ZenFone 2はダメな子? 買う前に覚悟しておくべき辛口ハンズオンレビュー

2015.05.25 19:00
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絶賛登場とは裏腹に……。

高額の通信料金節約というメリットを前面に打ち出して、いま日本で着々と利用者数を伸ばしてきているMVNO格安SIM。その普及とともに盛り上がってきているのが、SIMロックフリーモデルのスマートフォンですよね。格安スマホともよばれながら、注目を集めるSIMフリースマートフォンですけど、やっぱり大手キャリアのモデルよりも見劣りする、安かろう、悪かろうなレベルのものが多い?

いえいえ、そんな常識を覆す、低価格ながら高性能なモデルとして登場してきたのが、ASUS「ZenFone 2」です。すでに日本国内では、MVNO各社との格安セット契約などでも販売が開始しており、気になっているというユーザーも少なくないのでは? これぞ、2015年前半の格安スマホの大本命との高い前評判まで獲得してきました!

米国内では5月半ばより発売されたZenFone 2。やはり日本市場と同様に、携帯電話キャリアとの年契約を必要としない、SIMロックフリーのスマートフォンとして、コストパフォーマンスに優れたモデルという位置づけから注目されているようですよ。そして、米Gizmodo編集部でも、早速入手してハンズオンレビューを公開してきました。

きっと前評判通りのすばらしい出来栄えに〜。そう思いきや、なななんと、レビューを担当したDarren Orf記者の正直な感想は、もうガッカリしてしまったという残念な内容ばかりになってしまいましたね。えっ、どうして? 米国市場モデルのハンズオンレビューとなっているため、やや日本国内で販売されているモデルとは異なっており、そのまま当てはまらないポイントもあるかもしれません。でも、購入前に格安スマホの現実を冷静にみつめ直すうえでは、意外と参考になる指摘も多いかもよ。

***


ASUSのZenFone 2を一言で表現するとしましょう。歯に衣着せぬ指摘とはなってしまいますが、ZenFone 2はスマートフォン業界のトロイの木馬でしかないでしょうね。外見は、とっても立派な印象。おまけに安い。でも、いざ使ってみると、もう第一印象の良いところなんて、すべて吹き飛んでしまう、まったく異なる使用感でしかありませんよ……。

まずはすばらしい外から眺める出来栄えから。いわゆる最近のファブレットとよばれる大型のスマートフォンに位置づけられる5.5インチのフルHDディスプレイは好印象です。おまけに、僕が使用したモデルは、64GBの内蔵ストレージスペースに4GBものRAM、そして、2.3 GHzのインテル製クアッドコアプロセッサーを搭載した、まさにスペック的には十分と思える仕様を備えていますよ。

このすべてを、いま米国内ではAmazon.comから300ドル足らずで購入できてしまいます。えっ、本当にこの値段でいいの? 携帯電話キャリアとの年契約なしに、これほどハイスペックなモデルのスマートフォンを、200ドルから300ドルの価格帯で購入できるとは、驚き以外のなにものでもないですよね〜。

「Nexus 5」「OnePlus One」という、いま米国市場で人気を博しているSIMロックフリーのスマートフォンのことを知っていますか? ZenFone 2は、このカテゴリーに位置づけられる最新モデルとなりますよ。つまり、安かろう、悪かろうではない、低価格なのに優れた性能を誇るモデルへの仲間入りを果たすというわけですね。

ここまでが一般的なZenFone 2の前評判のおさらいです。これが本当ならば、みんなわざわざ携帯電話キャリアとの高い年契約を結んでまで、最新のスマートフォンを購入したいとは思わなくなることでしょう。ところが、いざ僕がZenFone 2を使い始めてみた正直な感想は、ちょっと発売前の期待ばかりが高すぎたモデルではなかったかなというものですね。


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ZenFone 2のボディは、高級感あふれるメタリックデザインが採用されています。一瞬、そのデザインはLG「G3」と瓜二つ? そんな印象すら漂わせる、渋い加工のメタルデザインが特徴的な仕上がりとなっていますよ。音量調節ボタンが背面に配置されているところまで、LG製のスマートフォンのスタンダードデザインをまねているようにも思えますね。


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そして、極めつけはZenFone 2の専用ケースとして用意された「View FlipCover Deluxe」でしょう。ケースを装着したままでも、サークルデザインのウィンドウから各種コントロールが可能な純正フリップカバーなんですけど……。あれれ、これって、まさにLGのスマートフォン向けに用意された純正フリップカバーの「Smart Circle」と同じではありませんか!


