ついに「スマホで投票」がアメリカで実現するかも

ついに「スマホで投票」がアメリカで実現するかも 1

スマホなら毎日触りますもんね。

アメリカではタッチスクリーン式の投票もどんどんと増えてきました。でももっと多くの人に投票してもらうにはタッチスクリーンどころじゃなくて、もっともっと投票という作業を楽にする必要があると思うんです。

それを実現するかもしれないアイディアがいま少しずつ動いています。Long Distance Voterというグループによる「Vote By Smartphone」というプロジェクトです。プロジェクト名はそのまま「スマホで投票」という意味。そうです、スマホで投票できたら投票率はぐーんと上がると思いませんか? そうしたらこれまで政治に反映されてこなかった層の声もどんどんとパワーを持つようになります。もしかして、大きな社会変化を生むようになるのかも...?

このプロジェクト、つい先週Knight Foundationという財団から資金が与えられたことで本格的に進みつつあります。

アメリカでは、18歳〜30代前半の若者層や、独身女性、そしてアフリカ系やラテンアメリカ系の市民の投票率が低いのですが、Long Distance Voterはそういった層にも投票に参加してもらうことを目標としています。そこから出てきたのがこの「スマホで投票」というアイディアなんですね。Long Distance Voterによるとこういった層の85%がスマホを持っているとのこと。

ただ一気にすべての投票をスマホに置き換えるというわけではありません。このプロジェクトが取り組んでいるのは、不在者投票をスマホでできるようにすることです。

Pew Charitable Trustsによるとアメリカでは2014年に投票された票の4分の1が不在者投票、つまり郵送による投票で行なわれたそうです。オレゴン、ワシントン、コロラドの3つの州ではむしろ郵送による投票がスタンダードになっていて、そのおかげで投票率も高くなってきているとか。

ただ不在者投票も多少の手間がかかるんですよね。投票する人が自分で書き込んで郵送しないといけないですし、場所によっては自分で票をプリントアウトするところから始めないといけません。紙と時間の無駄だし、紙の投票ってどうしてもミスが起きちゃうんですよね。そこでプロセスすべてをデジタル化する必要がある、というわけです。

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Vote By Smartphoneの仕組みはこうなっています。まずスマホで不在者投票を申し込みます。ここまでは既にいくつかの州で投票者オンライン登録の時にできるようになっています。でもそこからさらに投票まで同じシステムを使って投票できるようにするのがVote By Smartphoneです。承認は電子署名を使います。

実はアメリカでは公文書関係でも、オンラインでサインができるものが増えてきてるんです。あーあれ市役所に出さないといけないんだった!というときでもわざわざ市役所に行かなくてもオンラインで記入し、サインまで済ませてpdfで送信できてしまうサービスが少しずつ増えています。

そういった政府関係の電子署名にはDocuSignによる電子署名テクノロジーが使われていますが、Vote By Smartphoneも同じテクノロジーを使います。それによって自分のスマホから不在投票まで済ませることができるんですね。

2016年の大統領選、このペーパーレスな投票のシステムを2つの州でプロトタイプとして運用できないかと計画されています。候補として有力なのはカリフォルニア州とミズーリ州だそうです。しかしアメリカではそれぞれの州が投票に関して違ったルールを持っているので50州に広げるのは障害があるようです。州によっては不在者投票の登録が既にオンラインでできるところもある一方で、ちゃんとした理由がない限りは不在者投票を一切認めない州もあります。

このプロジェクト、本当に投票率を上げてくれるんでしょうか。実際のプロセスを目にしてみないと何とも言えませんが、郵送による投票は既にかなり簡単ですし、その結果、郵送ができるところではたくさんの人がそっちで投票するようになっているわけですよね...。

ロサンゼルスでも私が住む地域では郵送での投票がすごく簡単ですが、これがスマホでできるとなれば更に簡単です。電子署名にどれくらいの人がなじみがあるのかが問題なのかもしれません。

少なくともこのプロジェクトによって不在者投票というシステム自体に人々の注目がもっと集まればいいなと思いますね。それによって50州全てで基本的には郵送による投票が簡単にできるようになって欲しいです。

投票日の数週間前に自分のペースで投票することができたら便利ですよね。しかも選挙の運営側にとっても良い話なんです。郵送による投票がスタンダードになった州ではそれによって経費がたくさん節約できているそうです。ここまで聞くとこの方向で積極的に進めないほうが変な気がしてきます。

ちなみにVote By Smartphoneに資金を提供している財団Knight Foundationはアート、メディア・イノベーション、そしてジャーナリズムを支援している団体。彼らによる投票システムを変えるためのアイディア・コンテストKnight News Challengeのページでは他にもたくさんの素晴らしいアイディアが見られます。

source: Knight News Challenge

Alissa Walker - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)