抗がん剤を安く作るのに役立つ、ゆで卵を生卵に戻す研究

抗がん剤を安く作るのに役立つ、ゆで卵を生卵に戻す研究 1

カルフォルニア大学アーバイン校の研究者が、加熱した卵白生の卵白に戻す方法を発見しました。一体、そんな事が何に役に立つのかと思われるかもしれませんが、実はこれは素晴らしい可能性を秘めています。抗がん剤やその他の高価な薬剤を、低コストで作ることにつながるからです。

実験では、20分間90℃の水でゆでた固ゆで卵から、生の卵白を取り出しています。タンパク質を扱う研究室では、本来は生の卵白のような液体を作ろうとしているのに、固ゆで卵のような白いスポンジ状の固体になってしまうことが多々あるそうです。この「加熱した卵白を生の卵白に戻す方法」を使えば、変な風に折れ曲がった配列になってしまったタンパク質を元に戻して、再度実験に用いることができるようになります。

ゆで卵からリゾチームなどの単純タンパク質を再度作るためには、尿素を加えて、凝固したタンパク質を液化します。液化しても、分子レベルではまだ凝固している小さな塊があるので、薄いマイクロフルイディクス・フィルムを通して圧力を加えることで、分子の鎖のもつれを取り、正しい形に戻します。

素人目には、とても面倒に思えます。しかし、これまでの方法がタンパク質の作成に4日間かかったのにくらべて、この方法ではタンパク質のもつれを直すのにたった数分しかかかりません。この時間短縮があれば、多くの抗がん剤に使用されている特定タンパク質の作成がよりシンプルに、合理化されるはずです。そして製薬会社がこういった薬を早く、安く作れるようになれば、これらの薬に頼っている患者さんと、そのご家族にとって救いになると考えられています。

ゆで卵を生卵に戻す実験というので、一瞬なんだかなと思いましたが、実は期待大な研究結果ですね。

source: UC Irvine,Popular Science, Technabob

Andrew Liszwski - Gizmodo US[原文

(mio)