3D映画で気持ち悪くなっちゃうのは、実はただの思い込みだった

3D映画で気持ち悪くなっちゃうのは、実はただの思い込みだった 1

3D映画でオエーとなっちゃうあなた。ただの思い込みみたいですよ。

最近の3D映画のリアル感、すごいですよね。両目に違う映像を見せる3Dメガネは立体3D技術を使って、スクリーンの平らな画像ではなく本物のシーンを見ているように脳を騙しているんです。現在は、おうちでも同じ3D体験ができる3Dテレビも登場してきました。

とは言うものの、3Dは当初想定されたより人気爆発とはならなかったんです。なぜかというと、多くの人は3D映画を観ると頭が痛くなったり、気持ちが悪くなったりしてしまうのです。科学者のみなさんでも、その原因は完全にはわからないようですが、作りの悪い3D映画は気持ち悪くなっちゃうっていうのは事実。

でも3D映画のクリエーターたちはこの問題を認知していて、一生懸命気持ち悪さが起こらないように映画を作っているようですが、より根本的な問題は、感覚の違いの間に起こる矛盾なのかもしれません。アバターのような映画を見たとしましょう。私たちの視覚系はぼんやりした月が浮かぶ空でくるくる回っているのを見ているのに、他の感覚系は椅子に動かずに座ってると認知しています。もちろん2Dの映画でもそういう感覚の矛盾というのは起こるんですが、私たちの脳は2Dが「本当じゃない」っていうことを受け入れるのに慣れているんです

一部の人には3Dはかなり重症な副作用が起こるようです。例えば、サムスンの3Dテレビの安全に関する説明書には、頭痛、倦怠感、乗り物酔い、眼精疲労だけではなく、姿勢の不安定、色覚の変化、めまい、腹痛、ひきつけ、意識喪失なども起こりうる症状として記載されています。もし3Dテレビにこのような影響がある場合、もちろん重要な安全上の影響があるようですが、今の所この問題に対する査定はまだあまりされていないようです。

最近実験で、4歳から82歳までの433人のボランティアを集めて映画トイ・ストーリーを2Dと3Dを見てもらったそうです。実験では一般的な2つ種類の3Dテレビ、「アクティブ方式」と「パッシブ方式」を使用。参加者は映画を観る前と観た後のバランス感覚と整合性をテストをしてもらいました。みなさんには2つの体の動きを記録する3軸加速度センサーをつけてもらい、簡単な障害物の周りを歩いてもらいました。目と手の整合性を見るため、参加者はフープを入り組んだワイヤーに触れないように通して進めていくという「バズ・ザ・ワイヤー」というゲームをしてもらいました。

もし3Dを見ることでめまいがするのであれば、この障害物の周りを歩くのにもっと時間がかかるし、センサーでは体の動きがあまり安定していない、という結果が出ると予想していました。そして視覚にも影響が出ているとすれば、ワイヤーのゲームも最後まで行くのに時間がもっとかかるか、もっとワイヤーに触ってしまうとう結果が出るだろうと予想していました。

参加者の元々の目の問題が3Dの副作用に影響があるといけないので、みなさんには実験の前に眼科でチェックをしてもらいました。

実験結果ですが、バランス感覚と整合性のテストでは3Dの影響を全く検知することができませんでした。そして2回目の実験ではなんと、もっとうまくできちゃったそうです。この結果は2Dでも3Dでも、そしてアクティブ方式でもパッシブ方式でも変わらなかったそう。また、歳の差も視覚も3Dでは何の差も出なかったとのこと。

3Dの映画を観た人たちは奥行きがリアルだったとの感想を述べたそうです。そしてその人たちは頭痛や眼精疲労だけでなく、めまいや吐き気という副作用もあったと。でもめまいは3Dのせいかどうかは明らかではないんですね。

なぜかというと、一部の参加者には3D用のメガネを渡して3Dの映画を観ると思わせて、実は2Dの映画を見せていたんです。その人たちは本物の3Dの映画を観せた時と同じ割合(3%)の人たちが、めがいがすると言ったそう。対照的に偽物の3Dを観た人より、本物の3Dを観た人たちの方がより高い割合(約10%)で頭痛や眼精疲労を訴えたそうです。これは、3Dの映画は頭痛を引き起こすことはあるものの、めまいというのはただの思い込みということがわかりますね。

もちろん、3Dが引き起こす微妙な副作用を全部検知できなかったという可能性もありますが、それは同時に普段の生活で心配するような問題まで起こすことはないということですね。またトイ・ストーリーというどんな世代にも楽しい映画がテストに選ばれたことも原因かもしれません。このように、ピクサーの専門家がコンピュータで作成した3Dがめまいを起こさなかったとしても、あんまりきちんと作られていない3D映画だった場合はめまいを起こす可能性はありかもしれません。

それにもかかわらず、この分野での研究があまりされてきていないので、今回の実験は再確認になったんではないでしょうか。最後に3Dで頭痛は起こるのかというと、一部の人は起こると言えます。では、めまいは? というと、たぶんないですね。めまいで気持ち悪くなっちゃうというのは、かなりの確率で思い込み!

image by Shutterstock

source: The Conversation

Jenny Read - Gizmodo US[原文

(リョウコ)