もう自動運転は全米横断できる

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でも法律が大きな問題。

テスラのモデルSの最新型「Dシリーズに搭載され、話題になっている自動運転機能。テック業界も自動車業界も、次なる大きな金脈になるであろうこの技術に、大いに注目しているようです。

そんな自動運転の技術を開発している企業の一つ、米自動車部品メーカーのデルファイ・オートモーティブ社。同社は自動運転技術を搭載した車のテスト走行を行なったのですが、驚きなのはその距離。なんと全米横断約3,400マイル(約5,500km)のテスト走行を行ったんです。

アウディのSUVモデルQ5をベースにしたテストカーは、専用のレーダーにカメラ、22個のセンサーを搭載し、周囲の状況を頭上から見ているかのような画像で確認することが出来ます。それらの情報を元に高性能なソフトウェアが周囲の交通状況などを加味してまるで人間のように加速・減速・ハンドリングなどを自動で処理するとのこと。

もちろんテスト走行なので運転席に1人、リアルタイムで処理される情報を確認する担当がもう1人乗車してこのテストは行なわれました。この約5,500kmを走り抜くのにかかったのは計9日間。その間、運転手が実際に運転したのはその1%程度で、高速を降りるときだけだったそう。

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この話からわかるように、自動運転の技術はかなり進化してきており、技術面だけで考えれば実用化が見えてきているといっても過言ではないでしょう。実際に、冒頭で話したテスラのDシリーズはハードウェア面ではなかなか近づいてきています。ただあくまでも現状はアクティブクルーズコントロール(ACC)の延長線上的な位置づけ。テスラのイーロン・マスクCEOも完全な自動運転にはまだ5〜6年程度はかかると考えています。

また一般的に普及させるには価格も考慮しなければいけません。この走行テストを行なったデルフォイ・オートモーティブ社ですら2020年頃に60万円程度で導入できることを目指しているくらい。決して安くはありませんね。

そして最大の壁になるのはおそらく法律。アメリカでも自動運転車を走らせることにGOサインを出している州は少なく、テスト走行すらさせてもらえないところも多々あります。日本でもテストを行なう際には開業前の高速道路を使ったりすることが多く、公道でやるにも運転席に人を乗せての場合がほとんど。実際に技術が普及してから法整備をするとなっても、一筋縄ではいかないでしょう。

技術的にはいい線にきているわけですからなかなかもったいない話。せっかくのすばらしい技術なんですから、技術、法律、そしてコスト、全部がいいタイミングで動けるように準備を進めてくれることを願いたいところです。

source: Response , Delphi Drive

(小山和之)