部屋の中に出現した巨大な渦の謎

海岸にあるビルの何もない部屋に入ると、コンクリートの床に大きな穴が。中では完璧なリズムで大量の水が渦を巻いています。目の錯覚かと思われるかもしれませんが、これ本物なんです。

「Descension」と題されたこの渦は、アニッシュ・カプーアの最新作。19世紀に建てられたパリのビルに巨大な風船を詰め込んだり、シカゴの街を逆さまに映し出す、これまた巨大なオブジェを設置したりと、いつも夢のようなアート作品で世界を驚かせている現代美術家です。

インドのコチで開催された美術祭「コチ・ムジリス・ビエンナーレ」の一環として発表された「Descension」は、ビルの一室の床に掘られた幅・深さともに10フィート(約3m)の穴の中に設置されました。

部屋の中に出現した巨大な渦の謎 1

カプーアは作品の構造について詳しく語りたくないようですが、プレートの下にある何かがジャイロ効果を生み出し、吸い上げられた海水を渦巻かせているようです。

ビエンナーレの制作責任者、Shyam Patelは「Hindustan Times」紙に、この作品を港湾都市であるコチに設置する難しさを次のように説明しています。

「50人の作業員が7日間を費やして、深さ3m、幅3m、水量4tの渦のための穴を掘りました。ご覧の通り、この作品は海にとても近い場所に設置されています。それがアーティストの希望だったのです。深く掘り過ぎて海水があふれださないよう、作業には細心の注意が必要で、実際に構造技術者にも立ち会ってもらいました。」

ビエンナーレの主催者が公開したメイキング映像を観る限り、建設過程は長く厳しいものだったようです。では、この作品は一体何を意味しているのでしょうか?カプーアは同紙に対し、「彫刻を作るつもりなど全くなかった。ただ、不思議な現象を作ることができるかどうか試しただけだ」と語っています。

長い冬の夜、延々と渦巻く「Descension」の動画を眺めながら、その真意をゆっくり考えてみるとしましょう。

image by Colossal

source: Hindustan Times

Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文

(Thumper Jones)