米ギズレビュー。パナソニックLX100は、現コンデジの中ではベストな選択肢

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パナソニックのLumix100は、今買えるコンパクトデジタルカメラの中ではベストの選択肢かも。米GizmodoのMichael Hession記者が惚れ込んだコンデジの実力とは?

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これはこれからの時代のカメラの新潮流のひとつです。ポケットに収まるコンパクトさだけではなく、非常に多機能で、抑えるべきところをしっかり抑えています。コンパクトデジタルカメラ分野では、良い写真と動画を撮影するための最良な選択肢のうちのひとつだと思いました。

旅行に持ち歩いてプロっぽい写真を撮りたい、または子供の写真を綺麗に撮りたい、そんな用途なら、今買えるカメラの中ではベストと言っても過言ではありません

LX100のお値段は900ドル(約10万5,000円、日本だとkakaku.comで8万台が最安)します。でも値段相応の価値はあると思います。マイクロフォーサーズのセンサーを搭載しているので、SonyのRX100やキヤノンのG7Xといった人気のハイエンドクラスタのコンデジよりも大きく画質もさらに良いのです。

35mm換算で24-75mm相当のズームレンズ、F1.7-2.8の絞り値、レンズも傑出して素晴らしい。3.1倍の光学ズームを搭載していますが、そこまで遠くを写せるわけではありません。でも開放F値が1.7と非常に明るい、暗所での撮影にも強く、背景のボケも良い感じに得られます。ただし画素数は1280万画素と少し物足りないかも。この点については後ほどレビューしていきます。

900ドルというお値段の中に、電子ビューファインダーと4K動画撮影機能、豊富なマニュアルコントロールも含まれています。LX100をカバンの中に入れさえすれば、いかなるシチュエーションにも素早く対応できそうな安心感があります。超高精細な4K動画だって撮影できるし、3cmの最短撮影距離でマクロ撮影だって可能、11fpsのハイスピード撮影もできるし、サイレントシャッターのオプションで、こっそり誰にも気付かれずに隠し撮りだって出来る。多目的に使えるのはかなりの強みです。

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そしてLX100の外観も気に入りました。派手さも無ければ、人目を引くための真新しさもありません。「レトロ系」に傾倒しているわけではない、けれどもクラシックな雰囲気。このカメラはコンパクトであると伝えていますが、でも留意しておいて欲しいのは、パンツのポケットにスルっと入るほどのコンパクトさでは無いということ。でも、このカメラは似たような機能を搭載しているミラーレス一眼や一眼レフカメラより遥かに小さいということも覚えておいて欲しい。

LX100のコントロールレイアウトは、初心者向けには設計されていません。背面のボタンに囲まれたジョグダイヤルは一般的だけど、トップ部分のコントロールダイヤルはアナログ時代を残している設計です。シャッタースピードは、懐かしのシャッターのスピードダイヤルでアナログに設定、絞り値はレンズ周囲の絞りリングで調整します。馴染みの「オート」「マニュアル」「シャッター優先」といったモードダイヤルはありません。その代わりにオート設定にしたければ、絞り値は絞りリングから「A」ポジションに、シャッタースピードもシャッタースピードダイヤルを「A」ポジションに合わせる必要があります。

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設定をもう少し極めれば、直接使いたい機能にアクセスできるようになりますが、対照的に通常モードのダイヤルは、カメラに何を指示すべきかちょっとわかりづらいかもしれません。そして、この厳密なアナログスタイルのダイヤルは、プロにとっても多少のスピード感を損なわせている気がします。撮影時は、このカメラを顔から一旦引き離し、各種設定をするために2つの指を使わないといけません。もちろん初心者にとっても最初のうちはかなり混乱してしまいそう。

でもこのカメラを便利にしてくれるお気に入りのボタンもありますよ。LX100はインテリジェントオートモードを搭載しているのですが、トップ部分にある「iA」ボタンを押せば、即座にフルオートモードに設定されます。僕はだいたいマニュアルで撮影することが多いのですが、瞬時に訪れるシャッターチャンスを逃したくないシチュエーションに出くわした時に便利です。iAボタンを押すだけ、それで万事解決。そしてもう一度iAボタンを押せばすぐに前のマニュアル設定に戻すことができます。ほとんどのカメラはオートモード機能はダイヤルリングに搭載されていますけどね。

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またLX100には背面に3つの割り当て可能なファンクションボタンがあり、フォーカスリングコントロールズームや、ISOの設定などをカスタマイズして割り当てることができます。でも、完全に不要だと思ったのが、トップ右上にあるフィルターボタン。フィルターの設定をワンボタンで素早く行う必要はそんなに無いんじゃないかと思うし、このフィルターボタンにはファンクションの割り当てができません。この位置に電源ボタンがあれば良かったと思うのは僕だけでしょうか。

