テスラは太陽光発電の最大の課題を解決しつつある

テスラは太陽光発電の最大の課題を解決しつつある 1

再生可能エネルギー普及を後押しできる?

4月30日に発表が予定されているテスラの家庭用バッテリーについて、詳細はまだあまりわかっていません。でもこれまでの情報を総合すると、かなりのインパクトがありそうです。自家発電した電力を貯めておくのに適したバッテリーは、再生可能エネルギーにおける見果てぬ夢でした。そしてこのテスラのバッテリーが、すべてを変えるかもしれないんです。

ニューヨーク・タイムズの記事が、太陽光発電が今直面する課題をまとめています。ハワイではすでに12%の家庭が何らかの形でソーラーエネルギーを使っていて、その普及率は現在米国の州の中では最高となっています。ただ普及が早すぎて、太陽光発電利用者から送電網への電力供給が過剰になっています。送電網は基本的に送電網→家庭という電力の流れを想定して作られているし、多くは老朽化してもいるので、想定と逆の家庭→送電網という流れが生じるのは大きな負担です。他の地域でも太陽発光電が拡大し始めているので、今ハワイで起きていることは今後他にも広がっていきそうです。つまり電力が生産されすぎて、それを納める先がないという状態です。

それを解決するには、電力会社が投資して送電網をアップグレードするというのもひとつの手です。ただ今後、送電網にどれほどのキャパシティが必要になるかは予測しにくく、また投資すればその分は利用料にはね返ってきます。理想的には、太陽光発電の利用者が送電網に電力を渡すのではなく、自らの家庭にバッテリーを設置して電力を蓄えるほうがよいのです。そのバッテリーに貯める電力は、太陽光発電によるものだけではなく、風力でも、水力でも、またはルームランナーでも、要は何に由来するものでもいいんです。

ここでテスラの登場です。彼らは完璧な電気自動車を作ろうと試みる中で、バッテリーに関しては市場において最高のものを作り上げました。そして今彼らは、それを家庭向けに転用しようとしているようです。テスラのバッテリーは、すでに米国で住宅とウォルマートのような商業施設、合わせて400ヵ所ほどに設置されています。彼らのバッテリーは今後も技術的に改善されていくはずですが、市場にもっともインパクトを与えるのは、価格です。

テスラや日産といった企業の電気自動車開発によって、この種のバッテリーのキロワット時あたりのコストは過去の予測を上回るペースで低下しています。現在、テスラのバッテリーの価格はキロワット時あたり300ドル(約3万6000円)で、それはかつて2020年に達成すると予測された水準でした。バッテリー価格が下がるということは、太陽光発電などの導入コストが下がるということで、つまり再生可能エネルギーの普及につながります

より安価で使いやすいバッテリーがあれば、電力利用者にとって既存の電力会社を使う必要が薄れる可能性があります。電力をあまり使わない時間帯に貯められるだけておいて、必要なときに使い、さらに余剰が出れば近くの人に売ることもできます。ここ数年米国では、従来ほぼ不可欠だったケーブルTV契約を止めてネットで動画を見ればよしとする「コードカッティング」という行為が、ひとつのトレンドとして捉えられています。電力に関しても同じように、従来の電力会社は利用者から切り離されていくのかもしれません。

さらに興味深いのは、テスラが発電所規模のバッテリーも発表すると言っていることです。これについては家庭用以上に詳細がわかっていません。もしそのバッテリーが電力会社の送電網の負担を軽減するために使えるのであれば、それもまた画期的です。つまりテスラは、電力利用者、電力会社それぞれに対して今ある課題への解決策を示そうとしているようです。

Alissa Walker - Gizmodo US[原文

(miho)