LG G4を1週間使った感想: 残しておくべき過去もある

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進化は地道なもの。悪いものは捨て、壊れたものは直し、その繰り返しでヒトは泥々の原始細胞から高度知的生命体になってきました。完璧を極めるのには時間がかかるのです。LG G4はワクテカ要素ゼロですが、完成度ではこれまで出たAndroidでひょっとするとベスト。進化の積み重ねを感じる携帯です。

米GizmodoのDarren Orf記者のレビューをご覧あれ。

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LG G4って何?

5.5インチ。G4はLG製Androidスマホのフラグシップモデルの4代目。米国では大手キャリア全社で発売です(日本はauかな?)。新しく出たHTC One M9、Galaxy S6と並んで、今年のベストなAndroidスマートフォンの有力候補で、液晶からカメラからプロセッサまでなにもかもがトップラインです。しかも他社のフラグシップモデルと違って、バッテリーは取り外し可能、SDカードスロットもアリのままです。

ここに注目

G4は2015年の今どきにしてはかなり異色な携帯です。デザインとか性能とかハードが異色なんじゃなくて(それも進化してますが)、多くの携帯が切り捨ててしまったものを未だに残してるところが異色なんです。あのGalaxyですらS6から背面が取り外せないバッテリー交換不能型になってますからね。あれが発表になったときにはサムスン一筋のファンにも「なんでスマホの美容のために実用性が犠牲になるんだよ」と動揺が走りました。ですが、G4はそういう古いところを残しながら、実用性とカーヴの美しさの中間の落としどころを模索した形跡が見られるのです。

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デザイン

ここ2年間、LGスマホのデザインといえば2つのことで有名です。変な電源ボタンと曲がった画面。LGはなぜか横じゃなく後ろに電源ボタンと音量+/- ボタンがついてんですね。去年G3持ったときにはすぐウンザリして、次のG Flex 2も2分でイラッときました。が、擁護するわけじゃないですが、これは2回目以降は慣れてなんとも思わなくなります。

頭で考えると謎なんですが、手にとってみると、「あーなるほどな」ってわかるというか。ボタンが横についてないので、側面はヘッドフォン差込口、microUSBポート、IRセンサーだけ。G4は丸くてスリムで、手に持つと信じられないぐらい馴染むんです。

馴染むといえばLGイズムの2番め、曲面ディスプレイもそう。2014年のG Flexと今年CESでデビューした後継機種 でLGは、曲面ディスプレイのスマホへの応用のあり方を追求してきました。G Flex 2 で正しい方向に飛躍したことで自信をつけ、G4にも導入したんでしょうね。と言っても、G4はFlexほどカーヴは強調されてなくて、控えめです。写真を見ても実物を見ても言われないとわからないぐらい。

なんですが、これが手にもつと違いがモロにわかるんです。

なにしろG4は持ち心地最高です。「持ち心地最高」なんて書くとスマホのレビューの常套句だけど、いやマジで最高。超快適。まあ、快適という点を除けばフラットな画面と同じですけどね。G Flex 2と違って、下向きに置けばフラットだし、曲がったりもしません(曲げちゃダメだよ!)。でもほんのちょっとカーヴ入れるだけでこんなに違うものなんですね。

ただいかんせんG4は見た目がね…。ホンダのシビックみたいなもので、最初はカッコよくでも、新車の匂いが消える頃には高速道路を走る似たような車の行列に紛れてしまう、プラスチックっぽい携帯なのです。LGもスタイリッシュな黒革やタン革(これは予想以上に良かった)をはじめ、背面カバーを種類豊富に用意してイメージアップに懸命ですけど、それでもサムスンはもとより、HTCのユニボディデザインと比べてもまだまだ。デザイン重視の人はほかを探した方が良さそうです。

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使ってみた感想

先週ずっとLG G4使ったんですが、ふつうにスゴかったです。言ってること矛盾してますが、そうとしか言いようがないんですよね。G4はほかのスマホよりずば抜けてスゴいところもなく、かと言って悪いところもなく、単にベリーグッドな携帯。カメラ、液晶、プロセッサ、電池保つ―全科目でAを狙ってほぼ達成してるというか。つまらない携帯って意味じゃないですよ。今まで糞フォン騙し騙し使ってた人は乗り換えて万々歳でしょう。

ソフトはAndroid 5.1で、LG独自のカスタムスキン採用。 Android標準デザインじゃないけど、それに近いです。ドロップダウン式の通知メニューとロック画面はちょっと違うけど、LGは独自開発のアプリ(Smart BulletinとかSmart Noticeのウィジェットなど)も全部Androidの新しいマテリアルデザインに溶け込むようデザインしてるんですね。これには感心しました。

性能的には丸1週間使ってなんの問題もありませんでした。G Flex 2のSnapdragon 810より、G4のSnapdragon 808の方がカクカクすることは少なかったです。G4の HD LCD画面も鮮明で信じられないほどいいし、気になる電池保ちも最高です。

1日か2日、FacebookとMessengerアプリがバッテリー食いまくる異常もありましたが、いったん削除して再インストールしたら直りました。朝7時に電源から抜くと、普通からヘビーユースぐらいの使い方をしても、次の日の朝10時までもちます。G Flex 2も良かったけど、G4も同じ。LGはバッテリーもちいいです。

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LGはバッテリーセーブ機能もいくつか実装してます。残量15%を切ると省電モードに自動的に切り替わったり。しかしまあ、朝から晩まで電池寿命を伸ばすためのヒントが表示されるLG製ウィジェット「Smart Notice」は、FacebookとMessengerがバッテリー食いまくった時にはあんまり参考になりませんでしたね。

