16世紀に処刑された王妃の未発掘肖像、顔認識技術で発見か

昔の人が消し損なった歴史。

イングランド王ヘンリー8世の2番目の妻、アン・ブーリンは、1536年に反逆などの罪に問われて処刑されました。最近だと映画「ブーリン家の姉妹」でナタリー・ポートマンが演じた人物です。彼女を歴史上から消し去るべく、肖像画などはすべて処分されてしまい、その容姿を現在に伝えるものは大英博物館所蔵の「Moost Happi」という鉛のメダルに刻まれた像のみとなっていました。でも、ある顔認識ソフトウェアがもうひとつ現存する肖像画を発見した可能性があるんです。

The Guardianによれば、カリフォルニア大学リバーサイド校の教授、アミット・ロイ・チャウダリー氏らが顔認識技術を使ってMoost Happiメダルと他の絵画を分析し、アン・ブーリンと思われる新たな肖像を発掘しました。それが上の画像です。

上の肖像画はイギリスのBradford Art Galleries and Museumsに所蔵されていて、そこに描かれた女性はブーリン家のものとされる宝石を身に着けてもいます。ただし研究者によってはその宝石がヘンリー8世の3番目の妻であるジェーン・シーモアのものだと主張していて、決定的とは言えません。

ロイ・チャウダリー氏らが開発したソフトウェアは、鼻の幅や目の間の距離、眉の角度といった顔の構造の測定値から、絵と絵の間の同一性や差異を認識するものです。ある人物の顔の絵でそのソフトウェアに学習させてから別の絵を見せると、その絵に描かれた人物が学習した人物と同一である可能性を返してきます。

ただし、画家によってスタイルは違うし、今のFacebookみたいに顔のデータがいっぱいあるわけじゃないので、その結果は完ぺきではありえません。それでもロイ・チャウダリー氏のソフトウェアはそれなりに信頼できる結果を出しています。

ロイ・チャウダリー氏はこの発見についてサンノゼで行われた米国科学振興協会で発表しました。彼はまた、このソフトウェアでガリレオ・ガリレイの一番最初の肖像画である可能性のある絵画を発見したとも言っています。

こういう技術で古い絵の中に描かれた人物が誰なのか解明されていったら、未発見の史実とか、謎の人物の正体の手がかりになったりするのかもしれませんね。

source: Guardian

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文

(miho)