Photoshop25周年、Photoshopと共に成長した世界

Photoshop25周年、Photoshopと共に成長した世界 1

2015年2月19日でPhotoshopが生まれて25年が経ちました。

25年前にトーマス・ノール(今もアドビの中ではレジェンドと呼ばれているらしい)が、PhotoshopをリリースしてからPhotoshop無しでは今の仕事にありつけなかったデザイナー、フォトグラファーが山ほどいて、それぞれに何かしらの思い入れをPhotoshopに抱いているはずです。

Phoshop25周年の節目に寄せて、Photoshopと一緒に成長してきたという米ギズモードのMichael Hession記者によるコラムをお届けします。

***

初めてPhoshopで作った作品は何だったか覚えていないけれど、当時は1996年、僕が13歳だった頃。とにかく呪文を唱えたらもの凄いが起こるような、まるで魔法の力を見たことは覚えています。

1990年2月19日、この世にPhotoshop 1.0が登場してから、25年を迎えました。当時は、ビジネスだけでなくカルチャーも急速に変化していく時代の黎明期を迎えていました。「Google、ググる」のように、私達が新しく使うようになった動詞や名詞の中に企業名や製品名が加わった数少ない例のひとつ。「Photoshop」という言葉だけで「デジタル画像処理を行う」意味として成立するようになりました。

今までPhotoshopが、どれほどインターネット、カルチャー、アーティスト達を変えてきたかを語るには枚挙に暇がありません。でも僕個人は、Photoshopが広く認識される前にコンピュータープログラミングというものをPhotoshopを通して初めて学んだ、という記憶が鮮やかに残っています。そう、プログラミングを知るということはとても記憶に残ることです。

1990年代、コンピューターを扱う数少ない若い奴らは、ゲームのためのツール、宿題をこなすためにワープロ、これから爆発的に広がるWWW(World Wide Web)の世界に旅立つためのものとしてコンピューターを使っていました。コンピュータ上で「ものを作る」という行為は、MSペイントのようなプログラムに限定された冒険のようなものでした。

だから初めてPhotoshopを見た時は本当に驚きました。写真をすっかり変えてしまうという物珍しさ。パーツを切る、そして切ったパーツを貼り付ける、撮影した人を新しい場所に移動してしまうことだってできる…もうクレイジーだと思いました。

そして「コンピューターで何かを作る」という世界の扉を私に開いてくれました。このたったひとつのソフトウェアが、価値があって、かつお金にもなるスキルを与えてくれるだけではなく、文化の試金石になるとは当時は思いもよりませんでした。

Photoshop25周年、Photoshopと共に成長した世界 2

Photoshopは、不正コピーや著作権侵害問題の拡大と共に成長してきた側面もあります。互いに刺激し合いながらといいますか。当時13歳でお金が無かった僕は、Photoshopを完全に合法な手段で手に入れるなんて不可能でした。ラッキーなことに海賊版を手に入れてしまいました。AOLのWarez(違法コピーされたソフトウェア)のチャットルームにログインし、自宅でプログラムをダウンロードしている間、誰からも電話がかかってきませんように(当時ダイヤルアップ接続)と祈ったものです。

インターネットの古き良き時代の(当時の)若い世代が、強力なツールを用いて、カルチャー的な芸術作品が生み出す一方、違法入手の側面が黙認されているという現象が無かったわけではありません。当時はソフトウェアにお金をかけるなんて選択肢はありませんでした。でも、こんなに素晴らしいツールを手に入れるチャンスを逃すなんて到底考えれませんでした。

音楽アルバムやインディーズ映画をダウンロードすることは違法だという認識はあったけど、Photoshopを手に入れる事に関しては感覚が若干違っていました。この革命的なツールを手に入れないなんて、あり得ませんでした。

高校生が先生より多くの事を知っているなんて稀なことです。でも僕が高校に入学してグラフィックデザインの科目を選んだ時は、Photoshopの価値は認められていて、当時全てが朝飯前というわけではなかったけれど、教えてくれる人よりも僕のほうが詳しかったし、課題も簡単にこなすことができました。学校が嫌いだった子供にとって、これは天啓のようなものでした。

そしてPhotoshopだけではなく、illustratorPremiere、その他諸々のスキルも磨くことができました。自分のプロフェッショナルなスキルを磨くのも大事でしたが、とにかくこのソフトウェアを扱うことが単純に楽しかったのでした。

人間は視覚的な生き物で、視覚的な情報を伝達することは、私達がコミュニケーションする上で最も大事なことです。デジタル画像は爆発的に増え、そしてPhotoshopはその一端を担っています。私達の世界の集団的な知覚におけるパラダイムシフトと対になるように、ミーム(インターネット上のネタ画像)は一度アップされると消さないし、犯罪法や国際政治上においても有害な影響が起こるようにもなりました。

Photoshop25周年、Photoshopと共に成長した世界 3

大げさに聞こえるかもしれないけれどこれは真実で、そして非常に大きい変化でもあり、このソフトウェアがもたらした事を単純に祝福したり断罪することは不可能です。Photoshop前、Photoshop後の時代があるだけ。

デジタルメディアソフトウェアがもたらした目覚ましく急速な変化は、アドビが開発したツールだけでなく、GIMPのようなフリーのオープンソースのおかげで、お金が無くてもコンピューターで素晴らしい作品を作ることを可能にしました。13歳の少年も含む誰もがスキルを磨き、そして人に教えることだってできるようになりました。

今や無かった世界を想像するのは困難です。名詞としても動詞としても、私達の世界のあり方を完全に変えてくれたもの、それがPhotoshopなのです

Michael Hession - Gizmodo US[原文

(mayumine)