未来ではロボットペットが主流になる?

未来ではロボットペットが主流になる? 1

都市には都市の、未来には未来のペット事情。

ペットを健康で幸せに育てるには、それなりのリソースとスペースが必要になります。が、未来の都市部で、この条件を満たすのは難しくなるのではという話があります。ペットを飼える環境というものが、一部の裕福な人間だけの特権になるかもしれないのでは、と。そこで、オーストラリアの研究員Jean-Loup Rault氏が提唱するのが、ロボットペット、VRペットの存在です。

Frontiers in Veterinary Science」という研究レポートにて、Rault氏は未来のペット事情を予想。増え続ける都市部の人口95億、こんなに大勢の人間すべてにスペースを確保するのは難しいとなれば、そりゃペットのスペースなんてありません。未来のペット事情解決策となるのは、やはりテクノロジーの力。メンテナンスがあまり大変ではない、ロボット&VRペットが登場するというのはRault氏の予想です。

ロボットペットは、家族の一員になれる。しかし…。

幸運なことに、人間は無生物に対しても感情を持つことができる生き物です。車や時計を可愛がり、話しかけたりする人も珍しくないですから。だとすれば、ロボットペット参入には大きな障害はありません。研究では、数年一緒に過ごせば、人間はロボットだろうがVRだろうが、従来のペットと同じく愛情を持って接するようになると説いています。特に、子どもはそれが顕著だといいますが、確かにそうでしょうね。ぬいぐるみや人形遊びが得意な子どもならば、ロボットペットと通常のペットに大きな差は感じないことでしょう。

もちろん、大人だってロボットペットとうまくやっていけますよ。ソニーのAiboがいい例です。修理サポートが完全終了したAibo。動かなくなってしまったAiboのお葬式をやる人もいるくらいですから、ロボットペットはまさに家族の一員になったのです。一方で、大人もロボットペットに愛着を持つことができるが、それでも本物のペットと比べ多少の偏見はあるという研究も発表されています。2008年の研究では、対象となった大学生たちが、フレンドリーさや愛情の深さという評価基準において、本物の犬の方により高い評価をくだしました。

Rault氏もそれは認めており、本物に比べ、ロボット&VRペットに対して人が感じる責任感は低下するとしています。たまごっちを考えてみると確かに…。多くの場合、彼らはネグレクトの末に短い一生をおくっています。また、わざと面倒をサボり、どういう結果になるのか見てみたいという人もいるのだとか。

見ること、触れることが関係構築において大きな鍵

たまごっちのデザイナーは、オーナー(ユーザー)が、物理的な存在なくしてもバーチャルのペットと関係を築くことができると考えていました。しかし、どうやら真の絆をもつには物理的な体は必要なようです。今年始めに発表された研究によれば、子どもは犬のぬいぐるみとは友情を築けるが、テレビゲームの中の犬はエンターテイメントとしてしか見ることができないといいます。

科学的に見ても、ペットを見ること、触れることが関係構築において大きな鍵となるのは確か。1980年代後半の研究では、犬を飼うという行動が、患者の血圧を下げるのに役立ったというものがあります。より最近の研究でも、犬の瞳を見つけることでオキシトシン(脳下垂体後葉ホルモンの一種)の値が、人間、犬ともに上昇したことがわかりました。見る、触ることを通じて、科学的に体に変化が起きているのです。

現在、アメリカの家庭では37%が犬を、30%が猫を飼っています。どちらも飼っている家庭もあるので、ざっと考えて全体の半分でペットを飼っていると考えられます。また、アジアでも経済の発達につれて、ペットを飼う家が増えてきています。ヨーロッパでは、相変わらず安定のペット人気。だからこそ、Rault氏は論文の中で言うのです。「2050年、人口95億、この半分の人々がペットを飼っていると想像するのは難しい」と。

結局はスペースの問題?

一方で、Rault氏の予想に反する例、動きもあるわけです。面白いのは現在のブラジル。リオデジャネイロのような大都市に、全人口の85パーセントが集中しているブラジルは、小型犬が大変多い国。2000万匹もいると言われています。ヒト1人に対する小型犬の数は、なんと世界一。リサーチ機関Euromonitorは、これをブラジルで増加する中流階級の人々(特に若い都会派の人々)が、とにかく無類の犬好きだからと説明しています。また、未来の都市のあり方として、より歩行者向きのスタイルや、緑を多く取り入れた都市計画が多くあがってきています。これは、都会のペット飼い主には嬉しい動きですよね。

さて、犬や猫は本当に過去のものとなっていくのでしょうか? Rault氏の予想が当たり、未来の都市でペットと言えば、ロボットペットのことになるのでしょうか? 近い将来に彼の予想が当たる気はしませんが、Rault氏の言い分に納得がいくところもあります。なんせ、都市に人口が集中していけば、スペースというものが今では考えもつかないくらい高価なものになるのでしょうから。

本物のペット>ロボットペット>画面の中のペット、この愛着の流れとスペースの問題がどう折り合いを着けられるか、それが未来のペット事情の焦点となりそうです。

image: Kleuske via Wikimedia Commons

Kiona Smith-Strickland - Gizmodo US[原文

(そうこ)