自己清掃する海を作れ。20歳が発明した巨大なプラごみホイホイが対馬にくる!

2015.06.05 20:00
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太平洋のプラごみを10年で半分に減らす人類史上最も野心的な海掃除が、オランダの20歳青年の音頭で始まりました!

青年の名はBoyan Slat君。

海掃除と言っても、別にゴミ攫って世界中の海を回るわけじゃないですよ。「勝手にきれいになる海」をつくるんです。

詳しい説明の前にごみの量を整理しておきますと…世界の海には1年にざっと推定800万トンものプラスチックごみが投棄されています。これはサイエンス誌が今年発表した2010年の統計です。世界で初めて海洋ゴミを数値化したものとして注目を集めました。それまでの予想を遥かに上回るのも衝撃ですが、ごみポイ上位20ヶ国のうち12ヶ国までがアジアというのも日本にとっては衝撃度高いですよね。筆頭のごみポイ国はお隣・中国です。

そこでSlat君が考案したのは、世界中の海流が交わる要所(旋回と呼ぶ)に巨大なバリアを浮かべてゴミを一網打尽にするプランです。放っといても流れ流されてゴミの方から拾われにくるような仕掛けですね。これを発明し、デルフト工科大で最優秀技術デザイン賞をもらいました。

ついつい「一網打尽」と書きましたが、網は使いません。生き物が網に絡まって身動きとれなくなっちゃうので。代わりにブームという道具を海に浮かべ、そこにV字型のバッファーをつなぎ留めて、ごみ来い来い♪とやるんです、はい。

Slat君はさっそく太平洋ゴミベルト撲滅を目指して非営利団体「Ocean Cleanup」を設立しました。そこのサイトによると、海流はこのブームのずっと下を流れていくので、魚は安全に通り抜けられるんだそうな。プカプカ浮くプラスチックごみは水面のバリアのところに貯まるので簡単に拾って処分できる、ということです。


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先月この海掃除システムをいよいよ2016年に仕掛ける計画が発表されました。場所はなんと長崎県と韓国の間にある対馬です。そう、海流が出会う場所と聞いて、社会で習ったリマン海流と対馬海流が脳内に蘇ったみなさんは大正解!玄界灘の辺りは魚も集まるけど、ゴミもよく集るんでしょね。ここに全長2kmのごみホイホイを仕掛けます。 海に浮かぶ仕掛けとしては「史上最長」です。

嵐にも耐えるプラごみホイホイ、計画通り進めば対馬を皮切りに世界中に仕掛ける予定ですよ。

その前に何はさておき分布図づくりということで、「Ocean Cleanup」は今年8月、船50隻を横1列に並べてハワイとカリフォルニアの間の海域3,500,000km²の範囲をガーーーッと走査し、太平洋プラごみ分布の高解像度MAPを世界で初めてつくる計画です。やることがいちいちデカいぞ、20歳。


今や海洋学者、海事エンジニア、翻訳者、デザイナーなど総勢100人のチームを率いるSlat君。彼のもとには対馬市長、ロサンゼルス市長など、計画実現の鍵を握る政治家からも応援が寄せられています。

「Ocean Cleanup」は昨年、クラウドファンディングで160ヶ国に住む38,000人から200万ドル(約2億5000万円)を超える出資を集めて誕生したみんなのプロジェクトです。いやほんとこれ、うまくいくといいですね!



TEDxDelft「海の自浄作用を進化させる方法」by ボイヤン・スラット via 日本語TEDブログ


Concept art credits: The Ocean Cleanup

Bryan Lufkin - Gizmodo US[原文
(satomi)
 

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