謎な機能といえば、ホーム画面の1パネルをドーンと占領してる「Smart Bulletin」もそうです。これはひと昔前のGalaxy端末でいう「My Magazine 」、HTC Oneでいう「Blinkfeed」で、G Health、カレンダ、楽曲制御、IRリモコンなどに素早くアクセスできるランチャーアプリです。LG製では一番大きなAndroidソフトのはずなのですが、これが…間に合うレベルなんですね。カレンダーアプリの確認で1回か2回使って、もう無効にしてしまいました。いくら便利でも、画面の領域をあれだけ占領する意味がわからない。

LGの他のソフトはちょっとパッとしないけど、お飾りのギミックでもブロートウェアでもなく、追加するかどうかは全部自分で選べるので、使う人には便利。害はないです。

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そんなG4ですが、カメラはかなりいいです。これは先日LG G4とiPhone 6、Galaxy S6、昨年モデルG3のカメラ性能を比べた記事で使った写真。

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ご覧のように自然光ではG4の独壇場です。明るいところで撮って、これに勝てるAndroidスマホはないんじゃないかと。暗所ではiPhone 6より少し落ちてしまいますが、色再生で。それでも結構いい線いってます。正面向きの自撮りカメラは今ひとつですが(肌の色が正確に出ない)、問題といってもそれぐらいで。

G4は撮ること自体が楽しいんです。こんなに使いやすい手動モードのカメラは今まで見たことないです。ISOもホワイトバランスもシャッタースピードもフォーカスも全部調整できるし、手が動いても光学手ブレ補正機能「OIS 2.0」があるから安心。

開放F値1.8の浅い被写界深度の背景ボケもできるし、撮影後にソフトウェアで編集したいならJPEG+RAWでも撮れます。手動が不安ならオート、シンプルの各モードに切り替えれば、ソフトで全部調整できます。

いや~このカメラはいいぞ~。

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好きなところ

電池保ち。サムスン、HTC、モトローラ、アップルが軒並みバッテリーの寿命・性能確保で苦労してる中、LGは結果を出してます。徹夜で遊んで朝帰りしてもまだもつスマホ。LG G4は2015年のフラグシップスマホのバーを一気に押上げました。

カメラ。ほかのAndroidも全部これぐらいになるべき。

取り外せる背面。僕はそんなに重視しないけど、重視する人の気持ちはわかる。古風と呼ばれても残してる上位機種はもう、このLG G4ぐらいです。最後の砦。

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いまいちなところ

背面外せるってことは、デザインいまいちってことでもあります。G4はプレーンです。デザインで遊ぶと言っても、カラーや革のバックパネルに変えて遊ぶぐらい。

スピーカーがへぼい。僕は朝から晩まで音楽流してるのでスマホのスピーカーには拘るタイプ。G4のスピーカーは音はデカいんだけど、良くないです。 しかもなぜかスピーカーまでもがLG得意の背面についてる! ちょっとちょっと!

G4使う前にGalaxy S6 Edgeを1ヶ月近く使ってたせいか、ボーッと何も考えないでG4をサムスンのワイヤレス充電器に置いてしまったことがありました。S6はQiとPMAのワイヤレス充電規格に両方とも対応してますが、G4はどっちも対応してません。慌ててmicroUSB充電器のコード探しました。

あとS6にあってG4にないものといえば指紋センサーです。S6のは感度よくて正確で最高でしたが、G4はついてません。ワイヤレス充電器ほど重要じゃないけど、画面タップで解除するG4の「ノックコード」よりは指紋の方が何倍もいいと思いますよ。

G4が無視した科目はほかにもあります。たとえば防水。G4はまったくダメ。シャワー浴びながらデジタル漫画読んだりもムリ。

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買い?

ピクセルがみっしり詰まった画面をとってもプロセッサをとっても、LG G4は手堅いAndroidフォンです。買って後悔なし。カメラ最高、バッテリーも最高のスマホを探してる人にとってG4は、まさに待ち望んでいた本命でしょう。

まあ、この原稿の「公開」ボタンを押したら、またすぐGalaxy S6に戻っちゃうと思いますけどね。Galaxy S6はこれからAndroidスマホが向かう途上にあるイメージ。途中まだ凸凹もありますが、未来を向いている。LG G4は過去の死にゆく種族の完成形です。手にしたら感涙むせび泣くスマホです、2013年に買ってたらね(大好きな携帯なんだけど、僕の仕事は未来が相手なので)。

とは言え、「今どきのチャラチャラしたAndroidなんかクソ食らえ」、「未来なんか俺は一歩も進まなくていい」という人にはG4ですよ、G4。手にすると、残しておくべき過去もあることが実感できるはず。

LG G4スペック

OS: Android 5.1(Lollipop)+ LGのUX 4.0

CPU: Snapdragon 808プロセッサ

画面: 5.5インチ 2,560x1,440 IPS LCD (538 PPI)

RAM: 3GB

ストレージ: 32GB + MicroSD 最大2TB

カメラ: 背面は1,600万画素 / フロントは800万画素

バッテリー: 3,000 mAh

サイズ: 5.86 x 3.00 x 0.39インチ(15 x 7.6 x 1 cm)

重量: 5.47オンス(155g)

価格&発売時期: 未定(たぶん契約縛りで200ドル、約2万4000円。6月発売)

*注: 使用機種は米国外市場が対象の国際版プレビューユニットです。LTE速度はテストできませんでしたが、米国版はLTE対応で出る可能性大。

Darren Orf - Gizmodo US[原文

(satomi)