米ギズレビュー:オリンパス「OM-D E-M5 Mark II」、レトロでプロユースのマイクロフォーサーズ

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米GizmodoのMichael Hession記者がオリンパス「OM-D E-M5 Mark II」をじっくりレビューしてくれました。はたして、その出来栄えは?

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ああ、美しきレトロデザインプロレベルの各種設定インターフェース。そしてとってもコンパクト。オリンパスのOM-D E-M5は、玄人のためのミラーレス一眼カメラです。新しくなったE-M5 Mark IIは3年越しのアップデート、納得の操作系インターフェースの改良、いくつか他機種には無いのユニークな新機能も搭載されました。

E-M5 Mark IIは、決して安い買い物ではありません。ボディ単体で1100ドル(約13万円、価格.comの最安値は記事執筆時点で9万8千円)もするわけですからね。16メガピクセルレベルのマイクロフォーサーズのミラーレス一眼はすでに他社からも出ています。デザインはレトロなインターフェース、OM-D EM-5の初代からそんなに大きな変化はありません。2012年当時は斬新だったし、2015年の今だって悪くないけれど、今ではたくさんの競合製品が販売されています。ソニーや富士フィルムの他社ブランドしかり、オリンパスのOM-D E-M10や E-M1はさらに安価でハイエンドミラーレス。競合が渦巻く高級ミラーレスの世界において、E-M5 Mark IIはよりエッジーで、尖っていなきゃ駄目なのです。

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デザイン

このカメラを見る限り、機能性のある操作系インターフェースとデザインは無闇に変える必要は無いのだとオリンパスは判断したのでしょうか。E-M5 Mark IIの外観はほとんど初代と一緒で、マグネシウム合金のボディで防塵・防滴、サイズはちょっとだけ初代より大きくなっていますね。それでも富士フィルムのX-T1やソニーのα7シリーズ等の他のハイエンドミラーレス一眼より小さく、当然APC-Sやフルサイズのデジタル一眼よりずっと小さいのです。

グリップは若干突き出ていますが、一度手にしてみるとそのグリップの角度は手に馴染み、EM-1のように使いやすくて良い感じ。EM-5のグリップを持ちやすくするグリップストラップも別売りアクセサリーとして売られていますね。全体的に、E-M5 Mark IIはかなりコンパクトです。

OM-Dシリーズは、基本的に上級者向けに提供されているミラーレス一眼で、もしあなたが初心者なら、間違ってこのカメラを選ばないように。多くの機能性に富んだボタンに、強気のメニューシステム。多くのオプションでかなり包括的に設定できるので、必ずしも訳が分からないものではありませんが、使い慣れていないと、操作インターフェースを覚えるのは少し大変かもしれません。ボタンやスイッチが多過ぎます。どのボタンはどこにあってどんな役割があるのか覚えるのは楽しいけれど、それでも指は時々迷いますよね。何故かシャッターボタンだけは少しソフトな押し心地ですが、それ以外のボタンやスイッチ分かりやすく、それぞれ触感があります。

コントロールスキームにおける不満をあげるなら、背面にある小さな方向パッド。何というか、とりあえず小さい。タッチスクリーンもありますが、タッチフォーカスのオプションとは別に、簡単に素早く設定にアクセス出来ません。

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そしてOMD-EM5 Mark IIの大きなデザインインターフェースの変更は、背面の液晶モニターが可動式のバリアングルになったことでしょう。前モデルのモニターはフリップして上げ下げしかできませんでしたが、Mark IIでは360度回転し、自撮りも可能に。これは(人によっては)大改良と言えるかもしれません。様々な角度から撮影内容を確認できるようになったので、動画撮影は便利になりました。それでもまだ使いづらさも残っていて、閉まったモニターを開くには(ぱっと液晶を上げ下げできた)前モデルよりも手間取ります。

モニターではなくビューファインダーを使って撮影する人なら、Mark IIの電子ビューファインダーがオリンパスの最上位モデルのEM-1の大型で高精細のものと同等になったのは喜ばしいことでしょう。大きくて精細でノイズが少ないEM-1の電子ビューファインダーは他のどの他社のカメラより優れていると思います。それでも光学ファインダーが好きだと言いはる人は、一度自分の目で試してみると良いですよ。

