本気で冒険する人へのスマートウォッチ。スント「Ambit2(HR)」レビュー

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冒険家のChris Brinlee Jr.さんが、フィンランドのメーカー・スントのスマートウォッチ「Ambit2(HR)」を旅のお供に連れていきました。大自然の中で使い倒してみたアウトドアな製品レビューとなっています。

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スントのAmbit2(HR)は電子メールも読めないし、ウィル・アイ・アムの電話番号も登録されてません。でも、地球上のどこでも正確な位置を教えてくれますし、身体活動をばっちりモニターしてくれます。この登山で何杯のビールが消費されるか、なんてことも。

何ができるのか?

Ambit2はアウトドアスポーツにこれ1台あれば十分な端末にデザインされています。ナビを内蔵し、速度、心拍、高度、天候を測定。ランニング、サイクリング、スイミングに使えます。

ビールのカロリー燃焼量から睡眠状況のモニターなど、デバイスを利用中に表示するデータを変更できる何千にものぼるスント用アプリを利用できるのです。

Ambit2はパソコンに接続すると、運動量をトラッキング、計画、共有するコミュニティー、Movescountプラットフォームに自動でデータを同期します。本体は頑丈なグラスファイバーのケースに覆われていて、GPSを使用しても電池は24時間もちます。いつ冒険に出かけても大丈夫、ってことです。

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心拍計はベルト式で外付け。念のため、心拍計用の替えボタン電池を忘れないようにしよう

どうやってできるのか?

Ambit2のGPS、高度計、心拍計は、たくさんの計測を行い、距離、場所、速度とペース、高度、心拍数、燃焼カロリーのデータをひと目でわかるように表示します。ウェイポイントやルートによりユーザーを案内するAmbit2のナビ機能は、興味を持った場所(Point of Interest:POI)や座標を保存し、振り返ることもできます。

Ambit2の高度計、FusedAltiは正確な高度を表示するために、GPSが集めた気圧の測定値を使います。ユーザーは昇降量合計や垂直移動のスピード、そして高度のグラフから表示を選べます。天候機能は、温度計、日の出入り、荒天の警報、そして潮の情報までカバー。

デジタルコンパスは地図と一緒に使うことで、昔ながらの方法でユーザーを案内します。2か所までの時刻表示、アラームといった機能もあり、普段使いもできちゃいます。

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Ambit2はしっかり設計された専用USBケーブルを使って同期・充電します。

同梱のUSBケーブルでデータ転送、充電を行えます。Ambit2をパソコンに接続すると、オンラインのMovescountにデータが自動で同期されます。ここでユーザーはインタラクティブな図表や地図で活動量の詳細を確認できます。

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普通の日に3,000カロリー消費?こりゃ太らないわけだ。

実際に使ってみた

Ambit2はランニング、サイクリングそしてスイミングのようなスポーツのトラッキングに優れたデバイスとして設計されているわけですが、私たちはアウトドアでテストをすることに興味を持ちました。ということで、ネパールでのトレッキング・登山の際に使ってみることにしました。

◆ハードウェア

以前つけていたGPSなしの時計に比べたら、私のそんなに太くない腕に対して、大きさ約5cm×5cm、厚さ約1.8cmのAmbit2は巨大で分厚く感じられました。でも、その大きさにはすぐに慣れ、今では普通にすら感じられます。バックパックを背負ったり降ろしたりするときには邪魔になるので、腕をストラップから抜くには、肘を変な風に曲げなければいけません。

本体の材質は頑丈です。3ヶ月荒っぽく使い続けても、ゴムのストラップがくたびれることもなく、ミネラルクリスタルレンズに傷がつくこともありませんでした。

バッテリーの持ちも最高です。スントは1回の充電でGPSを24時間使用できると言っていますが、実際には冬のトレッキングで約4~5日間利用できました。GPSモードでなければ、1回の充電で30日はもちます。充電式時計というのを忘れるくらい長いと言えるでしょう。電池残量が少なくなったときにはUSBから短時間で充電できます。

◆基本機能

Ambit2の基本機能は、海外旅行の際にとても役立ちます。現地時間は太く大きく表示され、デュアルタイム機能が、西海岸時間を一緒に表示してくれるので、電子メールを送ったり、記事を送ったりするときに友達や仕事仲間が起きているか、いつでも確認できます。アラームの音量は大きく、短時間睡眠の後でもばっちり目が覚めますし、スヌーズ機能も搭載しています。日付だけでなく曜日も表示します。「ビュー」ボタンはクイックアクセスのショートカットが割り当てられています。ディスプレイはどのようなコンディションでも見えやすくするために、反転することもできます。

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Ambit2のグラフによる高度表示は、状況が一目瞭然。

◆アクティビティトラッキング

「スタート」ボタンを押し、アクティビティトラッキングを始めます。リストをスクロールし、対象のものを選びます。ちなみにアクティビティは、Movescountから追加・削除できます。アクティビティを選ぶとAmbit2は心拍計とGPSを自動で探し、見つかったら信号捕捉の通知があり、アクティビティを開始できます。雲が厚いときなどGPSが捕捉できない場合であっても、アクティビティのタイマーをスタートすることは可能で、捕捉後、GPSトラッキングが自動で開始されます。

