弾丸から見つかった秘密の手紙の正体

弾丸から見つかった秘密の手紙の正体 1

1944年イタリア。これはノルマンディー上陸作戦で勢いを得た連合国側とドイツ軍が死闘を繰り広げていた当時、トスカーナ地方南部である兵士が弾丸に隠していた暗号です。2015年になってマニアが見つけ、解読しました。

ヨーロッパには第一次世界大戦、第二次世界大戦の戦跡で残骸探しをするマニアがいます。考古学者にも元兵士にもあんまり良くは思われていなくて、違法化されてる国もあるんですが、マニアは暇さえあれば金属探知機を持って兵士の名札から金属片、ヘルメット、マシンガン、戦車、飛行機、ナチス極秘の研究施設まで手当たり次第に集めてます。趣味のコレクターもいれば、中には一攫千金狙いの人も。

隠された暗号

今回これを見つけたのは、イタリアの金属探知機愛好家のみなさん。小さなお宝数点と一緒に発掘しました。たとえばこちらは、第83歩兵師団第372歩兵連隊の紋章です。イタリアでは一度も戦ったことがない部隊のものですが、D.M.というイニシャルの兵士がなぜか持ち歩いていました。

弾丸から見つかった秘密の手紙の正体 2

へ~ですが、まあ、特筆すべき要素もない、並のお宝ですよね。そこで数日後また同じ場所に戻って探したら出てきたのがこちら。

弾丸から見つかった秘密の手紙の正体 3

薬莢に先っぽが向いてる弾丸です。ふむ…なんだろう?と思って家で開けてみたら、中からこんな紙切れが…

弾丸から見つかった秘密の手紙の正体 4

弾丸から見つかった秘密の手紙の正体 5

なんと 秘密のメッセージだったのです!

このように弾丸に暗号を忍ばせて持ち歩くのは、第1次大戦当時から割と広く使われていた手段でした。

[...]軍部は、暗号化したメッセージや部隊・駐屯地内の仲間内だけで通じる暗号を隠すのに弾丸を使っていた。

弾の先っぽを外して弾薬を抜き、空の薬莢にメモを入れるのだ。戦場は弾なんてどこにでも転がっているので、紛れ込ませてしまえば簡単に隠せる。敵に捕まったら、その辺に放り投げていけばそれでよかった。

弾丸から見つかった秘密の手紙の正体 6

気になるのは中身ですが、 これは別の掲示板の人が解読してます。

おじいちゃんはイタリアで兵役に就いていました。軍の装備は全部相続したんですが、そこに常用暗号本も全部あったので、調べてみました。これがメッセージの中身です。

QMというのは、ある任務で部隊間の調整を命じられたオフィサーに宛てたコード。これはそのオフィサーに戦闘状態を伝える手紙ということになります。

5文字のコード6個の意味は左から右、上から下に読むとこうです:

THEY - THROW - GRENADES - WE - PULL - PINS - AND - THROW - BACK

敵が手榴弾を投げる、我々はピンを抜いて投げ返す

最終行はこう:

NOTIFY REINFORCEMENTS STAND DOWN - NOT NEEDED

(増援要請不要)

ドイツ兵は意外とマヌケだった

ふむ。つまり誰かがピン抜かないで手榴弾投げてくるから、ピン抜いて投げ返せって意味です…よね? いくらなんでもそんなピン抜かないで投げる人がいるのかな…と思ったら、ありました。イタリアにはピンが2個ついてる手榴弾があったんです!

弾丸から見つかった秘密の手紙の正体 7

でもイタリア兵だったら絶対2個とも外して投げてますよね。となると考えられるシナリオはただひとつ。投げていたのは、きっとドイツ兵だったんですよ。

第二次大戦もこの頃にはもうイタリア兵はほとんど戦ってませんでした。1943年9月3日にはヴィットーリオ・エマヌエーレ3世とピエトロ・バドーリオ首相がシチリア島カッシービレで無条件降伏に署名していましたし。1944年6月4日ローマ陥落、8月フィレンツェ陥落。中にはムッソリーニに忠誠を誓って連合国と戦ってるイタリア兵もいましたが、ナチスにイタリアの軍備は全部没収されてましたからね、手榴弾も。

にわかに手にした手榴弾なので、まさかピンが2個ついてるとも知らずに投げて、次の瞬間には自分に返ってきていたんでしょう。

Jesus Diaz - Sploid - Gizmodo SPLOID[原文

(satomi)