インスタレーションじゃない。ここは一体何のお店でしょう?

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あふれ出す素材感。

この部屋が何の用途に使われる空間かお分かりでしょうか。普通に考えればインスタレーションの一種かと思うんですが、ここ飲食店なんです。

場所は東京、吉祥寺駅前。ちょっとカオスな感じが心地よいハモニカ横丁にある焼き鳥屋さんの客席なんです。

しかも驚きなのは、これを設計したのは世界的に有名な建築家隈研吾氏。日本では歌舞伎座や根津美術館、ONE表参道などが有名どころでしょうか。そんな隈氏が設計した焼き鳥屋さん「てっちゃん」。なぜこのようなデザインになったかが気になるところでしょう。

それは、このカラフルなモジャモジャ自体にその要因があるんです。このカラフルなモジャモジャ、実は「LANケーブル」。このLANケーブルを用意したのは株式会社ナカダイという会社です。同社は廃棄物処理業者としてマテリアルリサイクルを行うかたわら、「モノ:ファクトリー」を運営し、企業やクリエイターと共に、デザインイベントやワークショップを行うなどの活動を行っています。

今回隈氏は、その株式会社ナカダイが販売したり展示している、リサイクル資材の「LANケーブル」や「アクリルだんご」を用いてこの内装のデザインを行っているんです。この素材を徹底して内装材に用いることで、形態が消え、素材と色のみが残った不思議な空間に仕上がったんだとか。

冒頭の写真は2階の席で、カラフルなLANケーブルをメインに仕上げられています。

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それに対して1階は、アクリルだんごをふんだんに使ったこれまた不思議な空間に。どちらかといえばこちらの方が焼き鳥屋さん感はありますが、アクリルの透明感や丸いころっとした感じはなかなかお目にかかることができないデザインではないでしょうか。

つまりは株式会社ナカダイの素材を用いることが、結果としてこのような空間を生んだわけなんですね。もし興味があるならば吉祥寺に実際にあるお店ですから、試しに行ってみてもいいかもしれません。ハモニカ横丁のカオス感と相まって見応えのあるのは間違いないでしょう。

source: 隈研吾建築都市設計事務所

(小山和之)