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120時間のリカバリータイム? 12時間じゃなくて?登る、食べる、寝る、の繰り返しでしょ。

トレッキング中、あらゆる情報が一目瞭然でした。トレッキングモードでは、主に表示されるのが距離で、小さなタイマーが上に出ていました。画面の下部分にはペースや速度、高度や時間を含むその他の情報が順番に表示されていました。

「ネクスト」ボタンを押すと、高度計が見られます。この画面での下部分には、合計昇降量やクライミングの速度が順に出てきます。次の表示は高度のグラフ。さらに次は心拍数で、1分間の心拍数や消費カロリー、ピークトレーニング効果(PTE)が見られます。最後の画面にはコンパスが出てきました。

クライミングモードの情報もほとんどトレッキングモードと同じでしたが、高度計が先に出てくるようになっていました。この情報は面白いだけでなく、旅行日程の決定や、高度の高い国やクライミングで身体を慣れさせる計画に、とても使い勝手がいいんです。

高度計のFuseAltiは非常に精度が高いですが、完璧とは言えません。アイランドピークの頂上では標高20,220フィート(約6,163m)と表示されましたが、実際は20,305フィート(6,189m)です。トレッキング中にだいたいどこにいるのか把握するのには十分でしたが。

GPSも非常に精度が高いです。曇りのときや、たまに晴れているときでも、追跡が途切れることはありましたが。使っていく中で、Ambit2と一緒に持って行ったInReach Explorerの移動距離の差に気がつきました。一番大きな差はランタン谷を下った時です。Ambit2はその日の移動距離を16.26マイル(約26.2km)と表示しましたが、InReach Explorerはおよそ20マイル(約32km)でした。ただこの距離の不一致は、ユーザーエラーによるものも大きいと思われます(立ち止まった際にAmbit2を停止させても、InReachは常に動かしていました。きどき、Ambit2を再開させるのを忘れてしまいました)。

立ち止まった際に手動で停止させるという点に関連してもうひとつ言うと、トレッキングの際にはAmbit2の自動停止機能がうまく機能しませんでした。おそらく、ランニングの場合ではきちんと機能するのでしょう。1マイル(1.6km)6分のペースで道路を走るのと、信号待ち時間には大きな違いがあります。でもトレッキングの場合、速度はその道の難易度によって大きく左右されます。そのため、動いている間でも、たまに自動停止機能でAmbit2が止まってしまうことがありました。これには毎回イライラして、手袋を取るのも嫌になったので、結局自動停止機能は切ってしまいました。

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◆ナビゲーション

GPSナビが使いやすいと思ったことがありません。私は詳しい地形図と自然の特徴、必要なときにはコンパスを使う昔ながらのやり方が好きなんです。よく、トレッキングでGPXのトラックに利用価値がないことがあります。GPXトラックを見つけられるのなら、その道は通る人が多いということで、GPSはいらないからです。ということで、事前計画のときには、この機能の使い道がありませんでした。でも、Point of Interest(POI)を設定できる機能は大自然の中で発見したものにしるしをつけて、そこまで戻るのに役立つかもしれません。

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コンパスは素晴らしい機能で、今回テストした地域ではとても精度が高いことが証明されました。コンパスのゼロ度は北極星の位置をぴったりと示し、上の写真を撮影するための設定に使うことができました。

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23分31秒の「最大限」の活動。3時間20分は「ハード」、1時間26分は「ベリーハード」。いい日だったと言えるでしょう。

Ambit2のハードは頑丈ですが、ソフトも見逃せません。アプリの追加により、さまざまな使い道を生み出せるのです。Movescountは豊富な機能を備えながらも、簡単にアクティビティの状況を把握することができます。たくさんのグラフや図が、とても詳しい統計情報を出してくれます。運動した後にカロリーの消費効率が高くなる状態である「運動後過剰酸素消費量(EPOC)」までのリカバリータイムや、移動距離なんかも確認できちゃいます。これで身体の調子を記録するのもよし、見返すのもよしです。

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グーグル・マップにアクティビティのルートをプロットしたものはエクスポートして共有可能。

さあ、冒険にでかけようか?

スントのAmbit2は、パワフルで機能が豊富な腕につけるコンピューターです。ちょっとごついですが、よく作られています。盛り込まれまくった機能は、未開の地での活動を記録するのにすごく重要です。この長い電池の寿命のせいで、前の世代のGPSつき時計がお蔵入りになるかもしれません(とはいえ、長いトレッキングでは毎日GPSモードを使うためになんらかの充電器を持っていく必要がありますが)。

トラッキングデータに多少の誤差はありますが、この程度のことは大自然の中で精密な電子機器を使う場合には想定内でしょう。この製品の並外れた使い勝手の良さと比べたら、欠点なんて気にならないんです。

Chris Brinlee Jr.: 世界中を旅する冒険家、作家。インスタグラムはこちら。

image by Chris Brinlee Jr.

Chris Brinlee Jr. - Gizmodo US[原文

(conejo)