神経科学者はまだあのドレスでもめてた

2015.05.19 13:00
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あのドレスが帰ってきましたよ。なんか、やっと論文の査読(ピアレビュー)が出回る段階まできたのですが、いくら調べても原因がよくわからなくて脳の学者も頭をポリポリ掻いてるようです。

実物の色が青黒なことは最初からわかっていたんですが、問題は写真の見え方ですよね。あれを脳がどう処理して青黒に見える派と白金に見える派に分かれるのか? なぜ見てる途中で色が変わるのか? 脳の処理が原因という見方が多い中、その具体的な仕組みについては最終結論に至っていないのです。

結論どころか、「Current Biology」が先日掲載した3つの最新研究によれば、科学的には説明がつかないんだそうですよ?

米独共同チームの研究では、見え方がファジーになる原因はあの青色にあることがわかりました。独ギーセン大学の研究では、被検者にドレスを見せて、どの色に見えるかカラーホイール(色相環。日中見える色)で示してもらいました。米ウェルズリー大とMITの研究では、1,400人の被験者にどっち派か尋ねてみました。いずれも、奇妙極まりないドレスという見解では一致しているのです。

3つめの研究で神経科学者たちは、青黒派と白金派の個体差が生じる条件をいろいろ想定して1,400人からデータを集めてみました(pdfはここ。いやあ…あのドレスがえらいことに…)。すると以下のような傾向があることがわかりました。

年齢差ではないのか?→年齢が上になるほど白金派。
文化差ではないのか?→不明。
性差ではないのか? →女性は白金派が多め。

しかし、なぜそうなるのかという原因については、解なしなのです。

ひとつ有力なのは、「illumination-discounting(明るさを引く補正)」が絡んでるんじゃないか、という理論です。(青っぽい)日光で過ごす時間が長いか(オレンジっぽい)屋内の照明で過ごす時間が長いかで、ドレスの色の見え方が違ってくる、というもの。論文でもこう言及されています。

illumination-discounting(明るさを引く補正)が原因という理論が正しければ、人はそれぞれ自分が置かれた周辺環境に応じて明るさが決まり前提条件が異なる…つまり「ひばり」(朝型人間のクロノタイプ)はドレスの青を差し引くので白金に見えるバイアスがかかり、「ふくろう」(夜型人間のクロノタイプ)はドレスのオレンジを差し引くので青黒に見えるバイアスがかかるということになる。


ところが、被験者に就寝パターンを尋ねてみても、理論を裏付ける決定的なデータは得られなかったんです。もっと長い目で就寝パターンを調べたら、あるいは成否判定ができるのかもしれませんが。

いやあ…脳神経の学者さんでもわからないことって、まだあるんですね。ドイツの論文は冒頭の要約でいきなりTumblrの初出写真にリンクされてて、ちょっと笑いました。


Sarah Zhang - Gizmodo US[原文
(satomi)
 

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