数多くの強みがあるLX100ではありますが、理解できないのが、LCDがチルトスクリーンにならないことです。ほとんどのハイエンドコンデジにはこの機能があるのにも関わらず、ね。できるだけ遠い位置から写真を撮るために腕を最大限上に伸ばして撮影する時がありますが、LCDを確認する行為にかなりの苦痛を強いられます。

パナソニック LX100 vs. ソニー RX100

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僕の経験則で言えば、LX100で撮影する写真は競合製品のソニーRX100 IIIより遥かに優れていると思います。第一に、オートフォーカスのスピードの速さ。ソニーよりずっと速いです(シングルポイントAFが一番速いですが、娘を撮影する時の顔認識のスピードもかなり良い結果でした)。

11fpsのバースト速度機能と合わせて使うことで、その中からベストショットを選ぶといった事もできます。三世代に渡っても、RX100はオートフォーカスの速度は大して改善されませんでしたが、LX100は圧倒していますね。

またLX100はエルゴノミクス(人間工学)的な面でも勝っています。ギザギザした絞りリングは指で感触を得やすくて分かりやすいし、サイドに少し付き出したグリップは、カメラを握りやすくしてくれます。また、前面の左側のレンズ近くにあるフォーカス切り替えスイッチもお気に入りです。しかしながらダメなところも。フォーカスリングが小さい上にボディに近すぎて、スムーズさと快適さを損なっている感じがします。

そして約276万ドット相当の電子ビューファインダーについて。このサイズのカメラでこの電子ビューファインダーを搭載しているのはかなり良い。明るい場所で撮影している時、または固定した状態で動画撮影する時に便利です。

ソニーのRX100 Mark IIIにも電子ビューファインダーはありますが、ポップアップ式でとても小さいんですよね。LX100の電子ビューファインダーはコントラストが強く、そして小さいですが、それでもソニーのより優れているし、自然に感じます。

フラッシュはどうでしょう? フラッシュライトは取り外し可能な別売りの付属品になっていますが、よくデザインされているしポケットにもフィットします。それでもなお、フラッシュが必要な時に備えてこの付属品を持ち歩くのは苦痛。キヤノンやソニーのコンデジのフラッシュは一体型としてビルトインされていますからね。もしフラッシュが内蔵されている方をお好みなら、そちらを選ぶしかありません。

そしてLX100には、パナソニックのスペックシートの中でもあまり宣伝されていない非常にユニークな機能があります。それは4Kフォトモード。4K動画からの静止画切り出しに特化した機能です。赤ちゃんの笑顔の決定的瞬間、またはスポーツ撮影時に便利。普通はバーストモードで連写して、撮影された何枚かの写真から良く撮れたものを選んだりしますが、バーストモードは撮影枚数に限界がありますよね。

4Kフォトモードでは、写真を撮影する代わりに30fpsで動画を撮影でき、撮影した動画を再生して一時停止、そしてコマ送りして、静止画にしたい瞬間を探して保存することができます。そして素晴らしいことに、切り出した静止画のクオリティが良い!

通常動画から切り出した静止画はぼやけたり画質が荒かったりするのですが、LX100の4Kフォトモードはそんなことありません。でもRAWでの保存には対応していなくて、JPGのみの保存になります。この4Kフォトモードはメニューから探しにくいので、ファンクションボタンに割り当てて使うのをおすすめします。

その他のLX100のニッチな機能としては、マルチアスペクトセンサーです。通常4:3とか3:2や16:9など、アスペクト比を変更する際、カメラはセンサーの大きさにマッチしないものを切り取ってしまうので、解像度は下がるし視野角も若干変わります。

でもLX100のセンサーはレンズ径より大きいイメージセンサーなので、解像度を損なうことなく、真の意味でのマルチアスペクトを実現しているのですね。:3、3:2、16:9のどのアスペクトでも同じ画角で撮影できます。地味にすごいテクノロジーだと思いますが、実際の所はほとんどの人が興味を示さない機能だったりしますけどね…。

また面白いのが、それ故にLX100は12メガピクセルの解像度なんですね、ほとんどのマイクロフォーサーズのカメラが16メガピクセルであるにも関わらず。搭載しているセンサーの割に解像度が低いのは、小さいレンズにF1.7の明るさを実現するためにデザインされているから。12メガピクセルにしたことで、このカメラのコンパクトさを実現していると言えます。加えて、LX100の画質は非常に優れています

LX100とソニーのRX100第二世代との撮り比べ写真を並べていきます。LX100の方がディテールが若干優れていて、ノイズは若干劣っている印象。暗所だとLX100は特に顕著ですが、ものすごくひどいという感じでもありません。どちらにせよ大きな差異はほとんど感じません