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ZenFone 2でセールスポイントとなりそうな良いところの紹介はここまでです。この後は、実際に使ってみてわかった辛口批評のハンズオンレビューのオンパレードといきましょう。

デザインやハードウェアスペックの面では、好評価も目立つZenFone 2ではありますけど、その仕様で気になったのは電源ボタンの位置ですね。iPhone 5やiPhone 5sの時代までスタンダードだった本体上部に置かれているのですが、これは失敗でしょう〜。iPhoneだって、大型化とともに、iPhone 6からは側面へ電源ボタンを移動させたんです。ZenFone 2のような5.5インチサイズのファブレットで、依然としてトップに電源ボタンを配置するのは無理がありますよね。手が届きにくくて使いにくいったらありゃしませんから。

まぁ、ハードウェア的には、それほどほかに不満なポイントはなかったので合格点といたしましょう。でも、ソフトウェア面では完全に失格。メニューやアプリアイコンをタッチしたときの反応こそスピーディーではあります。ただし、ZenFone 2が採用している「ZenUI」なるユーザーインターフェースは、まったく好きになれませんでしたね。どうしてわざわざゴツいアイコンや、ゴチャゴチャと複雑な設定で埋め尽くされたドロップダウンの通知メニューを使わなければならないのでしょうか? グーグルが目指したマテリアルデザインを、きっとASUSは誤って解釈してしまったんでしょうね。

もちろん、デフォルトのZenUIが気に入らないという人には、Google Playのアプリストアに行って、もっと自分のお気に入りのユーザーインターフェースをダウンロードして自由にカスタマイズするという選択肢だって残されています。ちなみに僕は「Nova Launcher」をインストールして、速攻でZenUIとはオサラバしておきましたよ。

ただ、このZenUIで感じた違和感は一例に過ぎないんです。素のままのAndroid 5.0 Lollipopは、グンと使いやすくて、AndroidのすばらしいバージョンのOSのはず。それなのに、どうしてこんなにも不要なものばかりZenFone 2には詰め込まれているのか? そう感じないユーザーなんて存在しないのでは?

僕のこのインプレッションが間違っていないことを証明してみせましょう。まず、ZenFone 2には、ASUSが独自に開発した「ZenCircle」や「MyASUS」などのアプリがたくさん入っています。それだけならば我慢できたかもしれません。でも、さらに、サードパーティーから提供された「Amazon Kindle」「Jawbone’s Up」「TripAdvisor」などなど、使いもしないアプリが、なななんと約70種類デフォルトプリインストールされてしまっているんですよ! それでいて、僕が絶対になしでは過ごせない「Spotify」は入っていないので、これを追加でダウンロード。SIMロックフリーのスマートフォンって、こんなにも勝手に要らないアプリをつけて販売しないといけないものなのかな……。

最後に、使っているうちにハードウェア面で不合格なところがみつかったので紹介しておきましょう。ZenFone 2のカメラの出来栄えは、まったくダメですね。1300万画素のカメラが搭載されているということで期待していたのに、明るさが足りない撮影場所では、粗い写真しか撮れません。もっと明るいところへ移動しても、どうやらフォーカスに問題があるみたい。被写体に近づくとぼやけた感じの写真しか撮影できないケースが多かったですね。せっかく細かく画質をマニュアルで調整できる優れたカメラアプリが用意されているのに、あまりカメラには期待できない残念なスマートフォンという評価に終わってしまいましたよ。

もちろん、これは僕のファーストインプレッションを正直にまとめたハンズオンレビューであり、これから詳細にベンチマークなども取りながら、さらなる評価を進めていきたいとは考えています。でも、いまの率直な感想は、これまで使っていたSIMロックフリーの中華スマートフォンのOnePlus Oneに戻して、早くもZenFone 2はお蔵入りさせておこうかな。ちょっと残念な結果です。

***


いかがでしたか? 実はASUSは、昨年より販売してきた「ZenFone 5」が、格安スマートフォンの売行きとして好調だったため、さらにスペックアップしたZenFone 2に高い期待を抱かせるのは自然な流れでもありました。それなのに、この評価はないんじゃ? 一連のDarren Orf記者のレビュー内容は、にわかには信じ難いものも多いですよね。ただし、カタログ的な仕様データだけではわからない、素のままの使用感が如実に伝えられているという意味では、購入前に参考にしておきたいポイントばかりでもあるでしょうか。

格安スマホに高すぎる期待を抱かないようにね〜。そんな警告を胸に刻んでおいてから、覚悟を決めて購入すると、逆に予想外に良いポイントが多くて満足できたりするのかもしれません。それにしても、あまりにLGのスマートフォンと酷似していたら、あとで人気が出てきたころに不意打ちで訴えられてしまったりはしないのかな? いろんな意味で気になってしまうモデルではありますよね。


Darren Orf - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)

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