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画質

もし他のマイクロフォーサーズのカメラを使ったことがある人ならわかると思いますが、2012年の初代OM-D EM-5も含めて、その他のカメラと驚くくらい大体一緒の画質です。16メガピクセルのセンサーは一切変更なし。実際よりキツく聞こえるかもしれませんが、基本的にはかなり素晴らしい写真が撮影できるのでご安心を。例えば自然で豊かな色の時、そしてRAW画像を撮影する時、そして光のコンディションが良い時に、撮影できる写真画質は文句なしです。インカメラのJPGイメージもまあまあですが、ノイズリダクションはちょっと嫌な感じかな。

そしてマイクロフォーサーズカメラの最大の利点は豊富なレンズのラインナップです。誰かがフルサイズのものを持っていて羨ましくなったとしても、それでもOM-Dで使える75mm f/1.8は素晴らしい。大口径のレンズの選択肢が多いマイクロフォーサーズのシステムは、レンズ好きにとってはとても魅力的ですよね。ただ覚えておくべきば、いくつかの新しくて大きくて重いレンズは、 コンパクトなMark II では本体との重量バランスが取りづらいこと。程々の大きさだと思われる12-40mm f/2.8 PROレンズ(上の写真で装着しているレンズ)ですら、重くて前面に重量が寄ってしまいます。

以下、いくつか撮影した写真を掲載します。すべてJPGで、ISOのテスト、RAW画像からの変換も兼ねています。フルサイズのファイルは米ギズモードのFlickrからダウンロードできます。

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光が少ない暗所でのシチュエーションとなると話が別。これだとマイクロフォーサーズシステムに投資する気になれません(でも僕は高感度で暗所での撮影能力があるカメラオタクなところがあるし、普通の人はそんなに気にならないかもしれない)。ISO800を超えたあたりからAPS-Cセンサーのカメラよりノイズが目立ちますし、当然ハイエンドのフルサイズ機よりもノイズが出てしまいます。

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5軸手ぶれ補正と、40メガピクセルのハイレゾショット

そして Mark IIで考慮すべき圧倒的な改良ポイントは手ぶれ補正機能でしょう。5軸手ぶれ補正機能は初代のE-M5にもありましたが、今回はアルゴリズムが変わり、より効果的になったそうで、オリンパスによれば「世界最高のシャッター速度5段分の補正性能」とのこと。

つまり暗めの部屋で、手ブレを避けるために1/60のシャッタースピードで撮影してみたけれど、撮影された写真はまだかなり暗かったので1/2のシャッタースピードで撮影(シャッター速度5段分)しても画質はかなりクリアですよ…ということなのですが、実用してみるとその話は少し誇張している部分は否めません。ものすごく集中して息を止めて、シャッターボタンを慎重にそっと押すことで、やっと1/2秒でもシャープな画質を得られるといった感じ。一般的な撮影条件の常識を覆すほど綺麗に撮れるわけではありません。それでも(オリンパスが多少誇張していたとしても)5軸手ぶれ補正は非常に良く出来ていて、ソニーの最近のα7シリーズに搭載された5軸手ブレ補正よりも良いと思います。まあ、それでもこの機能のためだけにカメラを買い換えるとまではいきませんけど。

またEM-5 Mark IIの特筆すべきユニークな機能は40メガピクセルのハイレゾショット機能です。16メガピクセルのセンサーを補うために、ハイレゾショットモードを利用することで40メガピクセルの画質を得られるというもの。シャッターを押した後に0.5ピクセル単位でセンサーを動かしながら、露出も変えながら8回撮影、40Mセンサー相当の高解像度でファイルサイズが大きい写真の生成をカメラ側で行います。非常に高精細な画質を得られますが、ハイレゾショット機能はそんなに多用することはなさそうですね。

目的にもよりますが。撮影時に動くとブレてしまうので、固定するためには三脚が必要になってきます。また、絞り値はf/8以上で撮影しなきゃいけないという制限も。風景を撮影したくてより深い被写体深度を得たければ、f/11かf/16で撮影する必要がありますね。ハイレゾショットにはひと癖ありますが、人によっては非常に使えるユニークな機能でしょう。以下、ハイレゾショットのサンプルを掲載します。