写真

全ての写真はRAWで撮影、フル解像度の写真は米ギズモードのFlickrから確認できます。

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F1.7-2.8の絞り値で、非常に浅い被写界深度でのマクロ撮影も問題ありません。

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近づいても、ちゃんとフォーカスできる作例その2。

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ISO6400の暗所での撮影サンプルです。

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この2つの写真は、LX100とソニーRX100 Mark IIを比較するものです(新しい第三世代のMark IIIと大体同じクオリティのはずなので)。ソニーの方を、パナソニックの12メガピクセルに合わせるために解像度を落としています。

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まずはソニーRX100。

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そしてパナソニックLX100。

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リサイズなしの100%解像度です。上の写真のLX100の方が解像感があります。

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画質を求めるなら、富士フイルムX100t、リコーGR、またはニコン COOLPIX Aといった、高価なレンズにより大きなセンサーを搭載しているものか、レンズ交換式の一眼カメラにステップアップするしかありません。画質は全然問題なし、色やディテールもがっかりさせません。

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動画

LX100の動画撮影機能は、その他のハイエンドコンデジと比較するとずば抜けています。ソニーRX100 IIIやキヤノンG7Xの動画のクオリティは微妙ですね。LX100では超高精細な4K動画撮影ができますが、なんと1700ドル(約20万円)のパナソニックGH4と同じくらいのクオリティです。

ただし暗所での撮影は強くありません。でもこのカメラサイズでこれだけの動画クオリティを実現できるのですからやっぱり素晴らしいと思います。

上の動画は、4Kで24fpsで撮影しています(4Kで見るには、Vimeoからオリジナルをダウンロードする必要があります)。

しかし悲しいかな、LX100にはマイクとヘッドフォンジャックが無いのが残念なところ。もしパナソニックがこれらのコンポーネントも入れていてくれたら、RODE VideoMic Proなどと組み合わせて、唯一無二のミニ動画撮影機材として活躍していたに違いありません。

でも無いものは無いんだけどね。残念すぎる。もちろん、LX100のビルトインマイクで、カジュアルに素晴らしい動画の撮影ができます。マニュアルフォーカス時のフォーカスピーキング機能と画層拡大機能は良い感じ。

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またソニーのRX100 Mark IIIにはあってLX100にはないもの、それは内蔵NDフィルター。明るい陽の光の中、明るい絞り値の設定にして背景ボケを得ながら撮影したい時に欲しいんですよね。レンズに装着するNDフィルターを買わないといけないのがちょっと残念です。まあ、ほとんどのカメラにはNDフィルターは内蔵されていないんだけど。

良いところ

小さいボディにマイクロフォーサーズセンサーと明るいレンズのおかげで、パフォーマンスが優れています。まさにベストバランス。競合製品に比べてオートフォーカスも速いですし、4K動画撮影機能は、他のどのコンデジより勝っています。カスタマイズオプションやマニュアルコントロールも細かく設定できるし、iAボタンで瞬時に全てをオート設定にできるのも新しいトリック。そして4Kフォトモードで動いている被写体の撮影もバッチリです。電子ビューファインダーも明るい場所での撮影に欠かせません。バッテリーの持ちも優れています。

良くないところ

相対的にズームが弱いです。光学ズームで小さいセンサーのコンデジに慣れている場合、LX100はズーム撮影に限界があると感じるでしょう。チルトLCDスクリーンじゃないところも残念。自分の目より高い位置で撮影したいときに不便を感じます。

またコントロールやボタンの設定は初心者にとって複雑に感じるかもしれません。マイクとヘッドフォンジャックが無いので、動画撮影機能のパフォーマンスが活かしきれないのも残念なところ。

LX100は、WiFiからモバイルデバイスに転送できますが、この辺の出来栄えは良くありません。

これは買うべき?

答えはイエス。その辺にいる皆にこのLX100をお勧めしたいくらいです。超望遠レンズを必要とするようなズーム撮影には不向きだし、900ドルのコンデジはちょっと手を出しにくいかもしれないし、良い写真を撮影するのにこんなに高価なデバイスは要らないという人がほとんどかもしれないけれど。でも予算があって、写真の冒険をするのに相応い道具が欲しいと思っているならば、これを買って損は絶対に無いはずです。

もしソニーのRX100の購入を検討していたとしたら、価格面と携帯性以外は、LX100の方にほとんど軍配が上がると思います(いまだにRX100の初代と第二世代は700ドル以下で買える以上の価値を提供してくれるとは思いますが)。

他の競合製品、例えば、キヤノンのG7XはRX100の第三世代と画質もサイズも似通っています。そしてキヤノンの G1X第二世代はズーム機能は改善されているものの、画質やパフォーマンスは大して変わっていません。

高級コンデジが欲しい人なら、LX100にはあなたが欲しい全てが詰まっていると思いますよ。

Michael Hession - Gizmodo US[原文

(mayumine)