一高いビルよりまだ高い隣の駅

Lead image by: Seth Wenig/AP

source: Mother Jones

Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文12

(satomi)