アップルがResearchKitで集める超個人データ

アップルがResearchKitで集める超個人データ 1

今回のアップルイベントで発表されたResearchKit。医療研究者にとって、何百万人という人々にリーチできる可能性を秘めた、これからの医療リサーチの鍵となるかもしれないオープンソースのソフトウェアです。収集されたデータにアクセスできるのは、研究者だけ、アップルすらもその内容には触れないといいます。素晴らしいキットに感じますが、医療データという非常に個人的な情報だけに、安全と言われてもセキュリティが気になるのはもちろん。そこに将来的な穴はないのでしょうか。この便利なキットの存在が、悪人に自分の情報を与えてしまう一因になってしまわないのでしょうか。

ま、現段階ではなんとも言えません。なんて言ったって、今さっき発表されたばかりですからね。ResearchKitの公式ページでは、ソフトウェアについてのプライバシーポリシーには触れられているものの、セキュリティに関しては意図的に触れていないように感じます。予想でしかないのですが、ResearchKitは、HealthKitと似たようなシステムを使ってくるのではないでしょうか。HealthKitでは、ユーザーの健康情報は中央集中型で安全な場所に保管され、ユーザー自身がどのデータをどのアプリと共有するかを選択することができます。ResearchKitのページには、プライバシーに関して以下のような記述が。「私たちは個人情報の価値を理解しており、ResearchKitはそこを重視してデザインされています。どのリサーチに参加するかを選ぶのはユーザーで、どのアプリにどの情報を提供するのかをコントロールするのもユーザーです。あなたが共有しているデータは、あなた自身も閲覧することができます。」

データデータとありますが、どのようなデータでしょう? ResearchKitが収集するのは、現段階では、イベントで発表された5つのアプリ(ぜんそく/パーキンソン病/糖尿病/乳がん/心循環系疾患)のリサーチに特化した、生物データです。バイオメトリクス、つまり生物個体を区別できるような特性のデータなんです。以下、このアプリで収集できる情報の種類。

アップルがResearchKitで集める超個人データ 2

・加速度

・端末の動き

・歩数

・タッチの動き

・位置情報

・心拍数

・オーディオ

今すでに何が悪いという話じゃありません。自分のデータを提供することで医学の発展に役立てるならば素晴らしいこと。Apple Watchでより多くのヘルスデータがとれれば喜ばしいことです。

アップルがResearchKitで集める超個人データ 3

複雑化するのは、HealthKitとResearchKitが混じり合うとき。すでに存在する900を超えるHealthKitアプリの上にさらにResearchKitがのっかってくるとき。リサーチによっては、もっと多くのデータ(例えばカロリー消費量とか)が必要になるでしょう。HealthKitと連動して必要になるデータには、誰がいつ、どういう条件でアクセスできるようになるのでしょうか。

ResearchKitのデータにアクセスできるのは研究者だけ、アップルも触れないといいますが、データベースというのは他のデータベースにつながり、それがまたどこかにつながり…というもの。大規模ハッキングがニュースになる昨今、アップルのセキュリティが常に強固で完璧だとは誰にも言えません。現に、昨年iCloudハッキングもあったし…。

じゃぁResearchKitは悪なのかというと、それは単純でネガティブな極論。もちろん、悪ではありません。ただ、アップルが膨大かつ個人的な生物データを収集するということ、それは善意によるものですが、悪意をもった者の手に渡らないとは言い切れないという話です。自分が共有情報をコントロールできるとはいえ、その情報はどこかに保存されているのですから。

image by Apple

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文

(そうこ)