ミツバチは麻薬捜査に利用できるのか?

ミツバチは麻薬捜査に利用できるのか? 1

麻薬探知犬に取って代わる日がくる?

薬物に関する法律は目まぐるしく変わります。変更されるたびに、嗅ぎわけるべき薬物のにおいを麻薬探知犬に学習させるのは大変な労力がかかります。そこで警察は、薬物の発見に昆虫を使おうとしているそうです。

今回PLoS Oneに掲載された論文には、昆虫を麻薬捜査に役立てる最初の試みについて説明されています。研究者たちはハマキガマダガスカルゴキブリセイヨウミツバチの3種類の昆虫を使って、物質のにおいを嗅ぎ分ける能力をテストしました。結果として勝利したのはミツバチで、彼らの触覚は素晴らしいバイオセンサーであると研究者たちは結論づけました。

実験はドイツのヘッセン州にあるPolice Laboratory for Criminal Technologyで行なわれました。蜂を使う理由は、大麻の合法化に警察犬が対応できないことだけではないそうです。研究者は他にも蜂の有用性があると説明しています。

レクリエーション目的の大麻利用はアメリカの2つの州で合法化され、他の州でも刑罰の対象外になっています。そのため、麻薬探知犬による識別だけでは、令状なしに強制捜査する十分な証拠ではなくなりました。探知犬に大麻を無視するように調教しなおすのは困難なうえ、時間もかかります。昆虫の触覚は、現時点では最も薬物の探知に敏感なバイオセンサーであるため、犬のかわりに昆虫をトレーニングすることが提案されてきました。昆虫は生産もトレーニングも安価で、特定の薬物に反応するように素早く訓練することができます。薬物を検知して学ぶ能力は昆虫の種類によってさまざまです。そのため、薬物探知に最適な種類を選別するためのスクリーニングプロトコルが不可欠となります。

また論文では、探知犬は再調教が困難なだけでなく人間のパートナーとの絆が強すぎると指摘しています。つまり、パートナーの仕草や合図に反応してしまう可能性があり、探知にバイアスがかかってしまうということです。昆虫であれば、人間の仕草に反応する可能性は圧倒的に低くなります。

しかも、蜂はさまざまな種類の薬物のにおいを探知できるそうです。トレーニングでは、ヘロインのような特定のにおいを嗅がせると同時に若干の電気ショックを与え、そのにおいを避けるように調教します。実際の現場での探知には、行動をモニターするために40匹の蜂を箱に入れ、近くのにおいと反対の方向に蜂が逃げるかどうかを調べます。

論文の最後では、これから麻薬探知ミツバチの可能性をより深く研究する必要があると結論づけています。

しかし、ミツバチの大幅な減少が世界的なニュースになる昨今、こういった方法に利用することには批判がでる可能性もあります。

科学ジャーナリストのEvan Oransky氏はツイッターで次のように嘆いています。

「ミツバチを守るには、警察の麻薬探知機にする他ないらしい。」

探知に使われていては、せっかく生産されても肝心の蜜の採取ができないし、難しいところですね。

image: Alex Wild

source: PLoS One

Gizmodo US - Annalee Newitz[原文

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