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動画

動画撮影に関しては初代のEM-5から得意分野ではありませんでしたが、今回マルチフレームレート(60p/50p/30p/25p/24p)、50Mbpsを超える高ビットレート撮影に対応しました。この機能が明らかにされた時はとても嬉しかったですよ。強力な手ぶれ補正機能は、手持ちの動画撮影ワークに有効だからです。しかしながら、実際の動画のクオリティはちょっと残念でした。1,100ドル(約13万円)のカメラのわりには、精細さが劣っています(例え静止画用途にデザインされたカメラだとしても)。

もちろん、初代のE-M5よりは良くなっていますが、それでも基本的な性能に関してはそんなに大きく変わっていません。77 Mbit/sのビットレートのおかげ、ローリングシャッターとモアレ等は最小限に抑えられていますし、画質もそこそこきれいです。つまるところ、カジュアルな動画撮影には使えるけれども、クオリティが必要なプロユースには向いていません。下の動画で確認できます。

パフォーマンス

スピードとパフォーマンスにおいては、EM-5は全く問題を感じません。Mark IIは、81エリアのオートフォーカスシステムが搭載されました(初代は35エリア)。他のOM-Dモデル同様、オートフォーカスの速さは抜群です。シングルポイントフォーカスはちょっと難あり。追尾AFはそこまで優れているわけではありませんが、ミラーレスカメラだったらまあ、こんなものでしょう。 Mark IIには顔と目の認識機能もあって、カスタマイズも可能で便利。眼鏡の人は認識しづらいですけどね。

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良いところ

手ブレ補正機能は唯一無二です。物理的なコントロールスキームも、自分のようなパワーユーザーにとっては、使っていてとても楽しい。そして最初は侮っていたけれど驚いたのは、E-M5にバンドルされた外付けフラッシュ。大きなスピードライトフラッシュのように、回転して上下にチルトするコンパクトなフラッシュはこれまで見たことがありません。壁や天井を使ったバウンス撮影も簡単にできるようになります。これは良いデザインだと思うし、ポケットに入る小ささも素敵。これは圧倒的に気に入りましたね!

そしてマイクロフォーサーズカメラの良さは、クオリティの高いレンズの選択肢が豊富なところ。画質も良くて価格もそこそこの17mm f/1.8のレンズ、またはズームが欲しければ12-40mm f/2.8 プロレンズ全力でオススメします。

微妙なところ

画質(センサーのサイズ)は、初代のEM-5から変わっていません。まあ、それでも充分素晴らしいですけどね。他社が出しているより大きいセンサーのカメラと比較すると高価、また動画撮影にはそんなに強くないところでしょうか。

これは買うべき?

EM-5 Mark IIは一般的な写真撮影目的だったら、実現できる事も多くて最高のカメラだと思います。スポーツや野生動物の撮影など、速い動きを捉えるシチュエーション以外は、あらゆるタイプの撮影に適合します。

ただし最大のネックは価格ですね。ソニーのα6000のセンサーサイズは大きく、画質も優れていますが、Mark IIの半額の値段で買えてしまうんですよね。このカメラには手ぶれ補正などの機能が欠けているとはいえ、この経済的な価格は無視できません。オリンパスの他のOM-Dのカメラの中にも良い物がたくさんあって、あと200ドル(約2万4千円)だせば、さらに上位のEM-1が手に入ります。さらに500ドル(約6万円)安いものだと、より小さくてオートフォーカスも優れていて、3軸手ぶれ補正もついたEM-10も存在しています。

E-M5 Mark IIは全体的に素晴らしいですが、やはり高く感じます。E-M5をすでに持っている人は、特に画質が良くなったわけでもないので買い換える理由は見つけづらいでしょう。センサーテクノロジーが飛躍的に良くなるまでハイレゾショットみたいなトリッキーな機能はスルーして、数年じっと待たなきゃいけないのかな…。でも良くなることは良いことです。ちょっとだけE-M5 Mark IIに文句を言ってみましたが、全体的には非常に優れた良いカメラだし、ハイエンドでコンパクト、機能的なマイクロフォーサーズのカメラだったらE-M5 Mark IIはとても良い選択肢だと思います。

Michael Hession - Gizmodo US[原文

(mayumine)